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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

歳月不人待 

2012/09/10
Mon. 08:15

つい2ヶ月ほど前までは、甘いものも辛いものも、よく食べよく飲んでいた東堂さんですが、その後どんどん食欲が落ちて、今では点滴で栄養補給をするまでになりました。

毎日の通院が日常化して、既に2週間が過ぎようとしています。
その間、東堂さんの足代わりにおつき合いを続けていて、ほとんどが寺暮らし。

彫刻の制作時間が激減して、現在、通算5時間足らず。
反対に、展覧会の報告書などのデスクワークはどんどんはかどって、週明けの本日には窓口へ提出出来るまでになりましたが、肝心の私本人が動けないので、今のところ、何時石見銀山へ帰れるか未定。

そんな状況の中、余儀なく東堂さんの年金を食いつぶしての寺暮らしになりつつあります。
僧侶の暮らしは、日本国的職業分類すると「自営業」となるようで国民年金。
60歳を過ぎてから2ヶ月に一度支給される年金も、毎日通院の燃料代にも満たない状態。
安心して療養も出来ない暮らしが続くとは、本人も想定外のことだったでしょう。

8月の盆月が過ぎて、9月になってから、年回法事もほとんど無いほどの、のんびりとした日常の暮らしが戻ってきました。
それでも、ポツポツと入る檀信徒さんからの電話に対応しながら、塔婆などしたためていますが、最近では、法事の方もずいぶん簡略化されて、「出来るだけ短時間でお願いします」とか、「この度の参列は家族身内だけで」とか、「お斎の膳は無しという事で」とか、「お墓参りは自分でしておきますから」とか、施主さんの都合が、どんどん優先して事が進みます。
決まったお経をつまむ訳にもいかないので、勢い早口のお経になって、木魚のテンポも2倍以上になって、ジジイに近いオヤジは、舌がうまく回らなくて、お経を読みながら舌を噛んだりして、もう大変です。
お釈迦様の昔から語り継がれた、坊主と在家を結ぶ布施の教えも、今となっては完全破壊の一途をたどり、「そもそも、布施と云いますと、その言葉の本来の教えはですねぇ〜」などと、ながなが解説するのもはばかられるほど、全てが時間と価格設定で物事が動くようになって、坊主の世間もずいぶんと変わってきたものです。

常に平常心を心がけようと努力しているナンチャッテ坊主でありますが、どうも最近は心乱れることも増えてきました。
気がつくと、ご戒名をしたためた塔婆の裏書きには、「歳月不人待」と書いています。
人生で一度しか巡ってこない今日の1日を、無駄に過ごしてはいけないなぁと思いつつ、一方で、ワイフを筆頭に周辺へ無駄な世話ばかり掛けてしまっている不甲斐ない自分を戒めているところです。

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2012-09