工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

仏心(ほとけごころ) 

2017/06/08
Thu. 23:51

「シャギー聴くと〜夏だなぁ〜!・・って感じだよね」
iTunesのウエブラジオを垂れ流していたら、約1年ぶりに帰省したノッチがそう言った。
私の方は、「夏になるとビーチ・ボーイズかチューブだよね」という感覚でいたから、(そんなもんかなぁ〜・・)と思いながら、それ以来、何気なく仕事のバックミュージックで聴くようになった。
知り合いに「ボクはレゲエ派だから・・」などと言いつつ、ジャズから演歌までこだわらないでなんでも聴いているようなレゲエオヤジがいるが、彼の気持ちもわかる気がしてきた。
梅雨に入って湿っぽくなった万善寺の庫裏で、そのシャギーを大音量にして聴きながら掃除や片付けをしていると、流れる汗が爽快に感じたりするから不思議だ。

朝のうちは、雲が厚く下がって梅雨らしい空模様だったが、その雲もしだいに上がって、そのうち青空がのぞくまでになった。
田植えの終わった田んぼの畦の草刈りがアチコチではじまっている。
雨が降ると一気に伸びるし、晴れが続くと一気に硬くなるし、夏の草は始末が悪い。
手間があれば・・というより、ヒマがあれば、ひたすら境内の周りを草刈りしながらグルグル回っていれば、酷くはびこる前に楽に刈り込むことが出来るのだが、いくら坊主家業が暇だと云っても、夏の間中そればかり続けるわけにもいかない。
こうして、少しでも身体に無理がきいて動くうちは、見苦しくならない程度に草刈機を振り回し続けるしか無いと諦めている。

万善寺の境内や参道のアチコチに、フランスギクが根付いていて、毎年5月に入ったくらいからに満開になる。
せっかく花を咲かせるから、せめてその間は刈り払わないでおいてやろうと仏心でいるが、こうして梅雨の雨に打たれ始めると、ヒョロリと伸びた長い茎がアチコチ四方へドット倒れ込んで、途端に見苦しくなる。
その刈り込みを兼ねてひと汗流して、シャワーでも浴びようと作業を片付けていたら、木彫の新人が制作中の石の彫刻を持ってやってきた。

彼女は4月の終わり頃から時々こうして彫刻の制作をしにやってくるようになった。
職場からだと1時間近くかかるようだが、今のところ気楽に制作出来る適当な場所が見つからなくて、かといって彫刻制作をやめるわけにもいかないし、昨年来の付き合いもあって相談に乗ってやっていたら、万善寺の蔵の軒先とコンセントを貸してやるから、「それで良ければ彫刻彫りながら慎重に時間をかけて都合の良い場所探したら良いよ」と、ついつい仏心を出してしまった。
いつまでも、延々と甘やかすつもりもないが、本人にやる気があって彫刻にしがみつく根性があれば、そのうちそれが造形の強さにつながるかもしれないと、期待が無いわけでもない。
もう少し先が見えるまでは、こういう状態で付き合ってやろうと、今はそう思うようになってきた。

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2017-06