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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

ノッチの出国 

2017/08/08
Tue. 23:13

8月に入って、通勤坊主からワイフと別居の単身赴任坊主になって、一人暮らしを続けながら棚経を続けている。
吉田家の家族からはなんとなく疎外された感じもあって、どこかしらわびしい。

そんな中、次女のノッチがアメリカのフロリダへ旅立った。
1年間の期限付きで、オーランドのディズニーリゾート日本館で働く。
詳しくは知らないが、3〜4回の面接試験を通過して採用が決まったらしい。
本人は軽いノリで求人募集に引っかかったらしいから、何人か交代した面接の試験官とも常に軽いノリで世間話していたふうだが、アメリカというお国柄か、そういう比較的ラフでカジュアルなスタンスがかえって功を奏したのかもしれない。採用の母体がアメリカ企業だから、大使館のビザ申請もアッという間にパスしてこのたびの渡米になった。
いわゆる、自分のスキルアップ目的の研修プログラム就労的扱いのようだから、給料も少ないし、宿舎もシェアハウスというより合宿所か学生寮のような感じらしく、5人の日本人部屋があてがわれたようだ。

ノッチは、坊主で云うと雲水を続けながらひとつ場所に留まること無く自分の足でアチコチ旅して先々の恩にスガリながら修行する禅僧のようなかんじだ。まさに、行雲流水の如く、物事に深く執着することなく、その時々の世間の流れに身を任せ、ガチガチに固まる自分を避けるようにナチュラルに徹し、無欲無心に社会を泳いでいるふうに見える。
こうして都合よくオヤジの愛情で定義づけると、「あの娘はなんて立派で素敵なヒトなんだ!」と錯覚するかもしれないが、ようするに、本当はチキンでワガママで場の読めない無学の独善ガールであって、それがかえって殺伐とした世間の荒波に揉まれて喘いでいる常識的な大人たちにとっての清涼癒やし的存在として可愛がられているのかもしれない。
本人はそれなりに歳もとって、そろそろアラサー世代に踏み込もうとしているが、至って気楽にワガママを通しながら浮遊しているようなところもある。

吉田家にとってのチョットした日常のゆらぎを感じつつ、万善寺一人暮らしのオヤジ坊主は、粛々と眼前の事実に向き合って毎日の現実を乗り切っている。
連続して依頼された代行葬儀の入棺出棺から荼毘までお付き合いして万善寺へ帰着したら、たしか、午後から松江の美術館へ「搬入展示のはずなのに・・・?」ユキちゃんの愛車がまだ境内に残っていた。
庫裏玄関へ入ると、まだせっせと杉材の彫刻を制作している顔に悲壮感が漂っている。
今回も、結局制作スケジュールの調整ミスで自滅寸前状態だ。
それでも、まぁそれなりに仕事もソコソコ丁寧だし、本人の完成予想からは大きくソレたかもしれないが、立体のムーブマンにそこはかとない色気もあるし、彫刻の通過点としては評価に値する。作家歴も浅くて、将来への展望が見えないまま悶々と彫刻へしがみついている状態と言って良いかもしれない。
今のユキちゃんは、耳掻きひとすくいでもノッチのエキスを注入してやれたら、きっと随分楽になるだろうに・・・
まだ飯抜きだと云うから、遅すぎるオヤジのナンチャッテ昼食をふるまった。

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2017-08