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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

春色に高下なし 

2014/05/13
Tue. 09:42

例の如く朝の不機嫌でマイペースなキーポンの登校準備を待っていると、
「昨日吹奏楽の保護者会で〜吉田さんってお料理が上手なんですねぇ〜って突然いわれてビックリしたわよ」
朝の忙しい時に珍しくワイフの方から話しかけてきた。
「○●さんって云うんだけど、あんたのブログ見てるんだって」
「へぇ〜、ヤバイなぁ・・・それでどう答えておいたの?」
「どぉ〜もこぉ〜も、ありがとうございますくらいしか答えようないじゃない」
世間は狭いというかなんというか・・・
そもそも、家族にもほとんど無視されている徹底的に個人のわがままでマニアックなブログを、自分の近所の人がわざわざチェックしているわけもないだろうと勝手に思っていたら、朝っぱらからそんなことを聞いたものだから、こうしてプチプチキーボード叩いている指先が緊張でプルプル震えたりしてなかなか始末が悪い。

歳をとってきたせいか、最近(・・でもないか・・)だんだん愚痴っぽくなるし、世間の事情も深く考えないで過激な妄想や発言に走ったりする事も増えていると気づきはじめているようなところもあるし、家族の事情も垂れ流しだし、このまま突っ走ってしまうとそれでなくても少ない友達も逃げてしまう事だって十分考えられるし、実際そのような事が無いわけでもないし、なかなか困った方へネジ曲がりつつあるなぁと思っていた矢先の事だった。
どうもなんずかんず突っ走る傾向が強くなったような気もするから、ここで気持ちを引き締めてもろもろ慎重になろうと決めたところであります。

最近の島根県は晴れの日が続いていて、田植えの最盛期だからそれはそれで都合が良かったりするのかもしれないが、一方で水田の水の取り合いでもめている話もチラホラ聞こえてくる。
そこへ久しぶりに雨が降った。
ついでに暴風も加わって、結界君は突風でフラフラだった。
風は半日くらいでおさまるだろうと思っていたら、結局1日中吹き荒れて、そのわりに雨はそれほど降らなくて、その程度では農繁期のまとまった恵みの雨にはならなかったと思う。

一周忌の法事で出かけた先は施主のお父さんはお百姓さんで、兄弟はサラリーマンをリタイヤの東京暮らしで、子供夫婦は地方市街地の学校の先生で、一家身内で社会の縮図をみるようなお宅です。
世代も暮しも仕事も違って、それぞれがそれぞれの常識で暮しているような、そういうところでのお経のあとの説教とも小話とも言えないようなお話は、うまい具合にみんなの心を掴むような気の利いた話題が絞りにくくてだいたいがスベる。
あたりさわりの無い話が一番つまらないとわかりつつ季節がら用意した塔婆の裏書きをお題に、少々しゃべった。
「春色無高下 花枝自短長」
あの「碧巌録」著者圜悟(えんご)禅師さまの残された言葉であります。
ザックリいうと「平等と差別」を春の色と花の枝木にたとえて語っていらっしゃる訳ですが、住む世界が違えば考え方も違って当然の事で、それらを一切合切ひっくるめて八方丸く収めるなど最初から無理なことだということがよく分かったりする。
ようするに、「平等も差別もあって当たり前である!」ということです。
くどいようだけど、暮らしが違えば考えも違う。
厳しいようだけど、これが現実だと思う。

文句を言わない鉄を相手に彫刻などつくっていると、自分の気の緩みや不始末がそのまま形の乱れにつながって、それはそれで難しい仕事だといえるだろうが、自然を相手のお百姓さんのような厳しさはない。
失敗作は一から十まで自分の責任だと堂々といえる。
お墓参りを終わって斎膳の席のこと・・
「天気予報で雨になる言うとったもんで、芋の苗植えたらいっそ降りませんが。枯らさんように水まいたり草かけたりしましたがやれませんわねぇ・・」
たった1日の天候の読み違えが収穫に響く現実の厳しさに比べたら、私の彫刻制作などへなちょこだね。

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