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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

破れ鐘 

2011/08/02
Tue. 05:06

吉田家末娘のキーポンは、中学校吹奏楽部でクラリネットを吹いています。
1年生の時は10人で演奏し、それから4人まで部員が落ち込み、その後2ケタまで持ち直し、3年生になって一気に新1年生が入部して部員数も増え、毎日はりきって部活動を続けています。

その吹奏楽部も夏になって大会が近づき、先日も県大会メイン会場グラントワで現場練習をしたところです。

今年の自由曲には鐘の音がほしいということになって、キーポンを通じてボーズの私に声がかかりました。
寺には大小幾つかの鐘はありますが、さすがにいつも使っている仏具をそのまま貸しだす訳にもいかないので、当初は難しいと判断していましたが、そういえば役場で廃棄になった破れ鐘の半鐘が安置替えのお勤めをされてそのまま寺にあずかっていることを思い出し、それを貸してあげることにしました。

その半鐘は、元禄年間の鋳造で元あった寺はすでに廃寺。
その後、どのような経路をたどったのか分らないまま、結局消防所の火災警報の半鐘代わりに長らく使われていたようで、ヒビ割れてしまったのも多分その時に思いっきり叩き続けたからではないかと推測したりも出来ます。

ちょっとした用事で役場に出かけた時、丁度同級生のW君がその破れ鐘の話しを持ち出してくれて、廃棄処分で処理場まで運ばれる寸前の半鐘を救い出すことが出来たのも何かの縁だと思ったりもしたところです。

この度、吹奏楽大会で久々の晴舞台を踏むことになった半鐘を祈念して、吊り下げのフレームアームを作りました。
財政難の厳しい部活動費なのが分っているので、材料代と最小限の必要経費で現物併せしながら造ったアームの使い勝手をその大会会場で確認しておくことも大切なので、朝から工場へ隠りっきりで造った出来たてほやほやのアームをポンコツ君に積み込んで走ること1時間半。

何とか練習時間に間に合って、現場の使用感を確認し、微修正を検討することが出来ました。

ボーズの世界での破れ鐘は、歴史の資料程度の価値しかありませんが、音楽の世界では、割れていることの響き具合がそれはそれでよろしいようで・・・。
ヒョッとしたらすでに潰されていたかも知れない破れ鐘の半鐘も久々の晴舞台に再登場できて、きっと喜んでいることでしょう。

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2011-08