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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

山寺事情 

2015/01/11
Sun. 09:43

狭い境内に残る重機のタイヤ痕にうっすらと雪がかぶっていた。
葬祭会場が万善寺本堂になったので急きょ近所のユンボを導入したのだが、水分をタップリ含んだ境内の真砂土もいっしょに掘り返されてしまったので、老僧夫婦の怒りをかってしまうことだろう。春になって雪が解けてからおかみさんの仕事が出来たと思って気楽に乗り切るしかない。もっとも小言も延々聞くことになるから、そちらの覚悟もしておく必要もあるけど・・

田舎の方はきちんとした葬祭場もないから地域の自治会館を借りたりして葬儀をする事が多い。昔はほとんど自宅の部屋を開放して、襖や障子を取り払って縁側まで使って葬儀をしていたものだ。まだ私が20代で副住職だった頃はそういう施主家も多くあって、雪でも雨でも猛暑でも関係なく組内の男衆が総出で会場の準備などをしていたものだ。それも今は昔のこと・・・高齢過疎化の現状では斎膳の用意までJAの葬祭事業へ頼るしかないことになってしまった。
「この前おじゃました会館では立派な漆塗りの膳什器一式が処分されたということで、もったいない話ですが、これから先使い道もないし、しかたのないことなんでしょうね」
先日ご一緒させていただいた田舎とは云えそれでも家並みの続く町場にある浄土真宗の若い現住職さんがそんなことをいってらっしゃった。
「町場の空き家はみんなが迷惑しとりましてねぇ・・、雪が降っても雪下ろしもないまま隣の家へ傾いてきたり、雨が降ると雨漏りで湿気るし、ネズミや虫が湧き出るし、ネコ屋敷になったりもして、まぁひどいもんです。もう帰らないことが分かってるお宅は取り壊しをお願いしているんですが、それもお金のかかることですしねぇ・・」
でかくて立派な浄土真宗さんも山の斜面へ張り付くように建っている万善寺と似たり寄ったりの悩みがあるようだ。

現在公民館保賀地区分館長を務めさせていただている私でありますが、その分会館の壁に掲示のハザードマップを見たら、万善寺は見事にスッポリと土砂崩れ危険区域になっていて、すでに私の人生で2度も裏山の地崩れを経験している。
やれやれ・・財も取り柄もない万善寺住職としては、セッセと観音さまにおすがりして難無きを祈るしかありませんな。

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2015-01