工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

典座寮復元 

2017/06/02
Fri. 23:23

昨年の12月から今年の2月までの島根県は、例年に比べて雪が多かったように思う。
それでも、寒波に比較的正確な周期のようなものがあって、マメに雪対策をしておけばそれほど雪害で悩まされることもなかった。
あとになって、法事の席などでさまざまな地域事情を聞く機会があって、それでやっと山陰から瀬戸内にかけての広範囲で厳しい冬を乗り切ったような状況を知った。

そもそも、万善寺のある飯南高原そのものが山陰とか島根県とかに絞ってみると、雪がよく降って積もるところだから、今回の冬季が特別だったとは感じないまま春を迎えたように思っていたが、実情はそうでもなかった。
万善寺でも自分の気づかないところで若干の被害があった。
境内の端には土留の石垣が組まれていて、そのほぼ中央に大きな松がある。
たぶん、寺が現在の場所に移築されたときからその場所にあったと思うから、樹齢300年くらいにはなっていると思う。

昭和の終わりから平成にかけて松くい虫の被害が東の方から広がって、数十年かけて山陰一帯を襲った。
飯南高原から石見銀山にかけても、かなりの深刻な被害が広がって、その頃は吉田家の子供たちが中学生だったし、保護者の奉仕作業で枯れた松を切り倒したりした。
松に限らず、木を切り倒すにはかなりの専門的な知識や経験が必要で、素人の仕事にはできない。
万善寺のお檀家さんの中にも昔は専門の林業従事者がいて、子供の頃から山の怖さを数多く聞かされたし、中には、若くしてその山仕事の最中に事故死した人もいる。

それで、万善寺の冬の被害のことだが、なんとか松くい虫の被害を凌いだ境内の松の大きな枝木が、雪の重みで折れた。
そのまま地面に落ちればよかったのだが、その折れた枝のすぐ下にある枝木に寄りかかって中空に踏みとどまってしまった。
下から見上げると、自分でなんとかできるとその時は判断して時が過ぎ、今になってやっと本気に伐採を思いついて本堂の荘厳用の長いハシゴを松に立てかけた。
そうしてみると、思っていたよりずっと上の方で折れていて、ハシゴを登りきっても鋸の先が届かない。
何かいい方法がないか考えたが自分の技と道具では無理だと決めて、知り合いの電工さんの工事車両目当てで泣きついた。
「今日の昼からだったら行けますよ。明日からまた仕事で使うから・・・」
というわけで、急きょ万善寺境内が大騒ぎになった。

予定外の仕事になってすっかりバテて、外仕事をする気も失せたので、途中で終わっていた庫裏の典座寮(台所配膳室)の拭き掃除をした。
前住職夫婦が、60年の間に溜め込んだゴミの山を一気に処分したところで終わっていた掃除を再開して、夕方やっと素足で歩けるまでになった。

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