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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

色即是空 

2011/03/13
Sun. 05:07

想像を絶するほどの被害が続出しているのをただ傍観するしかない自分の不甲斐なさを意識しつつ、寺の彼岸会お知らせなどの事務を続けている状態です。

私の周辺で少しの変化といえば、親子親族の会話が増えたことでしょうか。
この度の地震の驚異で、やはりどこかしら心の不安が隠せなかったり会話を確かめることで安心を求めたりしているのだとも思います。

たまたま出先で用事を片づけていると、吉田家近所の一人暮らしの娘が深刻な顔をして話しかけてきました。
「しょうちゃんゆうべはおうちでした?」
と聞かれたので何かと思って色々話してみると、地震と津波の情報が絶え間なく流れるなかで、一人でジッとしていることの心細さに耐えきれなかったようです。
ひとまず、「結構ナイーブだねぇ」とその場は軽く返しておきましたが、正に余震の続く中で暮らしつづけている人々は私など簡単に想像出来ないほどの心のダメージを受けていらっしゃることだろうと思ったりもします。
事の大小関係なく頼り頼られお互い様ですから、遠慮などご無用のお付合いがあたりまえの暮らしだと思ったりもしますが、最近はそんな付合いも難しくなっているのでしょうか。

何となく寝つけないまま引導を考えているとすでに夜が明けようとしています。
つい昨日までそれなりにいつも通りの朝を迎えて一日が過ぎるはずだった九十余年の元町長が、ストンと亡くなってその実感もつかめないままトントンと葬儀のことが進み、壮年の重職のこともあるので粗末な葬式には出来ないと、坊主の頭数の一人で私にまで声をかけて頂いた次第です。

一方では大きな災害に飲み込まれ、一方では家族に看取られ大往生。
死ぬると云うことには変わりない人の命のはかなさを身をもって感じているところです。

通夜に間に合うように寺まで帰ると、狭い境内の残雪の端っこに小さな雪だるまが解け残っていました。
年回の法要でお参りのお子達が残した力作でした。
黄昏に輝く雪だるまは、自然の千変万化に翻弄される人間のチッポケさを教えてくれているような気がします。

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2011-03