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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

ヒョロリくんの彫刻ー「かたち2」 

2017/09/23
Sat. 21:00

最近の島根県は・・・というより、石見銀山とか飯南高原とか奥出雲とか、私がウロウロと行動しているあたりは、雲の多い日が続いている。
今朝も、うろこ雲の向こうに朝日が出ていた。
うろこ雲が広がると近いうちに雨になると云う。少年時代の自由研究で夏休みの1ヶ月間ほど雲の観測をした時も、かなりの確率で次の日が雨になった。
万善寺の営繕でお世話になっていた近所のおじさんは、若い頃山に入って林業に従事していて、山の天気のことをとても良く知っていた。そのおじさんが、ある時うろこ雲と雨の関係を話してくれたことがあって、それを聞いた時は「ほんとうかなぁ〜〜?」と、どうも眉唾っぽくて子供ながらにすぐには信じがたかったから、それで逆に忘れないでよく覚えていた・・・そんなことを思い出しながら結界君を運転して早朝の万善寺へ着いた。

土蔵の前のユキちゃんの彫刻は、昨日とほとんど変化していなかった。
少し心配になったが、時には作業の手が止まることもたまにはあるし、ひとまずは見て見ぬふりですませておくことにした。
ユキちゃんが卒業した島根大学の教育学部には彫刻の研究室があって、木彫が専門の藤田英樹氏が学生の指導にあたっている。
彼は国展の審査もしているから、彫刻に興味を持って制作を続ける学生は卒業すると国展へ彫刻を出品して若いうちから受賞したりしている。田舎から大きな彫刻を公募団体展の本展へ出品するとなると、搬入搬出など、様々に経費がかかって出費も増える。よほどの財力とヤル気がないと毎年制作を継続して展覧会へ出品を続けることができない。まぁ、かなりの覚悟が必要だ。あらかじめ藤田さんのようなルートが出来上がっていると、そういう制作に付随する幾つかの実務や経費が削減できるから、若い作家には都合がいい。

ユキちゃんと仲の良いヒョロリテツヤは島大附属中学校で美術の先生をしているらしい。
彼も藤田さんを慕って国展へ彫刻を出品しているようだ。こういう若い彫刻家が元気の良い彫刻を制作してくれると展覧会も華やいで賑わいが増す。
現代彫刻小品展も大作を制作するための手がかりとして有効に利用してもらえたら良い。
今のヒョロリテツヤは、ねじれるかたちに興味があるようなことを云っていた。
制作の目標がなにも無くて定まらないままでは彫刻としてかたちにすることが出来ない。
まずは何かの手がかりを用意しなければいけないわけだが、彼のように気になる形とか現象を追いかけるところから彫刻に結びついていくのもいい。
研究室が木彫だから、卒業の若い作家はみんな木彫の制作になっているが、もう少し緩やかに広い目で彫刻を見ることが出来るようになれば、素材の枠を超えていろいろ自由な彫刻がつくられるようになるはずだ。自分の好きな形とか目指すテーマとか形態が、もっとも素直に表現できる素材に出会うことが出来たら制作の楽しみも膨らんでくると思うし、あまり若いうちから変に強いコダワリを持たないでおいたほうが良いと思っている。
私など、初期の彫刻は自分の身の回りにあるいろんな材料を手当たり次第使いまわしていた。そうすることで、そのうち素材の好き嫌いや向き不向きが解ってきて、少しずつ自分の彫刻と素材の関係が親密になってきて、今は鉄が大好きだから鉄の彫刻ばかりつくるようになった。まぁ、それも、ナントカの一つ覚えで発展性のないことだけどね・・・

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