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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

福光石 

2012/05/11
Fri. 11:24

キーポンが高校へ通うようになってから、送迎の時間が今までの2倍以上になりました。
片道15kmを朝夕2往復することになります。
都合良くワイフの出勤や帰宅時間と重なったりすることばかりではないので、だいたい半分ぐらいは私が送ったり迎えにいったりしています。

今日は、私がキーポンを送ってそのついでに市役所が開くまで駐車場でラップトップをつつきながら展覧会の事務処理などして、9時と同時に受付窓口で書類申請などしたら、それがなかなか思ったようにすんなり行かなくて、結局アテにしていた書類交付も却下。
その旨を高校担当窓口で伝えて善後策を相談していたら、今度はキーポン携帯から電話。
あいつは携帯使用を禁止されている学校から電話をかけています。
「検尿の容器家に忘れたから持って来てぇ〜」だって。
仕方ないから、そのまま自宅まで引き返して検尿探すも見つからず、狭い吉田家の彼女の立ち回りそうな場所をアチコチ探しまわってやっと発見。
不備だった書類申請のやり直しで市役所を回ってから高校事務へたどり着いたのが既にお昼前。
「子供が忘れた検尿を持って来たんですけど・・」と事務の窓口に伝えると、
「ちょっと待って下さい、今保健の先生に伝えますから」としばらく待たされて、結局、既に検尿の集配が終了した後だと分かって、この度の検尿は破棄。
いつもだったら朝メシ前に終了する用事が、気がつけば朝メシ抜きですでに昼メシ前。
失われてしまったオヤジの時間を取り戻すには、家族が寝静まってから深夜営業するしかありません。

そんなこんなで閑話休題。

石見銀山での現代彫刻小品展に併せてのプレイベントは、「福光石を使って彫刻(らしきもの)を造ってみよう」というワークショップをすることになりました。

福光石(ふくみついし)は火山灰が堆積して固まってできた凝灰岩で、島根県では似たような地層で採れる来待石(きまちいし)などと一緒に、昔から広く人々の暮らしに密着して多用途に重宝しています。

「福光」は、世界遺産の指定地域からすぐ近くにあって、そこでは今でも採石が続いていますが、時代の流れの中で少しずつ新しい素材にとって代わり、最盛期に比べると生産量は激減しています。
柔らかくて加工しやすいので、あらゆるものがそれで造られていて、今でもその名残が石見銀山の各所で見られたり、実際に使われたりしています。

ワイフも、一時期はその福光石を使って彫刻の小品など造ったりしていました。
私は、彼女の制作のかけらをもらって、クラッシャーで粉砕して、ポットミルで1週間くらいガラガラかき混ぜてパウダー状にしたものを陶芸の釉薬に調合して、器を造ったりしていました。

柔らかい石なので、磨いても光沢が出ることはありませんが、周りを映し込まない分だけ淡い色合いのわりに形がしっかりと見える感じなので、ワイフがよく造るような緩やかな三次曲面をメインの抽象彫刻にはぴったりの素材だと思います。

石見銀山には、その福光石を使った五百羅漢の彩色が残った石像があります。
江戸の頃は、石見銀山の幾つかの谷間に密集した住居と隣り合わせるように200もの寺院が点在していたと云われていて、羅漢像はその一つの羅漢寺前の岩をくりぬいた石窟に、当時の名工坪内平七とその一門が数年に渡って制作し、一体一体奉納喜捨したと云うことです。

今回のワークショップでは、福光石の持つ色々な魅力を知って頂きたいと思っています。
いろいろあってワークショップがらみの原稿制作に当てていた半日を取り返すべく、これから昼寝もしないで夜なべまでしてデスクトップとにらめっこです。

おっと、その前に朝昼兼用のメシを食べなくっちゃ・・・

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2012-05