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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

隣の風景 

2010/09/14
Tue. 01:00

このところ、万善寺の用事で頻繁に老住職と会話するようになりましたが、そのせいか「急に老込んでしまったなぁ」と感じる時が増えました。
姉さん女房のおかみさんの方も、すがりつくような視線を私に投げかけることがとても増えてきて、粛々と眼前の事実に向き合おうと努める私の手間を横合いから引っ張ります。
二人ともまだまだ日常の暮らしをこなし、ほぼ決まっている毎日のスケジュールにかろうじてついていっている状態です。
私の方もむやみに手を出したり、過度の親切心を見せたりしないようにクールな付き合いを維持しています。
それでも見過ごすことが出来ないで手が出たり口が出たりしてしまいますが、体罰のことをいっているのではありません。

この度も、老住職導師のもとで鐘つき坊主をさせてもらいましたが、導師の授戒を久々に葬儀の場で聞いたような気がします。
最近の世の常で何事も簡素簡潔に取り仕切ることが増えてきて、仏事の諸々もそのような地域事情で少しずつ親族の内輪事の中に振り分けたりしながら見た目の時間短縮を測ってきたといういきさつがあります。
参列者や手伝いの負担軽減のようなことらしいのですが、私としては釈然としないところではあります。
が、実はそのような葬儀の流れを推進してきた坊主の一人が万善寺住職であったわけです。

その老住職の突然の授戒表白ははっきりいって焦りました。
参列の皆さんはたぶん「今日の葬儀はながいなぁ」くらいに感じられたでしょうが、どうやらそれは住職のボケではなかったようです。
Kさんの奥さんの松子さんは、私が小さい時から万善寺の諸行事の度に台所のお手伝いをしていただいていたベテランで、結婚したてのワイフも事あるごとにお世話になっていた方でした。
きっと老住職には積年の思いがあったと思います。
寺を支え続けてくれた同志が一人いなくなったことへの悲しみとお礼の意味があったのだと思います。

まだまだ残暑が厳しいある日の、そんなこんなの冷や汗モノのドタバタも一段落してから夏野菜などのおすそわけを持って帰宅しました。
何となく寺の一日を引きずりながら、しばらくぶりに裏庭へ出てみると、見事に伸びた隣の庭草。
てのひらに残る鳴り物の感覚が一瞬で電動草刈り機に変わりました。
近所迷惑もかえりみず、朝の涼しいうちに草刈りを済まそうと心に決めたのでありました。


IMG_9272.jpg

IMG_9273.jpg隣の庭

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2010-09