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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

夕暮れ 

2015/05/27
Wed. 21:00

もう90歳にもなって、いまだに自分は若いと思いつつ、肉体の老化についていけなくてジレンマをかかえて生きているおかみさんであるが、一方で私の母親であることも間違いないことで、その性格は善悪含めて疑いようもなく私に引き継がれている。だからその性格上知らんぷりで見て見ぬふりをすることもできないまま、ひたすら毎日をしのいで今に至っている。
老僧の再入院でもうこのまま寺の庫裏へ帰宅することは難しいだろうとわかったあと、ひとまず毎日少しでも病室で家族の顔を見させてやることぐらいはしておいた方がいいだろうと決めてからの意地のようなものが今に至っている。そんな訳で、今後の善後策のこともあって寺暮らしを優先することに決めたいきさつがある。

朝から彫刻展がらみの用事でやたらとアチコチをうろついた。田植えの終わった棚田の水が日の光を反射して眩しい。
このところ、1日走るとだいたい200km位になっているから、結界君も駆使されて大忙しだ。気がつくと走行距離がオイル交換の時期をはるかに越えていたので、国道沿いのスタンドへ入って給油がてらオイル交換をしてもらうことにした。
たまたま、最近の巡り合わせでこの3〜4回ほど同じスタンドで給油している。プリペイドカードの残金が数百円とか千何百円とか捨てるのはもったいないほど残ってしまうから、どうしても連続して同じスタンドを利用してしまう。あくどい商売だとも思うが、かといって強硬に反発するほどのことでもないし、それも何かの縁だろうとゆるく解釈している。
一方、そのスタンドで給油しはじめてから何となく結界君の調子が良くなって、走行距離も延びている気がする。それに、すでに3〜4回も同じスタンドで給油しているから、タンクの残量も一巡して、完全にそのスタンド100%の燃料で走っていることになる。
最近は、そんなこともあって中国山地のアップダウンをけっこう快適に乗り切っている。油事情もメーカーごとに色々あるようだ。
性善説愛好者の私としては、スタンドの裏事情など知らないままで毎日を過ごしたいと思っているのに、どうしても慢性の金欠病魔に精神がむしばまれて性格が悪くなって疑り深くなってしまっている。

夕方になって寺の庫裏へ結界君を横付けした。早速おかみさんが本日の老僧の状況を根掘り葉掘り質問してくる。別に、改善もしないまま似たような状態が続いていて、特に大きな変化もない。しいて云えば、しだいに体力がむしばまれて生気が衰えているが、だからどうなる訳でもない。報告といえばそのくらいのものだ。

しつこくからんでくるおかみさんをうっちゃって、夕食を作った。
先日買っておいた鳥のもも肉とタマネギにとき玉子をからめて親子丼。
老僧がいないまま水入らずの母息子の夕食ぐらい、仲良く楽しく済まそうよ!・・・というのが、夕食のメニューに託した私のつつましくささやかな願い。
それでもおかみさんは全く気づかないまま病院と老僧の容体のことばかりうるさくしゃべり続けていた。

早めの夕食がおわった。まだ明るい夕空の上空に月があった。一日の終りのセキレイもにぎやかに鳴き続けている。例のカラスも見かけた。また、カエルのうるさい夜が来る。

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2015-05