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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

教室個展〜竹田茂〜 

2016/11/14
Mon. 18:47

午前中に幾つかのデスクワークをして、お昼前からSNSにとりかかって、そうこうしているあいだにワイフが午後からの仕事へ出かけていった。
吉田家の中は、だいたい常識的な11月の小寒い空気が漂っていたが、昼間からストーブを焚くほどのことでもない。

午後のティータイムが始まったのだろう、上隣の改築中の町家が静かになった。大工工事に入って4~5ヶ月にもなるだろうか・・・?石見銀山の町並みは、世界遺産のど真ん中でもあって、約1km続く町家の増改築に結構厳しい規制が入る。日頃から町の住民は窮屈な思いをしながら暮らしているが、慣れてしまえば、「まぁ、そんなもんだろう」程度に、日常の不便と上手に付き合いながら暮らしているところもある。もっとも、すぐ隣で大工工事が入るとなるといつもより暮らしにくくもなって、狭い町並みでの駐車場の問題や、工事重機の出入りや廃材の始末など、かなりのストレスになったりする。吉田家も、上隣の工事重機が家の裏を通ることになって、昔からあった隣の庭石もいつの間にかそのまま吉田家の裏庭へ積み上げられて放置されていた。特に裏庭を整備するような計画もないし、そのままそんなもんだと片付けてしまえばそれで良いことだが、とても人力では動かすことの出来ない庭石の山を見た時は、今後もあの庭石の御陰で草刈り刃のチップが欠け飛んで行くのかと思うと若干憂鬱になった。

石見銀山の町並みへ出ると、小雨が降っていた。それでもどこかしら生ぬるく温かい。富山へ移動している途中から雨が激しくなった。雲が低いせいか、まだ夕方には間があるはずなのに対向車がライトを点灯している。小学校の用事を済ませてからキーポンをピックアップした。

教室個展の竹田茂氏は家族ぐるみのキャンプ仲間だった。もう30年も前のことになるだろうか・・まだ二人とも若くて子供も小さかったからとても楽しい思い出になっている。
教室個展には、できるだけ作家歴の若い人を見つけるようにしているが、それでどこかしら不安なところもあって、核になる安定したベテラン作家に協力してもらっておくと気持ちが落ち着くところもある。昨年は、彫刻の大作を集めて教室グループ展と、島根出身の絵画の大御所の作品を集めた展覧会に仕立てた。
それはそれで良かったのだが、せめて教室の個展は平面の作家に集まってもらったほうが立体と平面のバランスが良いような気がして、今年は竹田さんのお世話になった。特に改めて何も言わなくても、自分で何かしらテーマを決めて教室を仕切ってくれるだろうと思っていたが、やはりその通りで、密度の高い個展会場に仕上がった。
彼の絵画は、限りなく不定形の立体なところが特徴で、今ではそれが彼の絵画作品の特徴にもなっていて、知る人ぞ知る存在でもある。それはそれで、ある意味あらかじめ答えの用意された安心感も漂ったりするのだが、一方で、彼の制作の軌跡を大きく逸脱したような破壊や挑戦も観てみたい気がして、今回の個展にそういう期待感も意識していた。
さて、そのあたりのこととなると、これはお互い一杯やりながらじっくりと会話しないとややこしいことになりそうなところもある。いずれにしても今回の発見は、彼の展示の工夫にも増して醸し出す色彩の組み立てがとても魅力的に感じた。今のモデルに古き良き自分の少年時代の文化を感じた。

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教室個展〜本池文乃〜 

2016/11/14
Mon. 11:42

飯南高原は、さわやかな秋空が広がった。
11月に入って、農繁期も少し落ち着いて、そろそろ年末も近づいて慌ただしくなる少し手前のチョットだけ気持ちが緩やかになった頃になると、万善寺の檀家さんが一気に法事を始める。
だいたいが、寺の仕事で年間のスケジュールが決まることなど片手でもあれば十分なほどの数しか無くて、あとはお檀家さんの都合でその日その日を調整していくしかない。
まぁ、そんなわけで土曜日から日曜日にかけて3つの法事を済ませた。
さすがに日曜日の夕方に石見銀山へたどり着いた頃は、もうグッタリとして何もする気になれない。坊主はジッとして動かないのが仕事のようなものだから、この2日間で完全に身体が固まってしまって、立つも座るもそのチョットした動きで身体のアチコチに痛みが走る。やたらとウンウン唸っていると、キーポンが珍しく背中を押してくれた。背骨がボキボキ鳴ってヨダレが出そうになった。それから、腰のあたりには常備薬のサロンパスをペタペタと貼ってくれた。持つべきものは優しくて可愛い娘に限る!

土曜日と日曜日は富山の小学校教室展を観ることが出来るようになっている。前記のような事情で受付が出来なくなった。それで急きょ、教室個展の竹田茂氏と内田紀子氏がそれぞれ1日ずつ受付代行してくれた。来場は2日で7人。昨年はゼロの日もあったから人口400人静かな山間の町も、この彫刻イベントで少しほど認知され始めたのかもしれない。
そもそも、児童数が減ったからという理由で廃校になったような小学校のことだから、一般的にそういう地域は、世間に忘れられてしまっているといってもいいくらいのところだ。そういう、誰も来ないような場所でわざわざ彫刻のイベントを企てるというところからして物好きなものだと思われても仕方がないことだ。一方富山には、そういう彫刻に縁がなくて現代美術のカオスにハマることのない限りなくピュアな世界が広がっている訳でもあって、私には、そちらのほうが狭苦しいギャラリーや堅苦しい美術館がひしめく都会の文化街に比べたらずっと魅力的に見えてしまうのだ。

本池文乃氏は、鳥取の出身で、島大の新井研究室を経由して、現在は鳥取の確か中学校で子供達に美術を教えているはずだ。山陰のグループ展で彼女の絵画をはじめて見て、何かしら面白い方向性のようなものを感じて個展の声をかけたら、しばらく悩んだ末にOKの回答を得た。回答までの停滞した時間は、新井氏をはじめとした研究室やその周辺の友人諸氏に個展の相談を繰り返していたのかもしれない。
結果的には、今回の教室個展で今までにない表現の方向性が出たような気がして、面白い会場が出来上がったと私は感じた。この表現が今後どのように展開していくのか楽しみでもある・・・ということは、今回の個展は、まず造形作家の第一歩というあたりか・・
わからないなりに、ジタバタと何かを組み立てていれば、そのうち何かがひらめいて形になっている・・といったあたりがまずは大事なことだ。汗もかかないで机上の理論を組み立てて崩してばかりいても結果は見えない。まずは行動するということが大事なことで、それで掴んだ方向性もあれば、それで失敗した表現もあるはずだ。
これから彼女には造形表現の分からないことがたくさんつきまとってくるだろう。その悩み事の開放が次の表現の厚みに変わればいいことだ。

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