工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

彫刻入れ替え 

2014/02/28
Fri. 08:37

早いもので吉田正純鉄の彫刻展2月版が終了です。
3月からは、石見銀山町並みへ場所を移動して小品中心の彫刻展となります。
野外彫刻の方は、作家歴30年以上のベテラン彫刻家吉田満寿美の田んぼ彫刻が加わります。

彫刻の制作や搬入搬出展示移動など、彫刻がらみで仕事をしている時は、自分の頭の中は彫刻のことでいっぱいになっていて、心に余裕のない状態が続きます。
いつもは温厚なホトケの吉田で微笑みを絶やさないでいるのですが、そんな時は、自然と気難しくなるし、ワイフも含めて周辺の皆さんにいろいろ迷惑をかける事も多いので、一人で出来る事は他人に用事を頼まないで一人で片付けるようにしています。

石見銀山の町並みに面して玄関口のある吉田家は、観光ガイドさんのガイドポイントと、観光さんの写真撮影スポットの一つになっているので、日の高い昼のうちは自宅前で思うように仕事が出来ない状態です。
どうしても、気難しい顔つきでウロウロする事になってしまって、そんな顔つきの変化に自分でも気がついてしまうものだから、皆さんの気分を害さないように、薪運びなどの用事はできるだけ夕方日が沈む頃になってから玄関の出入りをするようにしています。
それでも、たまには観光さんと玄関先で顔を合わせることになったりして、気難しい顔つきのまま無理矢理ニヤケた愛想笑いなどをしなければいけない時もあったりしてなかなか苦労します。
もっとも内心では、観光さんの方でも断りも無く他人の家をパチパチ写真を撮ったりしているわけですから、別に無理に愛想笑いをする必要も無いと思っていたりもするんですが・・

キーポンも今日から部活再会で、3月に入るとそれなりに行事も増えるし、いろんな意味で忙しくなりそうなので、今にうちにストレスを解消しておこうと、久々に映画三昧の一夜を過ごしました。
気がつくと、iTunesで映画の100円レンタル配信をやっていて、早速パクリと食いつきました。
「レイジング・ブル」や「チャンプ」や「ミリオンダラー・ベイビー」や、あの「ロッキー」など、ボクサー映画は、見応えのあるハズレの無い良い映画が多いので、今回の「サ・ファイター」も結構期待したところです。
マーク・ウォールバーグのおさえた演技も良かったけど、あのバットマンのクリスチャン・ベールがメチャクチャ良くてビックリ。これだけでも一見の価値はあるというものですが、かわいいジゼル姫のエイミー・アダムスがいい味出してるし、もう久々に堪能して、気がつけばワイン1本がほとんど空いていました。
ショービジネスの国アメリカは、役者の層も深くて厚いなとつくずく感じます。
普通に歌って踊れて演技が出来て当たり前ですものね。
1週間、何度でも観られるし、今夜もまた観ようかな!
もっとも、搬出や作品移動が上手くいったらの話しだけど・・・

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高機能交通集中管理システム 

2014/02/27
Thu. 09:27

夜中の1時過ぎに目覚めて、なかなか眠れなくなって、牛乳を200ml飲んで、益々目が覚めてきたので、メールチェックをしたり、お気に入りを巡回したりしていたら、ノッチの書き込みが見つかって、時間を観るとまさに午前1時。
「まだ起きてるな・・・」と直感してすぐ電話したら、案の定出てきました電話に・・
美味そうなオリジナルスパゲティーの写真を撮っていたので、その話題からはじまり、ホワイトタイガーやら焼き肉やらレオ様(レオナルド・デカプリオ)の映画の話しやらなっちゃんの話しやらじゅんくんの話しやら・・・久々にノッチと長話をしてしまいました。

天気予報が当たって、延々とシトシト雨が降り続いています。
久々に屋根を叩く雨の音を聞いたような気がします。
学年末試験真っ最中のキーポンは、夜中の長風呂から出たと思ったら、そのまま寝てしまった様子。
試験後半戦は、既に捨ててしまっているみたいです。
そのキーポンを結界君へ乗せて学校まで送っていると、また例の如く場の読めない自己虫ドラーバーに捕まってしまいました。
法定速度の半分ぐらいのスピードでノロノロ運転の列に、後続車も見る見る増えて長蛇の列のままノロノロ走っていたら、今度は遥か前方からハザードやブレーキのランプがうるさいほど点灯していて、結局、ピクリとも動かない。
かなり待ってから片側通行が始まって、動き始めた渋滞の先には、朝っぱらから結構高そうで上等な黒い乗用車が大破する自損事故。
モタモタと現場を通過したあとも、何かと色々あって、試験中のキーポンは遅刻したかもしれません。

最近、インターネット配信で「パーソン・オブ・インタレスト」という、犯罪予知システムを開発したプログラマーと心を病んでリタイヤした元CIAが協力して犯罪を未然に阻止するといったワーナーTVのドラマを観ているのですが、そこに出てくる犯罪予知システムなるものに限りなく迫るような高機能の交通集中管理システムが、日本国中の道路網に配置整備されると、朝の渋滞もかなり軽減されるだろうなぁ・・・
島根の田舎のたいした交通量もない幹線道路で、朝の間の30分程度の時間だけでもいいから、そのシステムを起動して自己虫ノロノロ車を検索排除するだけでも、ドライバーたちのイライラが解消されるだろうなぁ・・・

それでは、妄想もこのくらいにしてノッチシェフの一品でもどうぞ・・
ちなみに、「すぅちゃん」とはノッチの別名です。
彼女は時々「スミノフ」というペンネームも使っています。

〜〜〜〜〜〜〜
昨日の夕ご飯
〜もうすぐ春ですね!すぅちゃん特製、水菜と鶏肉の雪解け和風パスタ〜
#ばか旨#絶品#大根おろしで雪を表現#コンビニで売れる#自画自賛#乙
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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彫刻の行方 

2014/02/26
Wed. 08:18

東堂さんの1日は、朝と夕方のお務めと、3度のメシと、軽い晩酌(今は日本酒)と、それに朝と昼のティータイム。
そのティータイムには、お菓子が無ければいけないことになっています。
毎日辛いものと甘いものをほど良く飲食しているわけです。
1ヶ月に1度の定期通院日で東堂さんのお伴をする時は、お菓子を大量に買い込んでお寺まで迎えに行きます。
歳相応の物忘れのせいもあって、私がお菓子とお酒を絶え間なく供給している事は東堂さんにあまり知られていないようです。
本堂のお供え物のおさがり程度にしか思っていないのでしょう。

そんな満ち足りた暮らしをしているのに、血液検査の結果では若干の栄養失調。
冬の間はなかなか栄養のあるものを食べる機会もないし、さすがに主食の米と酒とお菓子だけでは老体の肥やしにもならないようです。
腫瘍マーカーの数値は下がる一方。
東堂さんの身体のアチコチに巣食っていた腫瘍どもも、宿主同様の栄養失調で自然に淘汰されているようです。
この調子だと、東堂さん、まだしばらく生き続けるようです。

昼を軽く過ぎて、3時のおやつの時間も回った頃にやっと薬をもらって1日がかりの通院が終了。
なんと、よりによってその同じ日に、わざわざお檀家さんが彫刻展のために石見銀山まで来てくれたようです。
ショップの店員さんに檀家さんへの応対を託して、寺まで東堂さんを送った後、展覧会終了後の彫刻の行き先を決めに赤名高原のオシャレなレストランへ寄ってきました。
自分たちの夢を実現しようと、自分たちが育てた第三セクター関連の道の駅を早期退職独立して、自分たちの次の世代を育成するために株式会社を立ち上げた、とてもエネルギッシュな赤名高原をこよなく愛するご夫婦が経営するレストランのアプローチに私の彫刻を設置しようという魂胆です。

なだらかな里山と丘陵が続く向こうには、琴引山の勇姿が遠望され、広範囲から女性のファンが訪れる素敵なレストランに私の無骨な彫刻が似合うかどうかわかりませんが、すでに昨年のうちに彫刻を一つ設置が終わっていて、この半年の間にその地に根づいてくれているようでもあるし、それを手掛りにご主人と交渉しました。
反応は比較的良好で、田んぼの彫刻の搬出からそのままレストランへの搬入というハードスケジュールを提案させてもらいました。
これから具体的に業者さんと打ち合わせをすることになります。
いわば、吉田のセカンドステージといった感じになっていきそうです。
世界遺産登録後、なにかと煮詰まって窮屈になりはじめた石見銀山から、少しばかり距離を置いた方が良いような気もしているところです。

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クラプトンのライブ 

2014/02/25
Tue. 09:02

最近オヤジが年甲斐もなくハマっているのがアリアナ・グランデちゃん。
ノッチの情報で知ったのですが、なかなか歌もうまいし、それに何よりカワイイ!
美術解剖学的に云うと、このまま歳をとれば、しだいに普通のおばさんになって、ギスギスのおばあさんか、ブヨブヨのおばあさんになるだろうなと暮らしの環境も考慮して予測しつつも、今が旬のカワイサはたまりません。
これで、もう少し曲が増えて、ミュージックビデオが増えて、ハリウッドの映画かなんかに出始めたら、「ボクのキャサリン」さんとはオサラバするでしょうね。
ちなみに、キャサリンさんとは、キャサリン・セダ・ジョーンズさんです。
マイケル(ダグラス)氏の嫁さんです。

美味しい情報をくれたノッチが、珍しくお昼前の何でもない時間帯に電話をしてきて「おとうさん、東京来ない?」って唐突にいうもんだから、何か良い事でもあったのかと思ったら、「クラプトンのライブ行かない?」って話しで、「それっていつ?」「2月28日!」「そりゃぁ、ダメだわぁ〜、ちょうど彫刻の入れ替えだし、前後も含めて一番忙しい時!」なので、そんなことを話していたら、「良いじゃない行こうよ、いつもお父さん暇じゃない」などといつになく食い下がってくるから、「確かにいつもは暇にしてるけど、その日はダメなの、とにかく・・・」自由業の身体らしくもない言い訳をしたりして、残念な思いをしつつ電話を切ったのでありました。

ノッチは、年のわりになかなか渋いところがあって、中学生の頃から世界のオヤジロッカーをチェックしていたりして、島根の田舎オヤジと、そのあたりで音楽の趣味は気が合っているのです。
ちょうどローリング・ストーンズも来日しているし、オヤジロッカー達は、日本の寒い時期に来日する事が多いようです。
それにしても、クラプトンはいいなぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜・・・
結局、オヤジの変わりにオヤジギャルのなっちゃんが付き合うことになったようです。
あぁ〜〜うらやましぃぃぃぃぃ〜〜〜〜・・・

〜〜〜〜〜〜〜
(ノ)やばい。チケット探したらあった。
   しかもクラプトンのLIVEにキースが飛入り参加するかもって噂あるし。   迷う。やばい迷う。
(ナ)お父さんと一緒にいきーよ\( ˆoˆ )/
   自由業なんだけん呼んだらくるわね!笑
(ノ)呼んだけど、いちばん忙しい日らしい(;_;)
(ナ)一丁前に忙しいとか言うんや(゚_゚)あたし行こーか?♡
   エリッククラプトンのLIVE行くねーん♡♡曲知らんけど♡
   絶対聴いて損は無いから‼︎☆*゚
   ホンモノに触れる経験は人生に必要な経費‼︎たのしみ♡
〜〜〜〜〜〜〜
なんて会話が娘たちの間で飛び交っていました。
コノヤローって感じです。

オヤジの方は、これから東堂さんの月に一度の通院へお伴です。
学年末試験中のキーポンを送って、お寺用の灯油を買って、結界君の燃料を満タンにして、それに東堂さんの病院代やら薬代やら訪問介護の消耗品代やら・・・朝から1万円札が何枚もヒラヒラ飛んでいきます。
どうせ飛ぶならクラプトンのほうが良かったなどと、ウジウジ思い出しつつ帰宅したところです。
当然今日は工場はおやすみで赤字の一日です。

ノッチと云えば・・・
昨年末に友達を連れて久々に帰省した時、オヤジのストーブピザをふるまって以来、学年末試験に挑むキーポンへのエールを込めて、久々に強力粉をコネコネしてピザを作りました。キーポン、「美味い」と食べてくれましたが、はたして成果はいかに!

なにわともあれ・・「莫妄想」・・余計なことはウジウジ考えないで、今を乗り切ろうと思っている今日この頃です。

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卒業制作展 

2014/02/24
Mon. 08:52

松江の美術館で開催中の大学の卒業制作展に行ってきました。
昨年の現代彫刻小品展のワークショップ等で色々お手伝いしてもらった学生さんの卒業制作を観させてもらうためです。
美術館の一般ギャラリーをタップリ使って、とてもゆったりとした展覧会になっていました。
卒業論文も一緒に展示公開されていました。
最近の学生さんは、卒業までにとてもたくさんの勉強をしているのだなぁと、あらためて感じました。

井上さんの作品は、おおまかにいうと、木の板でほぼ円柱上に囲った空間の天井から、木をやわらかい感じで削ってつくり出した様々な不定形の物体がビッシリと埋め尽くされた状態で垂れ下がっているという、空間造形になっていました。
ほぼ円柱形の空間の中へ入ると、木の香に包まれて、なんとなく彼女の持つ心根の優しさのようなものが伝わってきました。
建築建造物を思わせる全体の形状は、構造の正確さが完成度に大きく影響するような気もして、比較的シンプルなかたちに制作の苦労がうかがわれます。
限られた時間や、限られた制作環境や、様々な外的制約や、それに指導教官の厳しい(??)助言など、いろいろな難問や障害をクリアーして完成された労作だと思います。
ご苦労様でした。
吉田の感想としては・・・
卒業制作が美術館で展示される事が制作発表の条件の一つとして既にわかっている事だと思うので、その空間で最適に機能する緊張感のあるスケールを工夫しても良かったかなと思いました。
制作場所や、搬入搬出などの、展示期間中だけではない様々な制約の中で制作することになりますから、なかなか難しいことだとは思いますが、空間造形表現の場合は空間そのもの環境にポイントというか、ツボというか、そのあたりの見せ場があったりもするので、スケールの条件設定が比較的重要であると思っています。
もっとも、そんなことは、一度や二度の片手にも満たないほどの発表経験ではわからないというか、気がつかないことでしょうから、まずは色々試して場数を踏む事が大事だと思います。

田野さんの作品は、会場の入り口にドンと設置されていて、なかなか迫力がありました。
ワイフは「スプーン」といっていましたが、たぶんイメージというか発想の元というか、なにか具体的なモチーフが造形の核になっているのだろうなと感じました。
本体と、それを支える構造の二つの形態要素が緊張感を持った関連として構成されるところがこのような彫刻の面白さであると思います。
違った素材の木組みには、表面には見えないところで工法上の苦労がたくさんあった事だろうと感心します。
素材が木彫であると云う事も、制作上の構造の決定に制約や影響があるなぁと感じたところです。
おつかれさんでした。
吉田の感想としては・・・
たとえば、支持体の素材を代えたりして、本体の形態をより強く印象深く浮き上がらせる事が出来ていたら、もっと制作者の制作意図がダイレクトに伝わったのではないかと思います。
もっとも、こういう見方はあむまでも吉田の個人的な趣味の問題なので、制作者の意図とは別のところで感じた事であるわけですが、見方を変えると、鑑賞者にとっては作家の表現意図ととんでもなく食い違ってすれ違って接点も何にもないところで主観的な感想を持ったりする事も多々あるわけで、こうして、制作発表をする事の重要性は、そのような相対的な反応を確認するという意味においてとても大切なことだと思っています。

一人の表現者として、自分の造形に託した熱い思いを、一方でクールな客観性を持って伝達する事は、造形の強さや魅力の普遍性に繋がることになり、それを確かめ続ける手段として展覧会などの発表の場が重要であると思っています。
かざらない自分を常にダイレクトに伝える事は難しいことでもありますが、それを継続する事は、いずれ自分の実績にもなって信用を掴む事に繋がるはずです。
とにかく、お二人ともひとまずは卒業という節目をクリアーされた事でしょうが、これが同時に次に進む節目にもなっているはずです。
いつまでも、ものの大小にこだわる事なく、このような表現活動を継続していただきたいと思います。

というわけで、現代彫刻小品展の出品も、前向きにご検討をお願いしまぁ〜す!
・・・というあたりで〜落ち〜とさせていただきます・・・

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表現の自由 

2014/02/23
Sun. 08:49

2月最後の日曜日の朝をむかえました。
石見銀山の自宅のすぐ近所のショップ2階に彫刻を設置してから、吉田の行動形態が久々に日型から曜型に変化しています。
土日になると、なんとなく「会場の受付しなければ!」と思うようになっています。

自分で自分だけのスケジュールを組み立てて毎日を過ごしている時は、寺の予測不能業務(たとえばお葬式とか、祥月命日とか・・)が突然舞い込んでくる事をあらかじめ想定して、日型の暮らしをすることにしています。
ほんの5〜6年前までは、年回法事などの日程は、ほとんど土日に入っていたのですが、最近は、施主さんの都合で土日関係なく1週間に満遍なく振り分けられるようになりました。
こういう状況の変化から、島根のど田舎の山寺の和尚さんごときでも、最近の日本の経済生産活動や一般庶民の日常の生活形態の変化が見えてきます。
昨日も、前々から祥月命日の年回法事を計画していた施主さんが、どうしてもその日の勤務ローテーションを替える事が出来なくて、結局自分の休みの日に法事の予定を入れざるを得ないことになったというような言い訳話を聞きつつ法事を一つ済ませたところです。
正規雇用とか正社員になることの難しさが伝わってきます。

そんなわけで、急きょ変わった法事の日程を午前中から努めて、昼を大幅に過ぎてから石見銀山の個展会場へ入ったところで松江の中田さんから連絡が入って、彼女の個展の打ち合わせを済ませたところです。
なかなかカッコイイDM原稿を用意していて、ヤルキ満々といったところです。

展覧会というと、今日はせっかくの2月最終日曜日ですが、これから松江の美術館へ大学の卒業制作展を観に出かけようと思います。
自分としては、終日彫刻展の会場受付をしたいところではありますが、ワイフの都合でせっかくの日曜日を外すわけにいかないところもあって、日頃から暇に暮らしているわりには、用事が重なる時は重なり続けて、なかなかシンプルな毎日を過ごす事が出来ません。

知人のミュージシャンの黒田京子さんや坂田明さんが、自分のFBに嘆きの記事を載せていました。
あの東京都立美術館が、「展示作品の撤去を求めた!」と云う内容です。
作家は、造形作家の中垣克久さんで、理由は、政治的背景の色濃く漂う作品であるからということ。
私の愛する上野の都立美術館もついに表現の自由を侵食する時代になったか・・と、ある意味で感慨もひとしおです。
私のように別に過激でもなく、どちらかと云えば温厚だと思っている彫刻家の彫刻作品でも、毎年六本木の美術館へ彫刻を設置する度に、数人の美術館職員が張り付いて無言の圧力をかけられ続けています。
こちらの方は、政治的と云うより、美術館施設の破損とか鑑賞者の障害といった要因レベルの話しですが、それでも、一人の表現者としては美術館からの無言の威圧を感じたりもしています。

これから行く松江の美術館も、使用に関する様々な厳しいルールが決まっていて、私のような彫刻制作の表現者はには、とても敷居が高かったりします。
平和主義者で人間性善説をこよなく愛する吉田としては、変なイザコザは最初から避けているので、今後自ら進んで松江や益田の公立美術館で彫刻展示をしようなどと云う気もまったく無いのですが、やっぱり、日本でも有数の一流美術館であるだろう上野や六本木に作品を発表し続けている作家の皆さんにとっては、なかなか頭の痛い問題なのでは無いでしょうか。

私は常々文化が国を育てると思っています。
文化が人を動かしているのであり、人が文化を操作しているわけではないと思っています。
一口に文化と云っても、それはとても広く多岐に渡るもので、簡単で単純なものではないのです。
彫刻表現など、文化世界のほんの芥子粒ほどのものかも知れませんが、それはそれとして、自分の表現活動はやはり自分の人生感を具体的表現していることだとも思っています。
中垣克久さんの造形作品が良いとか悪いとか、好きとか嫌いとか、そういう事は抜きにして、やはり表現者の同類として、この問題と真摯に向き合う事が大事だと思っているところです。
自分に何が出来るのかと云う事を考え続けて、そのことを忘れないようにしておきたいと思います。

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やっちまった! 

2014/02/22
Sat. 02:11

高さで云うと180cmほどの少し大きめの彫刻をつくりました。
予定だとまだ明るいうちに出来上がるはずだったのですが、幾つかの用事が重なって、その事に使った時間の分だけズレ込んで、結局日が暮れてから完成したところです。

いつもの事ですが、制作の時は一人で工場に閉じこもっているので、重大な事故でもおこったら、助けを頼むことも出来ないし、運を天に任せるしか無くなってしまいます。
彫刻の仕事は、結構無理もするし危険がいっぱいなので、日頃から十二分に注意しておく必要があります。
まずは安全第一で、マメに掃除をして工具や端材が散乱しないように片付けながら仕事をしています。
それでも、ふとした拍子に気持ちが緩む事もよくあるし、気がつかないうちに相手をナメてかかったりしていることもあったりするし、そういう時は自然と緊張感も無くなっていて、一瞬のうちに怪我をしてしまう事があります。
今までの経験だと、「あと少しで完成!」というほんのその時によく怪我をしているようです。
今回も正にそうでした。
幸いというか、観音様の御陰というか、重大な怪我にならなくてすみましたが、一歩間違えば明日の法事も出来ないほどの大けがになっていたかもしれません。
手の甲の打撲と擦過傷。
眉の少し下で眼球まであと1cmほどの瞼の擦過傷。
これだけですんだのが奇跡です。
作業中のディスクグラインダーが跳ねて飛んでいったのです。
一瞬の出来事でしたが、思い出しただけでゾッとします。

反省も含めて検証してみると、やはり直接の原因は気のゆるみでしょう。
それに、例のアカギレ。
痛いのを我慢しながら、握力も弱った状態で、何と片手でグラインダーを持っていたりした事がいけなかったのです。

おおいにうろたえたものの、気を引き締め直して制作を続行。
痛い思いをして完成した彫刻は、開催中の彫刻展の会場へ設置します。

私の場合、幾つかのテーマから彫刻を造り分けています。
それが良いかどうかわかりませんが、どうもそのようにした方が一つ一つのかたちや工法にこだわりすぎないですむし、自分の彫刻に対して冷静でいられるような気がします。
個展の制作で今まで造形の追求が未消化で納得出来なかったものが、やっとそれなりのかたちになってくれたような気もします。
素材や工法の開拓も制作上の狙いの一つになっていて、それもひとまず先が見えた感じです。
出来上がった彫刻が良いか悪いかとか、面白いかつまらないかとか、好きか嫌いかとか、結局は観る人の問題なので、それはそれで別にして、自分としては概ね満足の出来る彫刻になったと思います。

今回の個展のように、核になるような展覧会に向けて制作する彫刻は、工法の失敗が許されないし、テーマの曖昧な造形表現は避けなければいけないと思っています。
日頃の習作の中で、かたちやテーマの是非を見極めておく必要があります。
自信がなくて踏み切れない制作上の問題も解決しておく必要があります。
これから先、どれだけ彫刻を造り続けられるかわかりませんが、そろそろ「質より量」から「量より質」へ気持ちを切り替えて、一つ一つの彫刻を大事に制作していこうと思いはじめているところです。
もちろん、無理をして怪我をしないようにね・・

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Nさんのこと 

2014/02/21
Fri. 08:08

彫刻の制作も佳境に入って、今日あたりの完成が見えそうな状態です。
1日中工場に閉じこもって彫刻ばかり造っていると、世間との接点も皆無に近いし、会話の相手は家族か猫くらいのものなので、ネタも無くなってしまいそうに思われますが、まぁ毎日それなりにいろいろあります。
備忘録代わりでダラダラと1日の出来事を整理しているだけの事なのに、それでも少しは削除したり割愛したりもしていて、慌ただしいものです。

松江で暮らすNさんが、石見銀山で初個展をすることになって、2月に入ってからその調整に乗り出しているところです。
個展の展覧会場は、石見銀山の町並みのほぼ中程にある古民家を私財を投じて改修された、Nさんの持ち物で・・・なんて、Nさんが続いて紛らわしいことになるので、今回は名字で以降を続けましょう。
松江のNさんは中田さん。
石見銀山のNさんは中村さん。

関東や東の方は、豪雪で孤立集落も出ているようですが、最近の島根県は天候の変化が頻繁で「なんちゃらと春の空」って感じです。
展覧会の準備や取材を兼ねて松江からほぼ1週間に1度くらい中田さんが石見銀山へやってきていますが、彼女はどうやら晴れ女のようで、彼女から連絡があったりする時はだいたいいい天気になります。
最近になってそれに気がついてからは、吉田としては彼女の石見銀山入り大歓迎で、心待ちにしていたりもします。

さて、中田さんとの調整で週末の来訪が決まって、中村さんから鍵をあずかっておくことになりました。
鍵は中村さんの会社にあるので、平日に借りておかないと会場の鍵を開けることが出来ません。
制作の合間に会社へ行って、奥さんと立ち話をしつつ、鍵を貸してもらいました。
「あの家は、主人の思い入れがとても強くて・・前々からこうして若い人に使ってもらえると良いと云っていたので、とても喜んでいますよ」
何て云われると、こちらとしてもいいかげんなことも出来ないし、自分が展覧会でもするような感じで身が引き締まる思いです。

中田さんの個展は3月のお彼岸から始まって、2週間ほど続きます。
ついでに、吉田の3月展も続いている時期で、会場を吉田家のすぐ近所の町並みに移して開催中です。
こちらの方も、ひとつお忘れなく・・

その3月の個展の作品のこともあるし、お彼岸の粗品のこともあるし・・・このところ制作が続いて、3度目のアカギレが割れました。
指に力が入りません。
なかなか歳をとったものです。

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ネコ派 

2014/02/20
Thu. 09:55

書斎の模様替えをしてから猫たちの行動が少し変わったように思います。
家族が出払ってから朝のデスクワークをしていると、シロがコタツへ潜り込んできます。クロは夜になると吉田家のアチコチウロウロして、とにかく高いところへ登ろうとしたりして、登山家の如く新しいルートを探しています。

しばらく続いていた書斎の天井裏への侵入にはいささか閉口しました。
私のデスクワークの心臓部になっているデスクトップの真上でドタバタされるので、雨の如く積年のホコリが降ってきます。
ヒョッとしたら、江戸時代のホコリも降ってきているかもしれないなどと、どうでも良い事を考えつつ、手ぬぐいやタオルで養生したり、キーボードとトラックパットを避難させたり、なかなか世話のやけることでした。

2012年4月1日生まれのクロはあと1ヶ月ちょっとで2年目の誕生日を迎えます。
2012年6月14日生まれのシロも早いもので2歳に近づきました。
2012年2月10日には、吉田家の長老犬シェパが永眠しました。

私がまだ学生で明大前に暮らしていたとき、6畳部屋の畳と面位置につくられた吐き出し窓からフラリと入り込んできた美形の野良猫は、成行きでタマと名付けて同居し始めるようになって、盆正月に帰省して部屋を留守にしていても、自活しておとなしく帰りを待っていて、1年も過ぎた頃に初産で3匹の子供を産んで、私が引っ越しする事が決まったあと、何となく状況を察して、成長した子供と一緒にまたフラリと出て行ってそのまま帰ってこなくなりました。
ワイフと結婚して、新婚の暮らしを始めて1年くらいしてから、真っ黒のオス猫を飼うことになって、それも成行きでタマと名付けて、引っ越しや寺への帰省もずっと一緒にいたのですが、ドクターも見捨てるほどの重度の皮膚病に感染してしまって、殺処分もかわいそうなので、完治するまで2ヶ月くらい毎晩薬でシャンプーして一部屋に閉じ込め隔離を続けていたら、完全に人間不信になって吉田家を脱走してそのまま何処かへ行ってしまいました。

思えば、長い間犬や猫と付き合っていることになります。
もともと猫嫌いだったワイフは、今のシロクロと暮らしはじめてから、一気に猫好きに変わり、キーポンは動物虐待と紙一重ほどのおもちゃ代わりのかわいがり様で、今ではシェパ爺のいなくなった吉田家の空白を、完全に埋めてくれるほどの存在になっています。
シェパも可愛いヤツでしたが、どちらかと云えばネコ派の私は、彼らと付かず離れずの距離を保ちつつ、それなりに癒されながら暮らしています。
1日のほとんどを仲良く寝て暮らし、深夜になるとドタドタウロウロ動き始め、ワイフの目覚めと同時に餌を催促し、家族が出払う頃はまた仲良く抱き合って寝ています。

飼われているはずなのに、人を人とも思わぬふてぶてしい仕草のクロ。
自分の都合で上手に甘えてくるシロ。
犬のようにシッポを振ってこびる事もなく、なかなかネコらしい性格と思っています。
そろそろ月も変わって春めいてくるし、もう少し暖かくなったら久々にシャンプーでもしてやろうかと思っているところです。

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おくればせながら「七つの習慣」 

2014/02/19
Wed. 09:43

書斎を模様替してみると、たった四畳半ばかりの狭い部屋なのに、視界が変化したせいなのかとても新鮮な気持ちになって、なんとなくウキウキして、引きこもりの虫が騒ぎはじめています。

メールのチェックやFBの回覧や、娘たちの書き込みを覗いたりしていたら、いつも印刷の無茶ぶりでお世話になっているAさんが書き込みをしていた「7つの習慣」のことでささやかに盛り上がっていて、思わずニヤついてしまいました。
この本の事は、たぶん、今年になってからだったと思うけど、なっちゃんが話題にしていて気になったもので、早速中古本を探して900円でゲットしたところです。

だいたいに、なっちゃんの性格上、わざわざ分厚い文字だらけの本を自分で買って読むようなタイプでないと思っていたのに、「本の話し聞いたから、早速本屋さんに走ろうと思っていたのに、色々忙しくしていたらコロッと忘れてしまった!」と、直ぐにでも読み始めたいような勢いだったので、昔は自分で進んで勉強をしたり情報収集したりすることもなかったし、「ずいぶんシッカリした大人になったもんだ」と感心する反面、たぶん買っただけで満足して、結局、本棚でホコリをかぶるか頭の肥やしにもならない枕代わりになる程度のことだろうと予測も出来るので、優しい子煩悩のオヤジがまずは自分で内容を確かめてみようと思った訳です。

多少の偏見も入っていますが・・・欧米作家の著書は、だいたい分厚い本が多いので、宅急便で届いた時は、「やっぱりな!」が第一印象。
パラパラとめくってみると、これはまともにページをめくっていたら、「最後まで読破する事はまず無理だろうな」がちょっとクールになってからの第二印象。
「はじめに」を読んで、挨拶を読んで、謝辞を読んで、讃える人々の一文を少し飛ばしながら読んで、目次をパラパラめくったところで、第二印象が確実になり、これでは子煩悩のオヤジのプライドが許さない!・・と、さてさていろいろ読み方を思案して、まずは、丸ゴシックを読破しようと決めました。
この丸ゴシックは、著者が遭遇したドキュメントで、この本の論点の導入や掴みどころにもなっているようで、まぁ事例の列記だろうと、自分で勝手に解釈したのです。
気になる事例の前後あたりの内容をチェックしつつ、本の各所に点在する図式を反復する事で、おおよその全体像が見えてきたところで、私の場合は、本を閉じたのでありました。

このところ、吉田の頭の中は「世間の器」と「仏の器」のことが、彫刻のかたちと混在しながら充満しているところです。
これを突っ込み始めるとキリがないのでひとまずは流してしまいますが、「7つの習慣」をザックリ云うと、吉田の思うところの「世間の器」に該当するであろう、現代社会をいかにたくましく生きるか、そして、いかに成功をおさめるかというような処世術をまとめたものと言えるような気がします。

山寺のナンチャッテ和尚さんとしての吉田的に大げさに言うと、この処世術なるものはたとえば十重禁戒とか七慢なるものと密接に絡み合っていたりして、なかなか素直に納得のできにくい難しい問題をはらんでいるわけであります。
現在の日本は、真の宗教不在とも言える気がします。
信心があることによって、現実のあざとい偽善的社会を清浄にたくましく生きることが出来ると思っているのですが、そのバランスが崩れると、限りなく一方に引きずられて歯止めがきかなくなってしまうような気もするのです。

Aさんの書き込みから、そんなことを思った寒い冬の朝なのでした。
上手い話しと机上の理論には気をつけましょうね・・・
・・・といっても、決して「7つの習慣」を否定しているわけではありませんので、お間違えのないように・・・

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書斎の一夜 

2014/02/18
Tue. 09:09

天気予報によると島根県は曇りで、雪や雨もパラつくかもしれないし寒い1日になるだろう・・などと、なんとも曖昧な予測なので、昨日のうちにこの数日間の春めいた気候で乾いた薪を刻んだのでありました。
ところが、本日になってキーポンを学校まで送るために石見銀山の町並みへ出てみると、青空ものぞいてなかなかいい天気です。
「八雲立つ出雲」からは結構離れている石見銀山ですが、なかなか予測の難しい日々が続いています。

予測が難しいのは天気ばかりではなくて、人間の心の動きや行動のことになると、計り知れないほど複雑に絡み合っていて、世間知らずの私など糸の口を見分ける事も不可能と、そんな世間付き合いをさっさとあきらめてしまいます。
もっとも、家族や身内のこととなるとそういうわけにもいかないので、せめてそのくらいはキチンと責任を持って付き合っていこうと思っています。
こうして、朝も早くから結構めんどくさい事を思いめぐらしながら今日の1日が始まりつつあります。

昨日からキーポンが学年末試験の試験週間に入りました。
部活も休みになったので、いつもより3時間近く早くから迎えの催促電話が入って、大急ぎで工場から学校まで駆けつけました。
まだ薪を刻み終わっていなかったので、自宅へキーポンを送り届けてから、また工場へ戻ってひとまずは結界君のデッキへ一杯の薪を積み込んで1日の作業を終了させました。
彫刻の制作や作業の繋がりがブツリと途絶えてきれぎれになってしまって集中力も切れて、結局積み込んだ薪と一緒に早々と帰宅することにしました。

何となく曖昧な時間が出来てしまったので、久々に書斎の模様替えをしました。
これから、彫刻の仕事が少し落ち着いたらしばらくデスクワークが集中して続きます。
自分を中心に色々な書類が散乱しはじめることになるので、四畳半の書斎を有効に利用するために、2畳分の空きスペースをつくったところです。
若干片付いた四畳半は、なにか視界が新鮮で、今まで見慣れた書斎風景が少しばかり違った感じに見えて、これからメンドクサイデスクワークが続ことにウンザリしつつも、何となく気持ちが華やいでしまったりします。

移動した新しい定位置で文芸春秋の芥川賞選考評を読んでいたら、村上龍さんが現在の日本社会の構造を客観的にクールに分析集約して定義づけられたなかなかグッとくる文章を書いていらっしゃいました。
村上さんは、たぶん学生の頃に青梅線や武蔵野の何処かですれ違っていただろうほど、私と年齢も行動もかなりかぶっていて、「限りなく透明に近いブルー」な世界を横目で見ながら暮らしていた自分の青春を思い出させてくれます。
そんなこともあってか、今回の選考評で村上さんの考えている事がとても自分に近い事と解って、何か、最近の自分のネガティブ思考が若干改善されたような気がします。

究極と云っても良いほどマイナーに暮らす吉田にとって、超ど級メジャーの村上さんがとっても近い存在に思えて、「世間の器」の狭さを実感したりもしたところです。
やっぱりこの世に暮らには、似たような事を考えていても、マイナーの発言など耳障りで鬱陶しいだけのことですよね。
またまた「仏の器」の奥深さを痛感した書斎の一夜でありました。

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世間の器 

2014/02/17
Mon. 08:28

本当に本当に本当に久しぶりにワイフと二人でドライブしました。
前回が何時だったのかまったく思い出せません。
特に変わった話題があるわけでもないので、会話が盛り上がるようなこともないのですが、それでも日常の暮らしで少しずつ疎遠になった空白の部分を、若干埋め直すほどにはなったかと思っています。

石見銀山は、朝から春のようないい天気になって、気持ちもなんとなく浮かれます。
部活のキーポンを学校まで送って、朝のうちの用事を片付けて、結界君に乗り込んだのが9時30分。
日曜日の9号線をひたすら西へ走って、益田へ到着したのが11時過ぎ。
山陰道は日曜日の割引があったので、気楽に快適に結界君を走らせることが出来ました。

益田東高の美術部から展覧会のお知らせが届いていたので、それを観にいってきました。
顧問のT先生は、中学校の美術の先生でしたが、定年で退職後に高校の美術教員として東高から招かれ、もうそろそろ80歳になろうかと思われる今まで、カクシャクとして若い多感な高校生たちと一緒に創作活動を続けていらっしゃいます。
昨年はご自分の作家生活をふりかえる回顧展も開催されて、その時も益田まで結界君を走らせました。
私は、そのT先生の豪快な男気がとても好きで、親しくさせてもらっています。

9人の美術部員のうち2人ほどは、学校を休みがちだと云う事で、美術部展の開催業務もなかなか大変だったようですが、それでも一人3〜4点の力作や大作が展示されて、なかなか見応えのある展覧会になっていました。

そのあと、ワイフと二人で昼食を食べ、アチコチで地元の海のものや山のものを買って、ついでに、芥川賞の文芸春秋と今彫刻展でお世話になっているショップのスタッフの皆さんへお土産を買って石見銀山へ帰りました。
2時間ばかり、会場受付をしているあいだに、島根では数少ない鉄の彫刻仲間の周藤さんが訪ねてきてくれました。
なにか気恥ずかしくて、まともに感想を聞く事の出来ないまま世間話程度で終わってしまいました。
彼の制作の参考になったかどうか・・わかりませんが、ありがたいことです。

夜は、遅くまで久々の文芸春秋を読みふけってしまいました。
受賞作品の受賞経過などが詳しく記載されていて、彫刻の審査も、このような透明性があっても良いのではないのかなぁと思ったりしました。
所詮人間の世間の事ですから、何処かに主観や欲や価値観の違いが見え隠れする事は仕方のないことだと思いますが、それでもねぇ・・何か釈然としないな。

莫妄想で、今を実直に生きるしかないですね。
我々人間どもは、狭い世間の器に窮屈に押し詰められているんだと思えるだけでもまだマシですね。
果てしなく巨大で終わり端の見えないほどデカイ仏の器ってどんなかたちをしているんだろう・・・今の私にはなかなか想像もできない事です。
そんなことを、想像してしまっているあたりが、またまたどうしようもない事ですね。
やれやれ・・・

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ものの価値 

2014/02/16
Sun. 08:03

東京は大変なことになっているようです。
なっちゃんは朝5時に自宅を出て出勤開始。
地下鉄と私鉄を乗り継いで、その後2時間半徒歩で2駅を完歩し、お昼近くになって職場へ到着したら、そこから延々と雪かき。
職場前の雪の山を見たら、「これが東京か?」と疑ってしまうほどの大雪です。
筋肉痛が半端無いと嘆いていました。

いっぽう島根県では、雪も毎年当たり前のように降り続くので、たいした騒動も無く日常生活を送っています。
先日に東堂さんがふらついて壊してしまった障子を1枚寺から持って帰って、工場の作業台が空くのを待って修理をしました。
鉄工は慣れているので、仕事の段取りや工具や消耗品など、問題なく不自由しないのですが、木工となるとまるっきし専門外なので、段取りの動きにやたらと無駄が増えて、思った以上に時間がかかりました。
材料の買い物でホームセンターへ行くのも、2往復までしてしまった始末です。
古いものを古いまま使うと云う事は、本当に骨の折れることです。
たった障子1枚からすでに、改修の手間やら時間やら材料やら、無駄が増えるばかりです。

自分で気がつかない間に、ものの価値や時間の価値が、どんどん変わってきていると云う事がこのような時によく分かります。

島根では当たり前ほどの雪の御陰で、東京の都市機能が混乱して、それでも平常営業を目指して通勤に苦戦するなっちゃん。
慣れない木工仕事で、段取りも掴めないまま無駄にエネルギーを消耗するオヤジ。
場所や内容は違っても、なにか似たような事でドタバタと暮らしているなぁと思ったところです。

ひとまず修理を終わった障子を寺まで運んで、帰宅したらキーポンをピアノ教室まで連れて行って・・・朝に給油した結界君の燃料が、いつの間にか半分にまで減っていました。
さて、一夜明けた本日は、島根の西の端の益田まで行ってきます。
地元高校生の美術展を見るためです。
何とか都合をつけて、最終日に間に合いました。

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いつもとちがう 

2014/02/15
Sat. 08:10

シャワーのあとと、シュラフに潜り込む前と、寝起きと、それに、キーボードをプチプチする前に、薬用モイスチャークリームを、カピカピの両手に摺り込んでいます。
最近は工場で仕事をすることが増えて、そういう時は、だいたい8時間くらいは牛や豚の作業用グローブをつけたままでいます。
そうしていると、どうも手の水分をグローブが吸い取ってしまっているようで、それでなくても水気のない自分の手がどんどん乾涸びて、象とかサイとかの皮膚のようにシワの谷底が白く浮き上がってきます。
それを放置しておくと、爪のキワあたりから裂け目が広がってアカギレに変わっていきます。
このアカギレがなかなか厄介で、両手の親指や人差し指や、中指にまで広がってしまうと、もう指先に力が入らなくなって、それこそ「仕事が手に付かない」状態になってしまいます。
今の仕事のように、小さい彫刻を造っていると、やたらに指先を使う事が増えてくるので、金槌やディスクグラインダーが拷問器具のように思えてきます。
指のせいで失敗する事も増えて、今回の制作中も何度か単純なミスをしてしまいました。
結局そのような時は造りかえた方が早いので、無駄に材料や消耗品を消費してしまいます。
やれやれ・・・って感じです。

この2〜3日は工場のあたりでいつも降らない雪がパラパラ舞っています。
石見銀山の町並みは道が乾いています。
いつもと逆ですね。

逆というと、東京は島根よりいっぱい雪が降っています。
ノッチとなっちゃんが相次いで写真を撮っていました。
デスクトップのモニター観ながらオヤジはニヤニヤと完全野次馬です。

〜〜〜〜〜〜〜〜いつも夢見がちなノッチは・・・
先週よりエグくない?!きのせい?!
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〜〜〜〜〜〜〜〜現実直視派のなっちゃんは・・・
深夜帰宅中
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5時起きで出勤中ーーー雪が多すぎてどこが甲州街道かわかんねーーーー
写真 2


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期間限定愛妻弁当 

2014/02/14
Fri. 03:01

只今午前2時30分。
チョコレートの甘い香で目が覚めました。
キーポンとワイフが、セッセとお菓子を作っています。
どうせ夜更かしするのなら、他にもやらなきゃいけない事がいっぱいあるだろうに・・・
寝起きが悪くて、機嫌の悪いままのキーポンを学校まで送っていくのはオヤジなんですからね。

まぁ、そんなわけで、気がつくと2月も既に月半ば・・
時が過ぎるのは実に早いものです。

このところ、ワイフがお昼のお弁当を作ってくれています。
何時まで続くかわかりませんが、何年ぶりかで復活しました。
オニオンコンソメスープまで付いた、超豪華版です。
工場でキリの良いところまで引っ張ったひと仕事のあとの昼食が、ひときわ美味しく感じます。

食後のコーヒーを飲みながら、工法の段取りを頭の中でシミュレーションしながら休憩するのもなかなか楽しいものです。
こうして小さい彫刻を造っている時は、一つ一つのパーツが細かくなるので、制作の順番を間違えると修正がきかなくなってしまいます。
その緊張感が、鈍りきってとろけた脳みそを適度に刺激してくれて、気持ちが若返るように感じます。
若い頃は、休憩もしないで5〜6時間ぶっ通しの制作など平気でしたが、今ではさすがにそこまでの持続力も減退して集中力が続きません。
そういう状態で、自分の体力をだましながら工場にこもっていると、ワイフの愛妻弁当がなによりのパワーになります。

週始めにショップ2階の会場へ4点ほど追加して、今週末には小さめの彫刻をまた4点ほど追加します。
このまま自分の身辺に何もなければ、土日は会場で受付をして、来週からは少し大きめの彫刻制作に入ります。
気分転換に、壁面のレリーフ彫刻も造ろうと思っています。
最近の吉田は、久々に心身共に彫刻家になっています。

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冬の雲 

2014/02/13
Thu. 09:10

重たい布団綿を敷き詰めたような冬の雲が、石見銀山の谷のすぐ上まで降りてきています。
こんな朝は、冷え込みもそれほど厳しくなくて、裏日本の山陰で暮らす者にとっては、かえって過ごしやすかったりするのですが、それでも冬の事ですから、一応それなりの寒さでもあります・・・って、なんのこっちゃ!
ようするに、私の場合はそれほど寒くないと云っているわけです。

キーポンを学校まで送って駐車場に降りると、近所の奥さんが通りかかって、「まぁ、素足で寒くないかね?」と朝の挨拶代わりに声をかけてくれました。
そして、「まぁ、おたくはもう慣れてらっしゃるでしょうね」と自分の問いかけに自分で答えて納得していらっしゃいました。

ワイフが先日から私の唯一のクロックスを履くようになりました。
自分の履物が調子悪くなったのだそうです。
それで私の日常履きが無くなって、しかたがないから使い古しの雪駄を履いているところです。
履物というと、雪駄とクロックスとカヌーサンダルと長靴と、それに、1年間で10日前後しか履かない子供たちからの誕生日プレゼントで大切にしている他所行きの靴くらい。
カヌーサンダルの底を見ると、さすがに冬に履くのは勇気がいるので、これと他所行きの靴は下駄箱に仕舞ってあります。

このところ素足に雪駄履きで結界君に乗っていたわけですが、どうも右足の親指と人差し指が痛くて、よく見ても外傷も無いし、原因がよく分からないまま、冬の事だから霜焼けにでもなったのかと、一旦はそれなりに納得していました。
それでも、どうも微妙に症状も違うし、よくよく前後の記憶を頼りに考えてみると、実は、エアコンの温熱吹き出しによる低温火傷だったようです。
たしかに、ちょっと熱いなぁと思いつつアクセルとブレーキを踏み分けていたのですが、ペダルから足を外すわけにもいかないし、熱いのを我慢しながら運転していたのがいけなかったようです。

昨年の冬の終わり頃に足首の怪我をしてから、もう少しで1年になります。
あの時は、正座もマトモに出来ないまま半年近く苦労しました。
老化は足から来ると云われているようですが、最近になってそれが実感されるように思います。
和尚さんの時は正座で過ごし、彫刻家の時は立って過ごし、書斎に籠っている時はあぐらで過ごし・・・いずれにしても、長時間ほぼ足や膝を動かす事もしないままでいるわけですから、そういうこともあまり良い事ではないなと思っています。
些細な躓きで大事にならないように、日頃から心身ともに慎重に暮らすよう心がけるのが一番だと思っています。

これから、東堂さんが躓いて壊したボロボロの障子を修理します。
もっと立派な建具もどんどん解体廃棄されてしまう中で、昔からの建具をいまだに大事に修理しながら使い回すしかない貧乏寺の現実があります。
寺で暮らす老夫婦は、他人の意志でものを動かしたり更新したりすることを極端に嫌います。
私は身内のつもりでいるのですが、彼らにとっては自分たちの日常をかき混ぜる厄介者のごとく感じている場面に時々遭遇します。
私の気配りがなかなか上手く機能しない事も多々あります。
きっと今回の障子修理も、彼らにとってはあれこれ気にくわない事ばかりでしょう。
いつまでたっても小言を聞かされると云う事は、反面、歳をとっても小言が言えるだけ元気だとも言えるわけで・・なんともややこしいことであります。

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集中力 

2014/02/12
Wed. 07:31

吉田正純鉄の彫刻展も2月バージョン第2弾に入って、快調に新作を造り続けていたら、寺のおかみさんから電話が入って見事に中断して、集中力もプツンと切れました。

今造っている彫刻は、抽象だけど比較的わかりやすいもので、造形の難しさをドーのコーの言うよりは、眺めて楽しむのにちょうどいいくらいの比較的軽め(重さじゃなくて・・)のものを多作しています。
ずいぶん前から、こういうタイプの彫刻を時々タップリ造るようにしています。
そういう時は自分でも寝食を忘れるほど楽しんで集中出来たりするし、色々な工法や素材の手掛りを掴めたりすることも多いし、何よりクラフトワークのようなしがらみがないのがとても良いのです。

最近・・といっても、もう10年近くの間、このようなタイプの彫刻をほとんど造っていなかったので、今回の展覧会が久々の再開になっています。
小さい仕事は、小さな工法ミスをしたり全体のバランスが狂ったりすると、それがやたらと目に着いて完成度が極端に下がってしまうので、制作中の迷いは絶対にあってはならないことだと思っています。
一方でひらめき優先の勢いだけで造っているようなところもあるので、その彫刻の造形の是非や善し悪しを突っ込まれると、何も言えなくなってしまうほどの軽いものになってしまったりもするので、そのあたりの過不足ないまとめ具合が悩みどころでもあったりします。
だから、そういうことで躓かないように、何も考えないで、かっこ良く云うと、「一気に無心に」素材と付き合うことを心がけないと、何とも軟弱なだけの只の彫刻遊びになってしまうことになります。

何かの拍子で躓いて制作の手が止まったりしたら、それを無駄につつき回すことをしないで、サッサとあきらめて次の1作へ気持ちを切り替えるようにしています。
仕事中のおかみさんからの電話ですから、そんな感じで仕事の糸もプツンと切れてしまったわけです。

例の如く、だいたい2〜3日前からの出来事から始まって、お決まりの登場人物の会話を声まねで復唱するように「」つきでリピートし、焦点の定まらない会話にもならない一方通行の独り言が延々と20分くらい続く間に、集中力の切れた私は、工具を片付け、電源を落とし、ガスのコックを閉め、工場に鍵をかけ、結界君に乗り込んで自宅に向かって走り出し、ポットのコーヒーをすすって、やっと少しばかり気持ちが落ち着いたあたり。
要約すると、生活費が底をついたことと、東堂さんの体調不良のことと、東堂さんの粗相で障子を1枚壊したことの以上3点。

おかみさんの性格はだいたい分かっているつもりなので、ここは一気に事を進めておく必要を感じて、自宅の現金をかき集めて、作業着のまま万善寺へ結界君をすっ飛ばしました。
途中、2カ所の駐在所前は安全走行を心がけたものの、島根県も中国山地の過疎地で宵の口の夕食時の街道はすれ違う車もまばらのフリーウエー状態。
小雪でうっすらと白くなった参道を万善寺の本堂前まで走り上がり、施錠前の庫裡玄関へたどり着きました。
案の定、思い込みの激しいおかみさんは、何事も一人で何とか取り仕切ろうと、アチコチに無理難題の電話をかけ終わってしまっていて、その断りの電話を一通り済ませ、よくよく言いおきつつお金を手渡しし、壊れた障子を取り外し、東堂さんに一声かけつつ様子を確認し、本堂前で障子を積み込み、往路の巻き戻しのような復路を走破して自宅前の駐車場へ到着。

おかみさんから電話が入って3時間弱の出来事でしたが、島根の方は雪が少なくてとても助かりました。
天が私に味方してくれた数少ない1日になったと感謝しつつ、ワイフが気前良く買ってくれた麦とホップの新商品をプシュ!
あぁ〜、何とも云えず旨かったなぁ・・・

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グラインダー 

2014/02/11
Tue. 08:12

工場で仕事をしていたら、久々にパラパラの引き締まった雪が降ってきはじめました。
さすがに2月です。
冬の雪は、やはりこうでなくてはいけません。
この様子だと、工場からひとつ山越えした「石見銀山はもっと降っているぞ!」と期待しつつ2月第2弾彫刻の展示台を運んでみると、町並みの路面は乾いたまま。
期待がハズレて少しガッカリしつつ、搬入作業を進めました。

最近は、比較的小さい彫刻を中心に制作しているので、狭い工場の配置もそのような仕事がしやすいように工具を移動して工夫しているところです。
面白いもので、大きな彫刻を造る時は、使う工具も比較的シンプルで、たとえば、グラインダー1機と溶接溶断器と、それに金槌と金床があればだいたいそれだけで制作を続けられてしまうのですが、小さい彫刻になるとなかなかそういうわけにはいかなくて、帯ノコやジグソーやバイブレーションサンダーやベルトサンダーやボール盤や、それにグラインダーまで3種類の砥石を使い分けたりと、使用工具がやたらと増えてしまいます。
それらのほとんどが消耗品なので、制作中の工具に修理不能の故障などが出てしまうと、途端に仕事のペースが乱れます。
今回の制作中も、グラインダー2機のうち1機がダメになって、ずいぶん昔に調子が悪くなって、捨てるのも勿体ないとしまい込んだままになっていた折り紙付きの中古を引っ張りだして、カーボンを交換などして(ここで既にペースが乱れている)ダマシダマシ使っていたら、しばらくしてそれも完全にダウン。
結局、元気なボッシュ1機で砥石をつけかえながら仕事を続けるしか選択肢が無いことになってしまいました。

今使わせてもらっている工場は、指折り数えて6カ所目。
工場の一つ一つに色々な思い出がありますが、やはり最後の目標は「自分の工房がほしいなぁ・・」
私の場合、使用の恩は彫刻で返すしかないので、「そんなわけもわからん彫刻なんていらねぇ〜よ」といわれたらおしまいです。
世間からは「なかなか変わった趣味をお持ちですなぁ・・」程度にしか思われていないわけですから、そのあたりにマイナー彫刻家の現実と悲哀があるわけです。
なんのこともない、彫刻家の芥子粒以下のプライドでこのような現実と直面するたびに人の心の弱さを痛感します。

今は亡きステンレス加工会社の社長さんがご健在だった時は、私の仕事に何かと親身になって協力助言をしていただいていました。
大げさでもなんでもなくて、今の吉田が彫刻を造り続けていられるのも、その社長さんの御陰だと思っています。
「グラインダーなんて消耗品だからそこら辺のホームセンターにある一番安いので十分なんです」と言ってらっしゃったことを思い出します。
あの頃の私は、工場で廃棄された砥石までもらって帰って使っていたのですが、ちびた砥石を付け替えもしないで作業を続ける職人さんへ、仕事の効率を重視する社長さん曰く「いくら早く付け替えろと言っても従業員は自分の云うことを聞いてくれん」と嘆いていらっしゃいました。
一方、溶接にはCO2とアルゴンの混合を奨励していて、「製品の完成度は溶接で決まるから、酸化膜の残るようなガスを使っちゃダメなんです」と教えてもらったりしたものです。
当時はそんなもんかと、結構高い混合ガスをしばらく使っていましたが、やはり背に腹は代えられないし、今では完全にCO2ばかり・・・
完治しない病気がわかってからは、社長業のかたわら、陶芸に親しみ、サークルをつくり、ロクロをひき、釉薬を開発し、身体が疲れると書を楽しみ、体力が続かなくなってからは般若心経の書写を続けていらっしゃいました。
その社長さんとの出会いがなかったら、いまだにアセチレンガスとアーク溶接機でモタモタと不格好な彫刻を造っていたと思います。

さて、グラインダーを1機ばかり新調するか、思案中です。
社長さんが生きていたら「そんな買うか買わないかで考えていることがダメなんです。必要なものは必要なんです!」と云われるでしょうね、きっと。
このまま元気でいられたら、あと10年は制作を続けているだろうし・・・
やっぱり、誰がどう考えても作業効率が悪いですものね。

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好天の一日 

2014/02/10
Mon. 09:04

隣町の同宗の法事のお手伝いで、正座して、背筋を伸ばして、お経をよんで、手を合わせてきました。
万善寺内の日課は別にして、改まった法事の席に着いたのは久々のことです。
朝から、改良衣に絡子(らくす)スタイルになると、つなぎの作業着とはまた別の意味で気持ちが張りつめてきます。
その格好で結界君にキーポンを乗せて学校まで送った後、そのままこのたびの施主家まで移動しました。
街道沿いの斜面の雑木は一面霜が張り付いて朝日に輝いています。
冷え込んではいるものの、この様子だといい天気になりそうだと予感しつつ、発声練習がてらの般若心経など唱えながら運転したところです。

坊主の礼儀に習ってお斎の膳を中座して、そのまま石見銀山へ直行。
早速作業着に着替えて、その足で日本海の海岸へ出かけました。
彫刻に使う島根県央に産出する地元の凝灰岩が目当てです。
海岸に打ち上げられた玉石の中から大きめのものを中心に探し出していると、ワイフから来客の電話が入って、展覧会場で待ち合わせることにしました。

自分の展覧会を観ながら少しばかり突っ込んだ彫刻や制作の話をして、現在進行中の彼女の個展のスケジュール調整の事務的な打ち合わせをするなどして、その流れで工場を案内することになったりして、日が落ちて暗くなるまで、ほぼ半日近く彫刻の話題に終始しました。
日頃は、特に会話もないまま孤独を楽しみつつ制作に向き合っているばかりなので、久々の彫刻話しになったような気がします。

思い出せば20代前半の頃、まだ、具体的に彫刻を造ろうと方向が定まっていなくて、自分の目指す先が見えなかった時に、アルバイト先の先輩から「師のレベルが弟子のレベルだ」と教わって、それから先の自分の目指す先が固まったことを思い出したりしたところです。
ちなみにその先輩は、彫刻とは縁もゆかりもないカウンター厨房で包丁をふるう偏屈な職人さんでしたけどね。
まぁ、要するに「師匠の腕が良ければ、100番目の末席を汚す程度の弟子でも、そこら辺の雑魚のような師匠の1番弟子より腕は上だ」というわけです。
わざわざ授業料を払って、偉い(だろう)先生にいろいろ教わっていたはずなのに、学生の頃のことで脳みそに記録されているいくつかの大事な記憶の一つは、アルバイト先で仕入れたネタなわけです。

すぅ〜っとなにげなくさらりと頭に入って、気がつくといつの間にかそれが自分の大切な指針になっていたりすることって、意外と自分のすぐ側に転がっていたりするものなのかもしれませんね。
どちらかといえば、卒啄同時・・というやつでしょうが・・・
私の場合、なかなか鈍いものでそうすぐにトントンと反応出来なかったりするところがやっかいですね。
自分の人生、知らない間にそんな好機をいっぱい見逃してしまっていたのかもしれませんし、これからもきっとそんなふうにいろいろ気がつかないまま過ぎていくんでしょうね。

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芳名帳 

2014/02/09
Sun. 06:32

東京に住む娘たちの実況雪情報です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・新雪踏むのって、贅沢なかんじするよね♪
・レインボーブリッジ封鎖wwwうける
・電車普通に動いてるー☆*゚ということはあたしは出勤1時間前に到着してしまうという事( ¯−¯ )
・雪がやばいのレベルを遥かにこえてる。こんな雪島根でもそんな経験した事無い気するわー
・雪かきによる腕の筋肉痛がやばすぎて薬中みたいに手が震える。てかいつになったら京王線着くんだよー‼︎寒すぎるから早く家に帰らせてー( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )
〜〜〜〜〜〜〜〜
東京はなかなか苦戦しているようです。

いっぽう、島根はというと・・
だいたい、東京や大阪といった太平洋側にある大都会で雪が降った時は、日本海側で比較的日本の西のあたりに位置する島根では、それほど大雪にならないことが通例です。
今回も結局は似たようなもので、冷え込みこそ厳しいものの、降雪量はそれほどでもありません。
とはいっても、やはり石見銀山ともなると、地形の関係でまぁそれなりに降ったり積もったりしますが、またまた例の如く水気タップリのぼた雪なのですぐに溶けて町並みがベチャベチャになります。

石見銀山からひと山越えたところにある工場は、雪がパラつく程度で積もるまでにはいきません。
それでもそれなりに寒いので、一日中工場のドアを締切って、粉塵の渦巻く劣悪な環境に絶えながらパーツづくりにせいを出していました。
平日は19;00くらいを目指してキーポンを学校へ迎えに行きますが、土曜はピアノ教室があったりするので2時間くらい前倒しになります。
夕方は、制作の中断を繰り返しつつ落ち着かないし、結局集中力も切れてしまったので、ひとまず工場を終わることにしました。

汗と誇りを流してからメールなどチェックしていたら、島根の西の端の方から知人が彫刻展を見に来てくれていました。
この悪天候の中、ありがたいことです。

展覧会というと我々の世界では「芳名帳」なるものを常備するのが常識だと思っていたのですが、最近は世間事情でそれもなかなかとりあつかいが難しいようで、今開催している「吉田正純鉄の彫刻展」では、記帳のメモ紙を1枚ずつポストに投込むという、ややこしいシステムが採用されています。
自分がその状況に遭遇したら、たぶんそのままスルーするだろうな。
会場になっているショップの方針でそうなっているわけですが、その同じ会場で初個展をした、だいたい20年ほど前には、個人情報がドーのコーのというメンドクサイ事情などカケラも無かった時代です。
日本の世間事情も、たったこの数年の間に一気にグローバル化して、それが島根のど田舎の人口400人足らずの小さな町にまで波及しているのだと云うことを具体的に現実に認識したしだいです。

世界を相手にして、日本の立ち位置を安泰に維持していくためには、多少の妥協や迎合は仕方のないことと分かっているつもりでも、一方で、本来日本人のもつ日本人としてのアイデンティティーを希薄なものにしてしまっているようにも感じるし、規制や規則が細分化すればするほど適応や適合の解釈が混乱して、結局はそれまで悩みもなく軽くスルーしていた末端の事情までアーダコーダと悩まなければいけなくなって、なかなか自分の行動一つとっても動きにくい窮屈な時代になったものです。

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雪の朝 

2014/02/08
Sat. 09:46

東京は20年ぶりとか云う大雪のようです。
島根出身の(あたりまえか・・)吉田家長女と次女は現在東京暮らしをしていますが、久しぶりに雪が降ると云うので、ルンルンのようです。
島根暮らしの末娘キーポンは、このところの連日降り続く雪にうんざりの様子。
所変われば気持ちも変わるようです。

気がつけば土曜日。
ワイフが朝から家にいて、何となくいつもの朝と様子が違って調子が狂ってしまいます。
世間の専業主婦さんの気持ちがわかるような気がします。
明日は久々の法事です。
といっても、隣町のお寺から頼まれてのお手伝い。
赤名高原の方は、雪の具合も石見銀山とは比べ物にならないでしょうから、ホッカイロとか長靴とか、いろいろ抜かりなく準備をしておこうと思っています。
工場の方は、九州のK君に発送も済ませたし、次の彫刻準備で鉄板をきざんだり石に穴を空けたりして、これもおおよそ準備完了です。
これから10時のティータイムのあと彫刻展の会場をチェックして工場へ籠って彫刻制作です。

工場で仕事をしていると、キーポンの迎えがいつもより5分程度遅れてしまうので、部活が終わったら直接お父さんへ電話をするように言ってあります。
電話が入ってから大急ぎで工場を片付けて出発するのですが、やはり5分くらいは時間が余分にかかります。
雪が降る寒い屋外で迎えを待つキーポンを気遣いながら、結界君をそれなりの道路事情にあわせてすっ飛ばします。
モタモタとiPodをAUXにセットする時間ももったいないので、最近は昔のCDを聴くようになりました。
今セットされているのが、louise。
さて、現在は40歳前後でしょうか?なかなかセクシーで美しいおねえさんです。
10年くらい前に流行った軽快な曲を垂れ流しながら結界君を走らせています。
キーポンを学校で拾った時にちょうど流れていたのが、「shut up & kiss me」
キーポンがまだ小さくて、おとうさんにダッコされながら「お父さんダイキライ!」と言っていた頃のキーポンのメインテーマです。
覚えていたのかどうか定かではありませんが、「キスミー何回言ってる??」と、指折り数えはじめて、結局、4分足らずの1曲に55回「kiss me」と歌っていたことを発見して、大喜びしていました。

ちなみに、キーポンの本名は黄純と書いてキスミと読みます。
命名は私と長男のじゅん君の合作です。
この、命名にまつわる出来事は・・・暇があったらいつかお話ししましょう・・

それじゃぁ、今日も元気に工場へ出発だぁ!

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オヤジの立場 

2014/02/07
Fri. 09:05

ほぼ毎朝のことです。
キーポンの送りには悩まされます。
結局は、彼女があと15分早く家を出てくれればこういう風にならなくてもすむのですが、なかなかオヤジの思い通りにはいかないものです。
見方を変えると、彼女は彼女なりに自分のタイムスケジュールを持っていて、それを比較的正確に実行しているのがわかります。
つまり、ショートホームルームの始まる5分前に教室へ入る・・というスケジュールを守っているわけです。
そのために、オヤジは朝から色々思うようにいかないことが重なってイライラしてしまうのです。
自分でそれがわかるので、せめて自分だけでも、これから残された人生、出来るだけ人をイライラさせないように心がけながら生きていこうと心に誓っています。

「オヤジ早く出てよ!」
キーポンの朝のスケジュールに併せて、間隙をぬって気を使いつつトイレに入って例のトイレ読書を楽しんでいると、こんどはワイフに催促されます。
〜あちらをたてればこちらがたたず〜ってやつです。
なかなか骨の折れることですが、できるだけ波風を立てないように慎ましく暮らす日々であります。

九州在住彫刻家のK君から、もう3ヶ月も前頃からレリーフ用イーゼルの制作依頼があって、その〆切りが2月上旬と云うことなので、ひとまず形だけは完成させたところです。
あとは塗装して、組み立て説明書をつくって、梱包発送したら予定通り約束完了です。
メールで届く小さな作品画像と、何を基準にすれば良いのかよく分からない寸法の数字を頼りに、ほとんど彫刻家の感で制作をしています。
なくても良いような工夫も、もしものことがあるので必要と判断し、一方、なければならないパーツは、展示効果を考えて省略したりと、なかなかイマジネーションを問われる、緊張感のいる制作になっています。
これでダメ出しが出たら、あとは結界君の出番で、九州までひとっ走りと云うことになりますが、たぶん、そうなるような予感です。

2月バージョンの彫刻展もひとまず落ち着いたし、また工場通いが再開したところです。

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会場受付の一日 

2014/02/06
Thu. 08:54

二月になって立春から雪が降り続いています。
相棒の結界君も、久々に4WD仕様で活躍してくれています。

こんな寒い悪条件で、フラフラと石見銀山へやってきたり、町並みをノンビリ歩いたりするような人はよっぽどの物好きだろうと、不謹慎なことを思ったりしつつ彫刻展の会場受付をしていたら、それでもお昼を過ぎて3時の休憩が始まるまでに5人くらいはわざわざ2階まで上がってきてくれて、冬の展覧会もなかなか侮れないなと不謹慎を反省しています。

展覧会の会場は昔ながらのガラス戸で囲まれているので、エアコンの暖房がなければ、ほぼ野外と同じくらいの寒さです。
受付の場所は特に風通しの良いところなので、ホッカイロを3つくらい背中や腰に貼り付けて、米軍デッドストックのパイロットジャンパーを着込んで、上半身は万全の体勢です。
下半身はリーバイスの501くらいしか持ち合わせがないので、オールシーズンワンパターンで乗り切っています。
彫刻の仕事の時は靴下を履いて長靴スタイルで、坊主の仕事の時は足袋を履いて雪駄スタイルで、それ以外は雪でも降らない限り裸足のままクロックスでうろついています。
裸足で会場をウロウロ歩いていると、「寒くないですか?」とよく質問されますが、「もう慣れてしまっているので平気です!」と答えています。
私のようなへなちょこ坊主はこの程度のことですが、筋金入りの大和尚や修行僧くらいになるともっと過酷な環境で日常の暮らしをしていらっしゃる訳ですから頭が下がります。

坊主というと、このところの彫刻三昧で伸びきった髪と髭にバリカンを当てました。
久々のことで、自分の顔がどこかしらサッパリと若返った感じです。
どうせ坊主だから早く禿げたら楽なのにと、その筋の悩み多き方々に叱られてしまいそうな我が侭を思ったりしているのですが、なかなか思うようにいかなくていつまでたっても禿げる気配もないし厄介なことです。

今回の冬型気圧配置が緩んだら、そろそろ彫刻制作を再開させようと思っています。
今度は小品を中心に、パーツを造りためようと計画しています。
久々に身体や心が彫刻の方を向いていることを実感しています。
他にもやらなければいけないことが色々あるのに、どうしてもそっちが後回しになってしまいます。
我が侭ばかりで好きなことばかりしていてもいけないと分かってはいるのですが、こうして、自分の造った彫刻を見ながら受付をしていると、どうしても気持ちがそちらの方に傾いてしまって困ります。

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雪の石見銀山 

2014/02/05
Wed. 07:46

朝のうちは持ちこたえていた天気も、ついに昼過ぎに絶えきれなくなって雪になりました。
直近の仕事を片づけて彫刻のある会場へ行く途中も、雪が直接頭皮に浸透して不快です。

会場は、何時ものように閑散としていて(どういうこっちゃ!)、特に問題無し。
一応会場チェックをして、昨日までの春めいたぬるい天気にだまされて冬眠からさめたカメムシ君やオジョロウさん(カメムシの局地的ピンポイントの別名)たちが、寝室に帰るのを忘れてその辺で力つきているのを駆除(残酷!)したりして、ご来場のお客様の足の裏に潰されて張り付くのを回避したりとそれなりにマメに働いて、それから一息ついてポットのコーヒータイム。
・・と同時に、例の如く読みかけの文庫本を開いて読書タイム。

昼の雪はすぐ消えることがわかっていても、結構絶え間なく降り続いているところを見ると、天気予報が正に大正解の1日になりそうな様子です。
それでも、万善寺や赤名高原に比べると、どぉってことなく軽いもので、石見銀山に降り積もる雪など知れたものです。
案の定、降っては消え、消えては降り積もりの終日になって、その間、会場にいらしたお客さんは、東京の大田区のうら若きおねえさんがお一人。

御陰様で・・といって良いのかどうか・・判断に苦慮しますが、会場の撮影を絞り優先にしたり、シャッタースピードを調整したり、散々マニュアルで試しつつ、撮影三昧で128回のシャッターを切るほどの、至福の時間を過ごすことは出来ました。

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節分と立春 

2014/02/04
Tue. 08:49

助手席のキーポンに、「オヤジの年齢って、いくつくらいからだと思う?」って聞いてみると、ちょっと考えて「45かな」
「じゃぁ、ジジイの年齢は・」
「60だな」
「おばさんは?」
「35くらい」
「ババアは?」
「50くらい」
「じゃぁ、おかあさんはもうババアかぁ」
「あぁ〜、そぉだね」
「そりゃぁ、ちょっとかわいそうじゃないか?・・じゃぁおとうさんは?」
「おとうさんはクソジジイ!」
「いくつからクソジジイ?」
「おとうさんは、ず〜っとクソジジイ」
「・・・・」
それも、キーポンのおとうさんへの愛情表現のひとつですなぁ・・・

キーポンがまだ幼稚園へはいる前の頃・・・
「お父さん好き?」って聞くと、
覚えたてのいくつかの単語を繋げて「おとうさんダイキライ!」
としょっちゅう言っていました。
まぁ、すでにその頃からお父さんへのキーポンの愛情表現は一貫して変わっていないといえるでしょう。

待ち合わせや部活の早朝練習など、予定の時間にだいたい遅刻してしまうことが常習になったキーポンを学校まで送るときは、一般的な交通の(交通法規とは若干違う)常識で運転せざるを得ないわけですが、そのルールをまったく無視する場の読めない常習我がままドラーバーとよく遭遇します。
そういう連中が何人かいて、彼らに捕まると朝からイライラのピークを迎えます。
「また自己虫だよぉ〜。おとうさんも結構自己虫だけど、ありゃぁ〜害虫だな!・・助手席にも似たような自己虫がいるけどな・・」
「先に家を出かけたのもね・・」
「ハハッ、おかあさんな・・」

オヤジの方は、彫刻展2月バージョンが始まってちょっと落ち着いたし、キーポンもウインターフェスティバルが終わってあとは定期演奏会に向けて練習が本格的になる前の、少し気楽な時期です。
なんとなく吉田家が比較的平和になっていて、気持ちに余裕を感じる気がします。

節分の1日は結界君大活躍で走行距離180km走破。
一足早くおつとめをしておいた「立春大吉」のおふだを檀家さんへ配って回りました。
途中、万善寺へ寄っておそなえのお菓子と、豆まき用の豆を渡しました。
節分の豆まきは、寺の方を東堂さんに任せて、私は石見銀山の吉田家担当です。
このところの暖かさが続いて、赤名高原の雪も見事に溶けて、檀家周りもクロックスでOKで、冬のこの時期に長靴いらずは珍しいことです。
50軒弱回って、お留守番とお話で来たのが2人だけでした。
島根県へ帰った30年ほど前は、だいたいどのお宅もお年寄りのお留守番が在宅で、行く先々で世間話が始まったりして1日仕事になったりしていましたが、今では3時間ちょっとでぐるっと一周出来てしまいます。

展覧会場へ寄って見ると、横浜住所の男性がお一人だけ記帳簿してありました。

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冬の彫刻展 

2014/02/03
Mon. 08:23

久しぶりの終日会場受付でした。
2月の石見銀山は、例年になく暖かい日が続いているとはいえ、まだ冬の真っ最中。
町内を散策する観光さんもまばらだし、なにより町民の元気なお年寄りも、自宅に引きこもりがちでなんとなく町並みも閑散としています。

冬の時期に野外彫刻や、何時もは閉鎖状態のショップ2階のフリースペースで展覧会をやっているわけですから、同業の作家諸氏からは、「あいつは何と物好きなヤツだ」と変人の如く思われていることでしょう。
もっとも、島根県の常識的地域事情を考慮すると、鉄の彫刻を造っているオヤジそのものがすでに変人の部類に属してしまっているわけですが・・
そのうえ、山寺の住職としても、坊主業界において見事な変人ぶりを発揮していたりして、なかなか一般の常識的社会に溶け込めないでいるところでもあります。

そんな周辺環境にもめげずに、コツコツと地道に彫刻制作を続けたりしていると、それはそれで、「吉田の彫刻が大好き!」という、奇特な方もチラホラいらっしゃって、昨日は日曜日でもあるし、早速会場へ足を運んでくださったりしていただいたところです。
日頃、あまり彫刻の話などしなかったりするのですが、いちおう展覧会の期間中でもあるし、せっかくのことなので、20年30年の吉田の彫刻の変遷などを織り交ぜながら、今回の会場の見所をお話しさせていただきました。
もう20年も前から、密かに吉田の彫刻を気に入っていただいていたという、筋金入りのファンの方もいらっしゃったりして、ありがたいかぎりです。
ショップの閉店間際には、数年前から町内に暮らす若夫婦の旦那さんが来てくれて、ずいぶんと熱心に質問されたりして、こちらも思わず熱弁になったりしてしまいました。
なかなか内容の濃い1日でありました。

一方、相対的にみると暇な受付であるわけで、不謹慎なことでありますが、朝から日がな1日、のんびりとポットに仕込んだコーヒーをすすりながら読書三昧という、贅沢をさせてもらったりもしています。
251円で買って、チビチビ読み続けていた昨年の直木賞を一気に読み上げ、105円の文庫本を半分ほど読み進み、なかなか充実した1日でもありました。
このままいけば、会期中に未読のストックが無くなってしまいそうなので、近いうちに町の図書館で調達しておいた方が良いかもしれないと思ったりしているところです。

2月初旬の彫刻展はこんな感じでスタートしました。
これからは平日の午前中と夜を使って彫刻の新作を手がけ、2月中旬の展示替えの準備に入ります。

豆まきをして、立春のおふだを配って、明日には1年間お世話になったおふだの張り替えをする予定です。
坊主家業と両立しながら上手にスケジュールを組み立てようと思っているところです。

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彫刻展初日の1日 

2014/02/02
Sun. 08:51

2月バージョン彫刻展の初日は、印刷が遅れてしまったポスターをもらいに走って、それで終わってしまった感があります。

せっかく島根県を東方面へ出かけるので、幾つか用事をすませようと思ったことと、現代彫刻小品展の事務的打ち合わせを兼ねようと、ノリちゃんを誘って出発したことが重なったりして、結局、ほぼ半日を使いきってしまったのです。

会場の雰囲気を午前中で整えて掃除などして、ひとまずいつでも来場に絶えられるまでにしておいて、それから石見銀山を出発したのは既にお昼前。
途中でノリちゃんを拾って、約1時間半の道中彼女のいろいろ楽しい話しを聞きながら斐伊川土手を走っていると、気がつくとお昼をずいぶんすぎていて、待ち合わせの周藤さんから「お昼どうしますか?」と電話が入って、それじゃぁ、何処かのお店で待ち合わせしようと話しがまとまって、新しくて奇麗でオシャレなお店で「卵かけご飯定食」なるものを美味しくいただき、その後ポスターを受け取るなどして、彫刻展の事務うちあわせ。
時々コーヒーをいただいたり、世間話など交えてなごやかな雰囲気のミーティングになって、ひごろ引きこもり状態で1日中無口に過ごす吉田としては、久しぶりに饒舌のひと時を過ごしました。
帰りは、同じルートを走るのも味気ないのでルート変更。
石見銀山はとっくに消えた雪が、さすがに中国山地の高地になるとタップリ残っていて、そのようなところをはじめて見るほどのノリちゃんがしきりに感動したりして、オヤジのほうは何かしらウキウキしてしまって、アッチも見せようコッチも見せようなどと思ってしまったりして、それほど遠回りをすることもないまま色々なルートを手繰って日本海沿いの国道まで出ました。
途中でノリちゃんを降ろして、それから会場まで走って、ポスターを貼りはじめた時には、そろそろ日暮れが迫っていて、お客さんが暗い会場でのんびりと彫刻鑑賞などしている最中。
さっそく照明をつけて少しばかり接客していたらそれでタイムアウト。

近所の知人が留守中に見に来てくれていたようで、そのお礼など電話して初日の後処理終了。
なにかと慌ただしいスタートになりましたが、それはそれで久々の充実感です。
さて、本日は出来るだけ会場当番を続けようと思いつつ、朝食を食べ終わったところです。

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2月の彫刻展スタート 

2014/02/01
Sat. 07:19

ハイ!2月になりました!
本日から吉田正純鉄の彫刻展2月バージョンが始まります。

石見銀山に本社のあるアパレルショップ群言堂本店さんの2階スペースを2月いっぱい彫刻展会場で使わせてもらいます。
良いか悪いかは別として、今回の彫刻展は1ヶ月の間に彫刻を随時増やしつつ3回セッティングを代えながら継続させてみようと思っています。
こんな作家の我がままが通用する展覧会場などそう滅多にないので、自分でもこれから先どのような会場になっていくのかとても楽しみです。

もっとも、ジジイに近い山寺の和尚さんがやることですから、最先端の現代美術のようなところまで弾けきることは出来ませんけどね。
それでも、少数精鋭の万善寺お檀家さんに、車で40〜50分かけてわざわざ展覧会を見に来てもらうためには、少しはわかりやすい展覧会にしておかないといけないだろうと、それなりに常識ぶったりしていたりもするわけです。
作家サイドでものを考えると「それがお前の嫌らしい妥協なんだよ!」ともう一人の自分に叱られているわけですが、まぁ世間のおつき合いも、それはそれで大切なことですからね。
それでなくても、「万善寺の若さん(おとしよりのお檀家さんには今だに私を住職と認めてもらえなかったりしているのです)は、方丈さん(すでに現役をリタイヤしている東堂さんのこと)と違って、小難しいことばかりいうとるけぇ」とか、「なんかようわからんもんばっかしつくっとるらしいけぇのぉ〜」とか、あんまり評判がよろしくなかったりするので、お寺にとってな大切で貴重なお檀家さんのこともまじめに考えないといけない立場でもあるし、「わざわざ、油つこぉてとぉくからきたちゅうに、こがぁ〜なわけのわからんもんばっかりみせられてものぉ〜・・寺のこともまともにせんで遊んどるようなことじゃぁいけんがぁ〜、もっとちゃんとせにゃぁ〜、そのうち、だれもあいてにせんよぉ〜なるでぇ〜・・」とか言われてしまうことも十分予想されて、ワクワクしつつも若干ビビっているチキン坊主なのであります。

ようするに、いろいろ吉田なりの世間事情を考慮しつつ、さりげなく2月の展覧会がスタートしたということなのです。
この会場には、群言堂本店に既にある過去の個展で展示した彫刻もあるので、そのあたりと自然にからまって変化いくような彫刻をつくるところからはじめました。
久しぶりに過去の作風や工法を再確認する良い機会でもあったと思います。
そして、現在色々考えながら試作などを続けている習作。
大まかに言うと、二つの方向性と言うかテーマというか、そういうものが一つの会場で展示されているという感じです。

このところ、チビチビつくり溜めておいたパーツを、一気に溶接し続けていたので、私の顔は、エベレスト登頂に成功した登山家のような(えらそ〜〜に・・)風格を漂わせています。
なんか、眉間のあたりの日焼けの具合など、仕事に真剣に取り組む自分がリアルに残っていて、我ながらなかなかのものです。
めずらしく鏡を見ていたら、猫のシロちゃんの狭い額のあたりと共通しているような気がして、ワイフにツーショットを撮ってもらいました。
まぁ、結局は紫外線焼けのオヤジの顔が、歳をとった猫並み程度ということが、判明したばかりのことでした。

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2014-02