FC2ブログ

工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

万善寺の人々 

2014/03/12
Wed. 08:56

「あしたぁ病院だだけぇ、おじいさんつれていくけぇ、昼は過ぎるけぇ、なんもこぉてくることないけぇ、Tさんがおそなえもって、おじいさんがひとりじゃいけんけぇ、家の仏壇に供えてあるけぇ、つれていくけぇねぇ、おまいりないだろぉけぇ、昼ご飯用意してないけぇ、おじいさんひとりにゃぁしとかれんけぇ、のぉーきょぉーいかにゃぁいけんけぇ、豊川さんおまいりないだろぉーけぇ、買い物はえぇけぇ、Tさんからこぉとるけぇ・・・」

話しが始まるとキズのはいったレコードみたいに終わりが無くなって、同じことのリピートが延々と続くおかみさんが電話をしてきました。
「なんもせんでえぇけぇねぇ・・、いずれは一人で全部やらにゃぁいけんのだけぇ、練習みたいなもんだけぇ、じゃぁきるけぇねぇ・・」
電話を切るのも一苦労です。

毎週行商にくるTさんを除けば、お寺参りのみなさんがおかみさんの唯一の情報交流の場になっています。
あらためて思うと、歳をとると云うことは本当に難しいことだということがよくわかります。
万善寺の東堂さん夫婦を見ているだけでも、一人一人と別々に付き合っていかないと、なかなか収拾のつくものでもありません。
耳の聞こえが年相応に悪くなって、人の話にどんどん「はぁ〜?はぁ〜?・・・」をかぶせてくる東堂さん。
1ヶ月に1度の診療所への通院が楽しみな健康オタクのおかみさんは、結局極度の寂しがり屋なのでしょう、話しが途切れることを恐れるように延々としゃべり続けます。ドクターも大変だと思います。

高齢化の進む今の世の中、大正や昭和初期の人間が昔ながらの暮らしのまま生き抜くことは限りなく不可能に近くなっています。
無理して長生きはしたくないなぁと、最近は特にそう思うようになりました。
もっとも、私のように自由気ままに自堕落に暮らしていたら、最初から長生きなど出来るものでもないでしょうけど・・・
色々厳しい現実がついてまわりますが、それを避けることも出来ないし、あまりあくせく考えないで気楽に死ねるように毎日を乗り切ろうと思っています。

そんなことを思いながら、セッセと豊川さんの守護札を刷り上げました。
これから万善寺へ出発です。
出来立てのホヤホヤをお供えして、祈念法要を厳修します。

IMG_5404.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

2014-03