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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

彫刻スイッチ 

2014/09/30
Tue. 05:43

延々と続いた溶接のせいで、それでなくてもシミだらけでジジイ顔のオヤジの顔はすでに3回目の皮が剥けて惨憺たる状態になっている。
目と鼻の先で強烈なスパークの紫外線が飛び散っているから仕方のないことだ。
本当はそういうことを避けるために溶接用のゴーグルやメンがあるのだが、いちいち脱着をくり返していたらいつまでたっても仕事がはかどらないし、鬱陶しいだけのことなのでどうしても紫外線に素顔をさらすことになる。
防じんマスクもそのあたりのホームセンターにあるものでは、ガスの微粒子を防ぐまでには至らないから、花粉対策用の使い捨てマスクと2つ重ねて使っている。
まぁ、いずれにしてもこんな状態で彫刻の仕事をしていると身体にいいわけがない。
それを自覚しながら、自分の身体をだましだまし酷使している。

今回の彫刻は、溶接の総距離がやたらと長かった。
今までの3倍くらいはあっただろう。
多分そのせいもあってのことだろうが、オヤジの乏しい眉毛とまつ毛の抜け毛が激しい。
いつのまにか日焼けした皮と一緒に抜け落ちているようだ。
いまさらこの歳で眉毛が無くなっても若干人相が悪くなる程度だが、まつ毛の抜け毛は非常に困る。
気のせいか、グラインダーの切削粉がやたら頻繁に目に飛び込むようになった。
反対にビックリするほど鼻毛は伸びるのが早い。
気がつくと小鼻の横の方までカールして反り返った鼻毛が伸びている。
人間の身体は、意外と環境の変化に敏感に対応できているのかもしれない。

顔の変化はやたらいろいろ目に付くが、体力や精神力となるとなかなか見た目で実感することが難しい。
それでも体力は確かに年々落ちていると思う。
若い頃は平気で運んでいた鉄床や万力が、最近は重く感じるようになった。
腰にこたえることが一番つらい。
人生の3分の1はこうやって重たいものと付き合って身体を酷使しているから当然のことだろう。
こういう肉体の衰えは、だましだまし上手に付き合っていくしかない。
問題は精神力・・つまりやる気。
これがだんだん倦怠する。
つくりたいと思う彫刻の形は不自由なく浮かんでくるしまだまだワクワク感もあって、いまのところ枯渇に悩むこともないでいられている。
ところが実材に入ったあとの集中力が続かない。
それでなかなかこまっていたが、最近になって原因は肉体の衰えだと気づきはじめた。
まずは腰の痛み。そして視力と腕力の減退・・・これにつきる。
仕事をしながらその対応をいろいろ工夫して、まずはこまめに休憩をとるようにした。
長距離ドライブと似たようなものだ。
ポットのコーヒーと1冊の文庫本。
若干ペースダウンになるがこれでずいぶん気持ちが整理できて作業の失敗も激減した。
そして何より効果的なのが、作業の一部を次の日に残しておくことと掃除。
これを毎日くり返すことで、工場での毎日の仕事スイッチが一気にONになる。
ひとそれぞれだと思うが、吉田の場合は調子がいい。

ひとまず六本木の彫刻は先が見えた。
これから1ヶ月かけて石見銀山の彫刻展を開催して、11月になったら幾つかのクラフトをこなしながらもう一つデカイ彫刻を造ろうと思う。
それが出来たらなんとか年が越せる気がする・・・

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2014-09