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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

おふだ 

2014/01/13
Mon. 08:20

万善寺の自治会でとんどさんがあるので、身の回りの必要なものを持って、石見銀山から移動しました。
先日石見銀山へ降った局地的な大雪は、やはり里雪に近いものだったようで、赤名高原や万善寺のあたりは年末の雪がほとんど変化のないまま残っている程度のことでした。

島根でいうところの常識的な里雪とは、島根県の山間部一帯へ雪が降らなくて、松江とか出雲とか大田とかせいぜいそのあたりの平野部にドカッと水っぽい雪が降ることをいうようで、今までは冬の終わりを予測できる雪でもありました。
私が少年の頃は、地方版のニュースで「松江の積雪量は20㎝におよびました・・」などと流れると「もう冬もそろそろ終わりだがぁ・・」と両親が話していたものです。
今度の雪の降り具合を見ても、この半世紀で、やはり地球環境は確実に変化していることを実感します。

万善寺では、このとんどさん祭りにあわせて、本堂の荘厳を片づけたり、正月飾りを撤収したりして、地域の皆さんと一緒におたきあげをします。
ひと頃は、20軒以上の家々から大人や子供まで家族が連れ立って集まってきて、賑やかで盛大なお祭になっていましたが、最近は集まる人数が20人程度。
過疎地の人口減少は歯止めがかかりません。

せっかく、お正月以来の単身赴任になるし、法衣袈裟スタイルにもなるし、幾つかの祈念をしておこうと、色々準備をしたところです。
少し早めの「立春大吉」もその一つ。

縁起物のおふだの一つですが、謂れが気になる方は、少しばかり手間をかけて暇な時にでも検索してみてください。
その立春大吉のおふだも、東堂さんが住職の頃は、檀家さんもアチコチに散らばって軒数も多かったし、雪の中を配って歩くのも大変だということで、寺の庫裏に貼り出す程度ですませていました。
私が住職交代をしてからは、頻繁に記憶がワープする東堂さんをだましダマシ、色々聞き込んで、少しずつ昔ながらの年中行事を復活させているところです。
その一つが節分と立春の行事になるわけですが、ささやかながらもせっかく寺でおつとめもしたりするし、檀家数も家内生産の木版刷りでまかなえる程度の軒数なので、昨年から新規に版木を自作したところです。

このおふだは野外へ貼りだすので、ちゃんとした和紙を使って、キッチリ硯で墨を擦って1枚ずつ手刷りします。
最後に守護印を押して完成。
それを本尊さんへおそなえして薫香おつとめしたものを、檀家さんはじめ地域の皆さんへ配布しています。
ひと昔前は、各家で当たり前のように貼り出されていたこのようなタイプのおふだも、最近は新建材の改築やツーバイフォーの新築が進んで、お年寄りのいらっしゃる家でも「家が汚れるから」と仏壇にしまってそれっきりになっていたりすることもよく見かけます。

私のような在家坊主が偉そうなことは言えませんが、やはり「信心」の本意を理解できていないことに坊主の力不足を感じたりもします。
復刻版のような行事も、それはそれなりに意味のある信心だったわけでもあるし、ボツボツと、気長にその意味合いを伝えられるといいなぁと思っています。
もっとも、その前に代替わりして転出になったりして、限界集落が加速してしまうと、どうしようもないことなんですけどね。
今の日本国としては生産性が悪くて経費のかかる田舎は、とっとと消えてなくなるほうが良かったりするのかも知れませんが、一方で無人島の竹島が重要だったりするという何とも釈然としないところもあって、それはそれで、なにか虚しかったりもするんですけど・・・

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