FC2ブログ

工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

マックイーン猫 

2014/06/07
Sat. 06:03

帰宅すると猫のクロがさりげなく出迎えてくれた・・・と思っている。
どうせ本人(本猫?)は、脱走のスキを狙っているくらいのことだろうが・・とにかく、気配を消して土間の暗闇に紛れて私の足下まで近づいている。
目が合うとあきらめたように身体を擦り寄せて媚を売る。

頭陀袋を首にぶら下げて両手に水筒やら鞄やらいろいろ持っているから抱き上げることも出来ないのでそのままリビングに上がってワイフに帰宅を告げると、
「クロが大変だったのよ!」
炊事をしながら台所から大声で話してくる。
着替えなどしたいから詳しく聞くのはそれが終わってからにしてくれと頼んでおいて書斎に入ろうと思ったら、建て付けの悪いガラスの引き戸が少し開いている。

クロは気に入らないことがあると、はらいせにマーキングシッコをする。
人間へのレジスタンス活動とストレス解消を兼ねているのだろうが、ねじれたいやらしい小利口さがクロらしいところでもある。
「さては書斎でやられたか!」と一瞬思って、狭い四畳半を見渡したが特別変わったこともない。
きっと久々に脱走が成功してワイフを困らせたのだろうくらいに思っていたら、
「あなたの部屋の障子から土間へ出ちゃったのよ」
「えっ?あのはめ殺しの障子?」
「そう、あの障子を内側から倒して出ちゃったのよ」
まったく凄い執念だ。
書斎は四畳半だから障子は3枚が交差するように溝が切られてある。それを開け閉めするように使うと、どうしても書斎の収まりが悪いのでその前に棚を作ったり40年前のでかいダイヤトーンを置いたりプリンタをはめ込んだりして、色々隙間なく詰め込んで使っている。
元はその障子にちゃんと障子紙が貼ってあって、時々ワイフが張替えたりしてきれいに使っていたが、クロが来てから2年の間にアチコチの桟を破りはじめてその癖も直らないでひどくなるばかりになったので、障子紙を全てきれいにはがしてしまった。
だから、1年中土間と書斎は風通しがいいのだが、さすがに冬は寒い。
そんなわけで、クロも自分のせいで現状があるというその状況を十分に心得ていて、狭い桟の枠から外へ出ることが不可能だと分かっているはずだったのだが、ヤツはその障子ごと溝から外して倒してしまったらしい。

本当にあきれるほど執念深い。
そのあたりが猫の猫らしいところかもしれない。
私が書斎にこもっていると、さりげなく様子を見にきて、さりげなく去っていって、時々さりげなく擦り寄ってきて、たまに遊びをせがんで、あるときは書類の上で1日中ピクリとも動かないで眠りほうけていることもある。
彼は日常の猫観察とリサーチを積み重ねつつ、虎視眈々と脱走の機会を狙っていたわけだ。
「パピヨン」や「大脱走」のマックイーンみたいなものだ。
・・・って、そこまでカッコよくないかもしれないが・・・まあ、感心するほど猫らしい猫だと思う。
上手に鳴声を使い分けて人間を使うし、とぼけた顔をして、あいつは結構頭の良いヤツかもしれない。

IMG_1215.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

2014-06