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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

カマキリの斧 

2014/11/04
Tue. 08:49

「今日は早く出かけるからキーちゃん頼むね!」
朝食代わりなのだろうドーナツをほうばりながらあわただしくワイフが出かけた。
低血圧かどうか知らないが朝の機嫌の悪さには定評のあるキーポンを遅刻しないように学校まで送り届けなければいけないのが少し憂鬱だったが、珍しく昨夜は自分で風呂の掃除をして1時間以上浸かっていたから血行も促進されたのだろう、幸い今朝はいつになく機嫌が良くて助かった。
おまけに、久しぶりの好天で青空がキレイで気持ちがいい。
こんな時は外仕事もはかどるだろうと一瞬そう思ったが、一方、このところ寺務手帳に赤と黒で見分けがつかないほどの書き込みが続いているし、1日としてまとまった休みをとっていないから、たまには一人でノンビリ過ごすのも良いかなぁと思いつつ帰宅したら、立て続けに電話が3回鳴った。
1つは近所の友人から仕事打ち合わせ。
1つは寺の東堂さんから。
1つはケーブルテレビさんからコンサート取材の伺い。
何となく休みの出鼻をくじかれたようで、結局「おまえは休んでいるヒマなどないんだよ!」と言われてしまったような気がする。

彫刻の用事が一段落したので倉庫を少しずつ整理して梱包材代わりの古いモーフや布団などを片づけていたら、今年はカメムシが少ないことに気がついた。
いつもだったらこの時期、鉄板の隙間や梱包材の隙間にビッシリ張り付いて越冬の準備をしているはずなのにそれが少ない。
11月の連休も仏事に追われて雨の銀山街道を走っていたらヘビが車道を横断している。
家の中より外にいる方が暖かいし、少しばかり力仕事をすると汗が出る。
そうそう・・・それに、やたらとカマキリを見かける。
少し前には結界君のバックミラーにしがみついて石見銀山から隣の町まで小旅行をしていた。
助手席のキーポンが見つけてひとしきり大騒ぎだった。
別の日はワイパーにしがみついて窓の外からやたらと威嚇していたが、トンネルを抜けたところで姿が消えていた。

数カ月前の開蓮忌塔婆の裏書きへ「生死事大無常迅速」と書かせてもらったが、それ以来この言葉が時々思い出されて、つい先日も150回忌の法事でまた使わせてもらった。
坊主だから仕方のないことで避けて通れないところもあるから、あたりまえに日々感じていることかもしれないが、こうして「生死」について少し踏み込んで意識することが最近増えたように思う。
自分自身が歳をとったと自覚しはじめているからかもしれない。
避けて通れない「死」へ向かって必死で生抜きなさい!・・・といっているわけで、死ぬまでの毎日毎時毎分毎秒をとにかく大切に生きることが大事なのだ!・・・ということ。
自分の意識が正常である限り「死ぬこと」の現実を自覚して受け止めることが出来れば、「生きているということ」に対して感謝の気持ちが芽生えるはずだ!・・というわけです。

今の世の中あまりにも殺伐として見苦しく感じてしかたがない。
ワイパーのカマキリを思い出して、「カマキリの斧」の事を思い出した。
才に溺れ智に溺れ財に溺れ名誉に溺れ権力に溺れ自我に溺れ・・・
そういう自分を見失っている連中がどれだけ多くいることか・・・
どうせ何時かは死んでしまうのにね・・・エゴは墓場まで持っていけませんよ。

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2014-11