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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

現代彫刻小品展 浜田展報告 

2016/07/25
Mon. 22:20

2016現代彫刻小品展in浜田が本日で終了した。
総入場者数522人。
ワークショップ参加171人。
以上の結果となりました。

総括すると、彫刻の出品者は増えたものの、一人1点が多く、作品の出品点数は少なかった・・・という感じで、出品点数59点、出品者数48名、触れる彫刻は10点であった。
会期が夏休みに入って最初の土日から始まった関係からか、島根県内各地でさまざまなイベントが開催されていた。子供も親もさぞかし忙しかったことだろう。
会期中の天候は良好で・・というより良好すぎて、一日も雨がふることがなかった。浜田ではすでに5年ほど開催しているが、会期中に雨が降らなかったのは今回がはじめてのことだ。美術館はどちらかと言うと天気が悪いと入場が増えたりする。公園の中にあるとか近くにあるような美術館は特にそういう傾向が強いように思う。
宣伝不足もあるだろうが、美術館への入場そのものも少なかったから、それが今年の傾向であったのかもしれない。

また、島根県内からの展覧会出品者が減った。それに、県内や近県で彫刻を出品しただけで会期中に会場へ現れなかった作家もあった。他のグループ展や個人の展覧会などの行事と重なってしまったような話も漏れ聞こえてきた。精力的に活動することはいいことだし、彫刻展への帰属意識も緩やかな集まりの会だからそれはそれで特にどうこう批判めいた事も無いが、出品作家の個々人においては、現代彫刻小品展に対しての温度差がありすぎるのも仕事の量が不均等だったり集客の告知がずさんだったりして、タップリと汗をかいてきた作家から見ると釈然としないわだかまりのようなものが残ってしまったのかもしれない。私自身は特にそういうことは気にすることも無いでいるが、過去にはそういう負担の過不足が気になって出品を控えた作家もいた。このあたりの共通理解を得るということはなかなか難しいことで、どちらかと言えばそういうことに労力を消費するより、ひたすら地道にコツコツ眼前の事実へ向き合って乗り切る方を選んでしまう。

吉田家の家庭事情を云えば、今年は例年に無く、いや、例年以上にワイフが親身に働いて手伝ってくれた。毎年のことだからそれなりに色々な場面でワタシを助けてくれていることに変わりないが、今年は特に彼女に助けられたことが多かった。
コアなメンバーで私の支えになっているのは彫刻家では周藤さんにノリちゃんだろう。他にも今年は松田さんや松本さんも受付を手伝ってくれた。浜田在住の河島くんにも彼のお母さんにも毎年受付で助けられている。数年前に生まれた男の子が毎年1年に1度見るたびに大きくなって河島くんそっくりになっていたが、今年は残念ながら息子さんに合う機会を逸してしまった。
最終日の今日はノリちゃんが二人の子供を連れて片付けの応援をしてくれた。二人ともしばらく見ない間にずいぶん大きくなってしっかりしてびっくりした。私が年をとるはずだと、こういう場面になると実感する。

明日は朝から会場撤収と搬出移動がある。もうひと踏ん張りだ!

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現代彫刻小品展 浜田会場会期終了 

2016/07/25
Mon. 06:36

現代彫刻小品展も最終日を迎えた。
振り返ってみると、今回ほど厳しくて辛い思いをしたことはなかった。
とにかく予定の立たない万善寺の仏事が次々に入って、それとこれとを連動させて「あれがあるから無理です」と断ることの選択肢は最初から存在しない。いろいろやりくりをしてその場を凌ぐしかないことだから、アチコチにたくさんの迷惑をかけてしまった。
何時もは何かと人騒がせなおかみさんが珍しくこの期間中おとなしくしてくれていて助かったと思っていたら、最後の最後にまた病院の通院でワガママを言い始めた。こちらの方も悩みの種で、自分以外のダレに託すことも出来ないことだから気が重い。
会期中足の具合をこじらせてしまってそちらでも苦労したが、ここに来て一気に調子が改善し始めた。このまま2〜3日安静にしていればもっと良くなるだろうと分かっているが、これから搬出も控えているし、それも無理なことでまた症状が悪化するかもしれない。
いずれにしても、身心共に不健康な日々が過ぎている。

彫刻は全てが頑強にできているわけではない。
私の造る彫刻は結構丈夫に出来ているが、一方でとてもデリケートな素材の彫刻もたくさんある。テラコッタもそういうデリケートな彫刻素材の一つと言えるだろう。
テラコッタは、日本語的に言うと「素焼きの彫刻」のようなことになる。
素焼きは陶芸の制作過程で行う第一回目の焼成にあたる。よく乾燥させた粘土の作品をだいたい750度から1000度前後の高温で焼成する。焼成温度は作家によって色々だが焼成温度が低いと粘土の成分変化が少なくて脆いがその代わり収縮も少ないし形の変形も少ない。高温になるほど粘土が焼き締まって作品の収縮が強まりスケールに変化が生じるものの素材そのものは丈夫になる。それぞれの彫刻家の彫刻に対する解釈の範囲で粘土がブレンドされ焼成される陶製彫刻がテラコッタである。
今回の展覧会にもたくさんのテラコッタ彫刻が出品された。
林さんの彫刻はテラコッタに着色された女の子が可愛い。このくらいの大きさの彫刻は、下手をすると人形のような表情になってしまうことがあって、その境界をしっかりとわきまえておかないと彫刻としての造形性が狂ってしまうおそれがある。彼女ほどの作家歴があるから構成の緊張感をもった彫刻に仕上がっているわけで、安定した力量を感じる。
大井さんの彫刻はテラコッタ表現の彫刻であると言う前に、首像に対してとても真面目に真摯に丁寧に取り組んだ習作的彫刻と言える。首像はそのスケールがおおよそ常識的に決まった範囲で制作されることが多いから、彫刻の修得には避けることの出来ないとてもベーシックな題材であるといえる。派手さはないが、作家の力量をつぶさに見分けることが出来るので制作者としても手を抜くことが出来ない。こういう彫刻に対して直球勝負をかける潔さに好感が持てる。
森戸君は展覧会の関係で長い付き合いになる・・・といっても、私は野外彫刻ばかり造っているから木彫の彼との会話はほんの挨拶程度のことで過ぎているが、それでもやはりかなり前からの知り合いである。その木彫作家と言ってもいい彼が今回の現代彫刻小品展にはテラコッタの彫刻を送ってきた。比較的一木造りに近い大きな彫刻ばかり観ていたからそれなりに新鮮に見えた。それでもやはり、何処かしら彼らしさの醸しだされた彫刻になっている。

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