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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

造形とは・・ 

2017/11/20
Mon. 19:26

飯南高原では初雪が舞った。
ほぼおなじ頃、文化祭のあった富山町ではアラレが降ったということだ。
この2〜3日、島根県は冬型の気圧配置に包まれている。

日曜日で、今年の彫刻絡みの行事が全て終わった。
これから年末までに少しずつ会場の復元をしたり事務を整理したりして過ごすことになる。
自分の周辺で自分と同じふうに暇しているモノもいないし、その上、年末に向けて世間が微妙に慌ただしく感じるようになってきて、そういう状況で図々しく彫刻絡みの用事を振りまくる勇気などチキンオヤジにあるわけもなく、全ては時間が解決してくれることだからと、一人コツコツ眼前の用事を片付けていると、どうしても、自分のことが後回しになって、吉田家の暮らしが停滞してしまったり、万善寺の年末の整理が適当になってしまったり、身内にばかり迷惑をかけている。

チョット急ぎだがホンの10分程度の用事ができて、松江まで出かけた。
ソレだけのことで脇目も振らずに片道80kmを走り続けるのもむなしいし、せっかくだから美術館で開催中の島根県展を観てきた。
彫刻部門のコーナーには趣味の延長のような曖昧な彫刻が約15点くらい並んでいた。私の濁った目ととろけた脳味噌を駆使して鑑賞させてもらったが、それなりに納得できる彫刻になっていたモノはせいぜい2〜3点だけだった。立派な分厚いリーフレットにはそうそうたる後援機関がずらりと3列くらい並んでいた。まぁ、殆ど名義貸し程度のものだろうが、依頼を取り付けるほどの組織力があるということでもあって、民間のヨレヨレオヤジが地道に乗り切っている彫刻の企画に付き合っていただいている全国の彫刻家有志諸氏に申し訳ないことだといたたまれなくなって、そそくさと美術館を後にした。
今年のとみ山彫刻フィールドアートワークには、1点ずつ数えると100点以上の美術作品が集まった。絵画や陶芸やインスタレーションの個展に若い木彫作家のグループ展もあって、総合美術展といっていいほどの充実した展示になった。

岡山から陶芸の新作を持ってきてくれた芝さんは、3年ほど前から「島根で個展しませんか?」とか「作品送ってくれるだけでいいから・・」とか「旅費くらいだったらなんとかしますよ!」とか、逢うたびに手を変え品を変え耳元でささやき続けてやっと陥落させた作陶家だ。
彫刻の持つ外に向かって吹き出すような造形エネルギーを内在する立体とは違って、かたちの内部に観るものの感心を吸い込むようなブレのない造形感を持った立体の数々は、芝さんのデリケートでナイーブな感性がタップリと内包されて、思わず抱きしめて頬ずりしたくなってしまう。
念願が叶って「芝眞路の造形」展を開催できただけでもありがたいことだったが、芝さん自ら搬入、作品展示、搬出、会場復元と、全ての個展スケジュールを自力で乗り切ってくれたあたりに、プロの作陶家の意地と底力を感じた。完成の作陶造形が全てではない、人生観や心情などを包括して彼の造形感に触れたことは収穫であった。

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