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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

生業と家業 

2017/09/11
Mon. 23:39

現代彫刻小品展の業者搬入がはじまった。
昨年から会場が奥出雲町へ変わった。
この展覧会は、2010年から始まったので今年で8年目になるが、1年で2回から3回巡回することもあるので、回数はすでに10回を越えている。
よくここまで続いていると他人ごとのように思ってしまうが、だいたいがナマケモノの部類に属している自覚もあって、ノンビリ彫刻やクラフトばかりしていると、そのうちそれも面倒になって制作から遠ざかってしまいそうな気がするものだから、常に自分を適度に追い込んで忙しそうにしておかないとダメになりそうだとビビッてスタートしたようなところがある。

絵を描くこともキライではないが、どちらかというと工作のようにモノをつくることの方がスキだったから、結局そういう方面の勉強をはじめて、そうなると物好きの趣味程度では済まされなくなって、しだいに造形の世界へ本気に踏み込むようになった。
もう昔から坊主になることが決められていたから、別に好きで坊主になるわけでもないし、そういう気持ちで死ぬまで好きでもない仕事を続けることも嫌なことだから、自然と制作表現の方へ力が入るようになって、ソコソコ自信もついて納得できるところまでいくと、それなりの欲も芽生えるし、同業諸氏との付き合いも楽しいし、制作中の苦しさが快感に変わったりしはじめると、もうあとに引けなくなってそれが生業になった。
坊主は家業のようなものだから、それはそれで吉田家の継承的重要度も承知している。
いつの頃からか、生業と家業が少しずつ適度に混ざりあって、造形のコンセプトを形成するようになっていた。

現代彫刻小品展も、一年中ソレばかり思い詰めてアクセク働いているわけでもないが、いつの間にか少しずつ規模が大きくなって好意的意見を聞くようになったりすると、そろそろ自分の手に余るふうに感じるようになって来た。
今年は、春先から坊主家業の方と吉田家の私事の慶弔事が絶え間なく続いて、彫刻絡みの幾つかが著しく調整不能になって息切れし始めた。
このままだと、いずれどこかで何かにつまづいておおごとになりそうな気もしてきたから、まずは自分個人の事情をやりくりして精査整理することにした。
そういうめぐり合わせでもあるのだろうし、過去の自分を振り返る良い機会でもあった。

いまのところ、造形の枯渇を感じたことはないが、肉体の衰えによる制作上の不具合が先行して、造形の変更を迫られることは増えた。当初、この造形の変更がかなりのストレスになって制作の苦痛に耐えられないこともあったが、その時期を踏ん張ると、意外な発見があったりしてソレはソレで面白いと思えるようになった。そうなると、本当に難なく次の展開が具体的に見えるようになって、最近では昔々の自分のようにチョコチョコとメモをとっていたりするようになって、それはとにかくとても久しぶりのことだ。
これから先、あとどれだけ制作できるかわからない。メモは増えるかもしれないが実材の彫刻の方はそろそろ指折り数えられるくらい予測できるようになってきた。
彫刻も仕切り直しで再スタートを考えても良い頃なのかもしれない。

2017チラシA3奥出雲 (1)
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