工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

砥部焼の器 

2016/11/17
Thu. 17:37

午前0時30分、石見銀山の自宅を出発して徳島へ向かう。
銀山街道は出雲街道と合流するまで遭遇した車が1台。
三次からやまなみ街道へ乗って尾道まで約2時間。
瀬戸中央自動車道へ入って、水島のI.Cで降りて日本第一熊野神社の一般駐車場へ入ったのが午前4時前。
それから保護材の古い毛布をコンパネの上に重ねて、シュラフに潜り込んでiPhoneのSadeを聴きながら仮眠。
四国の旅のお供にお願いしていた倉敷の森山さんがワンボックスの窓を叩いて起こしてくれたのが早朝5時。空には、まだ十分に大きくて明るいお月さまが輝いていた。
最近また調子の悪くなったG12を取り出してしばしお月さまを撮影。それから瀬戸中央自動車道を渡って高松道を板野で降りて松永邸へ着いたのが朝の7時半。
美味しいコーヒーとトーストの朝食を用意してもらって少し落ち着いてからワイフと私の彫刻をワンボックスへ積み込んだ。

今回の四国の旅でもう一つの計画は、砥部焼の作陶家遠藤さんの器を見ること。
磁器の食器は丈夫だから広く世間へ出回っているものの、自分の周辺はどれもこれも美的センスのカケラもない雑器ばかりで、特に万善寺に残って日常に使っている磁器の味気なさといったら、それだけで食欲が失せる。
日常で使いまわす器など、所詮その時々の決まった用をこなせばそれで十分なことなのだろうが、それでなくても殺伐とした環境で、せめて家族の団欒や希少な来客との食事くらいは心豊かな一時にしたいものだ。
石見銀山の周辺は、質の高い丈夫な陶土の産地でもあって、窯元もアチコチにたくさんあって、日用雑器から作家物まで気に入った陶器を探すに苦労がない。だから、吉田家には陶器だけは溢れかえっている。そのうえ、実は約10年間位吉田自身も粘土や釉薬造りからロクロを回したり窯を焚いたりしていた時期があって、その時に造った器も食器棚でホコリをかぶったまま放置されていたりする。気がつくと過去のボクの力作がネコチャンズの食器になっていたりして、なかなか複雑な心境であったりもする。
まぁ、ようするに色々な過去の痕跡を適当に使いまわして消去して日常の暮らしを更新してそういうことを繰り返しながら毎日の食卓を楽しんでいたりするわけで、今回、ひょんなことで砥部焼の遠藤さんと知り合いになった機会を逃すまいと、いきおい、徳島から松山へ午前中のうちに移動したわけだ。
途中少し迷って、遠藤さんに電話してえんどう窯へ到着したのは11時位だったか・・・
早速自宅のひと部屋を使ったショウルームで器を物色した。
デザインのセンスに磁器土や釉薬の魅力がシッカリと裏付けられていて、観ていて楽しくて飽きない・・・というより、目移りしてなかなか心が定まらないまましばし時が過ぎた。ここでも美味しいコーヒーを頂いて、気持ちを絞って、とにかくスタートはシンプルにしようと決めて5枚の皿にした。お土産にご夫婦それぞれの器も添えてもらった。
帰宅してワイフに見せたらとても気に入ってくれた。
キーポンは「かわいいぃ〜〜!私がもらっとくぅ〜〜!」と大騒ぎだった。
キーポンが使うには50年早いわ!!

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お皿型燭台 

2014/03/21
Fri. 05:29

今年の春彼岸は雪が降るようなことをいっています。
もう雪も降らないだろうとタイヤを履き替えたばかりなのに、最近の天気は予測不能です。

色々準備を進めて、やっとお参りのお檀家さんへの粗品を造り終えました。
日常の暮らしの中で、毎日お仏壇やご本尊さんへ向かって手を合わせることも難しくなってきたご高齢のおとしよりのことを考えて、アロマキャンドルをご灯明の変わりに出来ないかと思いついてみました。
一度火をつけると、4時間から長いもので8時間も連続で小さな灯火がついているというすぐれものです。
実験してみると、輸入物の粗悪なものでも結構しぶとく延々と灯火が長持ちするし、これ1個あれば、舎利礼門を1回お唱えするくらいの朝夕のおつとめなら軽く1ヶ月はもちそうだし、せいぜい1年で10個もあれば十分。
100円ショップだと200円と消費税で1年分以上の灯明が手に入ることになります。

私が本堂でウロウロしていると、おかみさんが這うようにやってきて、朝晩の茶灯鐘つきのことで「もうやめればいいのに」と愚痴をこぼします。
東堂さんが毎日やりたいように線香蝋燭に火をつけてアチコチ焦がしたりして危なくてしょうがないからなのです。

つい2年ほど前にも、お檀家さんの隣の新築の家で火事がありました。
新建材を使って2×4で組み立てられた洋風の真新しい家が、見事に(失礼!)室内だけ燃えてしまったのだそうです。
消防団の人達も、家の外から放水しても何の役にもたたなかったようで、消火活動が難航したそうです。
その出火の原因はお仏壇でつけっぱなしにしていた蝋燭が何かの拍子で座布団の上にたおれてしまったことだったとのこと。

指先の不具合は60歳の私でも老化を感じます。
寺のおかみさんは、節々全てが瘤のようにかたまって、ライターの石をすることも難しいほどです。
マッチも何度か失敗を繰り返しながら火をつけます。
1本の線香は折れないようにつまみ上げることが至難です。
短く縮んだ身体で、長い燭台のそのまた上の長い蝋燭に火を灯すなど、想像以上の重労働になっています。

そのような、高齢者の日常から思いついたのが今回のお皿型燭台。
いつもは、こちらの方を使って朝課つとめなどしてもらえるといいなぁと思っているところですが、さて、習慣を変えることに病的な頑固さで拒否を続けるおかみさんが、何をいってくるか・・見物です。
きっと、春彼岸を終わって、わたしが日常の暮らしに戻った頃には、お皿型燭台もどこかにしまい込まれてしまうのでしょうねぇ・・

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出前ワークショップ 

2013/11/20
Wed. 08:39

たまにはまじめに(??)お知らせなど・・・

夏前からお話しなどさせてもらっている富山(とやまじゃなくてとみやま)のYさんは、とみやまカフェ実行委員の一人でもありますが、その彼女が窓口になって、このたび「アートワークグループ やまにあプロジェクト」とのコラボ企画が実現いたしました。
内容は以下のとおりです

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タイトル:羊毛フェルトでともだちつくり!!
       ~オリジナルのかわいい小物をいっぱいつくってみませんか?~

内 容:とみやまカフェ コラボ企画 〜出前ワークショップ〜
    羊毛フェルトを材料にして・・・
     小さなぬいぐるみから置物や小物、アクセサリーなどをつくってみましょう
    お年寄りから小さなお子様まで、どなたでも簡単につくれます
    必要な道具や材料はすべて用意してあります
    材料代1個100円を握りしめてお越し下さい

場 所:旧富山小学校1階ランチルーム (大田市富山町)

開催期日:12月1日(日)

開催時間:10:30~15:00(最終受付14:30)の間で自由にご参加ください。

団体名:アートワークグループ やまにあプロジェクト 
                ~とみやまワークショップチーム~
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
我が愛車のデッキバン結界君で普通に走って、大田市の中心市街から約15分、石見銀山から約25分ってところでしょうか・・
国道9号線から南に向かって約5分走ると到着で、とっても景色の良いところです。

メンバーが、夕方から三々五々集まって材料準備をしました。
お近くの方は是非お越し下さい。お待ちしております!

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鉄地銅鍛造象眼錫鍍金仕上文鎮 

2012/03/19
Mon. 06:45

いよいよ春のお彼岸中日法要を迎えます。

少しずつ準備を進めていた万善寺も、結局例年通りおかみさんの仕切りがはじまって、微調整のはずが大幅変更になり始めています。
今年の3月下旬は、休日や平日が入り乱れて、卒業式や終業式や合格発表や離退任式や新旧PTA引き継ぎ会議や送別会や、それに小品彫刻展の準備業務が加わったりして、私の軟弱な歩くハードディスクもオーバーヒート気味です。
それにこの度のおかみさん介入でますます先行きの見通しが不透明になりつつあって、なかなか鍛えられる日々を過ごしています。

これからアチコチで餞別も必要になるし、万善寺のお彼岸法要「ようこそお参り」の粗品準備もあるし、何かと物入りのことも重なるので、1日工場にこもってクラフトを造り貯めしました。

鉄は、長年風雨にさらしながら、こまめにねかしたり立てたりひっくり返したりしてマチエールを工夫したものを使用。
銅の鍛造象眼は石見銀山の丁銀(銀素材の小判のようなもの)造りと同じ技法を模したもので、でかいハンマーで思いっきり叩いていると、気持ちがスカァーとして体内の湿気が吹き飛んでいきます。
鍍金はようするにメッキのことで、本来なら「銀」を使用すべきでしょうが、銀は経年変化で酸化すると結局黒く燻されてしまうので、いつまでも銀色に輝く「錫」を素材に使いました。

用途は「文鎮」・・呼び方を変えると「Paperweight」・・
春一番への対応は厳しいものの、春の微風くらいはそれなりに凌げる程度の重さは、軽くて軟弱な制作者の性格がそのまま形態に置き換えられた一品となっております。

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参考までに 

2011/02/10
Thu. 08:42

手づくりのお菓子のように見えるかも知れませんが食べられません。
これから例のイベントに向けて老若男女色々お考えの方々は、デザインの参考にでもして下さい。

・・・という事で、只今春の小物展に向けて制作真っ最中です。
といっても、まだ殆どが試作の段階で、製産ペースは低迷しています。
一人で造っているとどうしても思考や嗜好が片寄ってしまうので、ワイフの強力な助言が必要になってきます。

クラフトの小物といっても、私の場合は装身具からはずれているので、そう高額になる訳ではありません。
一方で、オリジナル1点物の路線をキープしつつ大量に製造して量で稼ぐ・・という雑貨指向の強い家内工業製品という位置づけでしょう。

最近は・・といってもかなり前からですが、このような雑貨品は殆どが現地生産の輸入品になっていて、国内の職人さんが作るものは美術品やら工芸品やらの俗にいう「作家物」的扱いに変わってきて、取り扱いのお店の棲み分けもはっきりしてきたような気がします。
そのような世間事情に何とか入り込めないかとあれこれやりくりしてみましたが、結局古くさい考えを捨て切れない不器用な私は、ひたすらコツコツと自分が納得できるものを造り続けていくしかないと思うようになりました。

今のところ、かたちに対する心構えとして、手のあとが残る仕事、工業製品に出来ない仕事、コストを考えない一手間加わった飽きない仕事をめざしています。

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貴重な時間 

2011/02/06
Sun. 06:02

このところまたもやお騒がせの業界も、結局65年ぶりに興行中止になるようで、雪に埋もれて暮らす老住職夫婦の楽しみも無くなってしまうみたいで、話題や興味の矛先が私に向いてきそうで、またまた制作の工場通いが難しくなりそうで、そんな方向性にビクビクしながら工場仕事に励んでいたら、気がつくとお昼をとっくに過ぎて3時前。
いまさらお昼ご飯というのもピンとこないし、結局昼食抜きで夕方まで小物パーツをセッセと造り続けました。

さすがに帰宅すると小腹が空いて口が淋しいなと思いつつ色々物色しましたが、これといって目ぼしいものも見当たらず、我慢してワイフの作る美味しい夕食を待つことにしました。

嘘か真か聞く所によるとあのお騒がせ業界の方々は一日2食が常識だとか。
キッチリ練習して、しっかり腹を空かせて、ガッツリ詰め込むことで体重を増やしているのだとか。

曹洞宗坊主の場合、修行僧は朝3時に起床、座禅と朝課諷経が終って「小食(朝食)」。作務や講義や日中諷経をして「中食(昼食)」。講義や座禅があって晩課諷経が終ると「薬石(夕食)」。その後講義と座禅をしてから夜9時に就寝。
心身共にとても健康的な日常生活を送っています。

あの業界の方々も興行中止の間、何処かの僧堂で起きて半畳寝て一畳の暮らしでもしてみられたらどうでしょう。
きっと健康的に痩せられると思いますよ・・・って、痩せちゃダメか!

そんな訳で、昼ご飯抜きの私はいつもよりガッツリと夕食を頂き、空腹を解消したのでありました。

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春の小物展 

2011/01/26
Wed. 07:14

べつに怠けたりサボったりしている訳ではありませんが、この度の冬は雪と寺の老住職夫婦に振り回されて工場に落ち着く機会を逸してしまっています。
それでなくてもゆるくあまく、なりゆきとノリで日々の暮らしをやり過ごしているような自分ですが、さすがにここまで外的状況に振り回され続けるとストレスも溜まりがちで、人間の未熟さを反省する心の安定もグラつきがちになってしまいます。

そんな時は、ひたすら無心になって鉄と向き合い、ひらめきにすがり鉄床を相手に金鎚を振り降ろします。
軟弱な私は、寒さ対策でアセチレンなどを使ったりもして秘かに仕事の延長でぬくもったりもしますが、そんな作業を半日も続けていると、知らない間に鉄や道具の感触に集中しています。

工房むうあ春の小物展に向けて、少しずつですが気持ちがクラフトに向きはじめているところです。

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彫刻家の作る小物 

2010/07/20
Tue. 07:12

石見銀山は35℃でした。
ギャラリーの前を往来する観光さんはアスファルトの照り返しで暑そうなので水まきの回数は増えましたが、それでも日陰にはいると通り抜ける風が涼しくて、暑さも苦にならないほどです。

夕方になって偶然ギャラリーの前を通り過ぎようとした若いお姉さんたちが目ざとく吉田を発見。
4・5年ぶりの再会になりました。
3人連れのうち二人は近所で働いているらしいのですが出会いません。もっとも、私の方の行動半径が狭すぎるせいもあるでしょう。
その後、彫刻小品展へ出品してくれるお姉さん(といっておきましょう)が要項を受けとりに来訪。
またその後、先のお姉さんよりずっと若いお姉さんが声をかけてくれました。このお姉さんは、もう15年近く合っていないかも知れません。ありがたい話です。

夏バージョンのギャラリーももうちょっとじっくり見ていただきたいのはヤマヤマですが、汗止めの手ぬぐいを首に巻き付けたヨレヨレオヤジを嫌がりもせず親しげに声をかけていただくだけで幸せな気分になれます。

ワイフも彫刻家ですが、夏バージョンの小物をつくってくれています。
お話しだけで帰っていかれるお客さんも多いので、たまには展示品も「チラ見せ」という事で、この度は、彫刻家吉田満寿美作「カードスタンド」です。

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2017-08