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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

本池文乃インスタレーション 

2017/12/05
Tue. 21:08

石見銀山の町並みに雪が舞っていた。
今年は11月に既にチラリとぱらついていたから初雪とは云えないが、これだけ冷え込んだ朝は今までになかったから、本格的な冬に入ったと認識していいだろう。
ワイフの勤務先と万善寺の方向が一緒だったから、珍しく二人一緒に自宅を出発した。
ワイフは途中から三瓶山へ上っていく。
私はいつものように三瓶山を迂回して銀山街道を飯南高原へ向かう。
海抜は450mくらいだと思うから、石見銀山よりは確実に雪が多いはずだと覚悟していたが、路面が白くなるほどでもなく4WDも使う必要も無くて助かった。それでも、寺の境内には屋根からの雪吊りが溜まっている。

12月の3日は富山でクリスマスイベントを兼ねた「富山カフェ」があった。
私は大牟田へ彫刻の搬送があったから、当日のワークショップはノリちゃんにお願いしておいた。その様子を写真などに撮ってこまめにメール送信で報告してくれた。ムサ苦しいオヤジが愛想もないワークショップをするのと比べ物にならないほど大盛況だったようだ。写真の様子を見ていて、いっそのこと、教室展示を12月まで引っ張っても良かったかなと気付いた。とみ山彫刻フィールドアートワークも3年目を向かえて、少しずつ地域に定着しつつあるように思うが、やはり大事な情報が抜け落ちていることも多くて、ネットワークの甘さを感じる。

その教室展示も年々内容が充実して、少しずつ美術芸術のレベルが上がっているふうに思う。個展をお願いする時も、富山のような地域立地条件が活かせるように工夫するなら、単発で毎年作家が入れ替わるより、地元密着型の展覧会を組み立てて、作家の定着や個展の継続があったほうが良いようにも思う。
第一線で活躍する造形のプロが提案する堅牢な個展も良いが、作品の方向性を模索しつつ研究と検証を繰り返す若い作家の継続的な個展があっていい。

昨年から2回連続個展になる本池さんのインスタレーションも、そういう意味で造形の方向性を探る実験的展示になっているようだ。一つの教室を一人の作家が継続して使用できる環境の利点が活かせる提案を提供することも大事なことだと思っている。
インスタレーションは、一年1回、二年でたった2回だけの発表で、その真価を左右できるものでもない。たくさんのドローイングと、シミュレーションを繰り返し、それを実在に置き換え、具体的な実践を繰り返すことで、少しずつ表現の方向性が見えてきて空間構成がかたちになっていくところに造形の広がりや深みが出て作品の完成度が高まる。
彼女はまだ自分のセンスを自分の自由に操作表現できないでいるジレンマを持っているふうに感じる。素材の選択肢とか構成表現の工夫とか、そのあたりのボキャブラリーが熟れるまでには、まだもう少し時間が必要な気がする。今のところ彼女のベースに平面への指向性を強く感じる。空間構成はある意味で立体的造形要素を機能させることも大事なことであるし、構造上の工法や展示上の安全性とか、絵画的要素の枠を越えたところで無視できない制作上のさまざまな問題を一つずつクリアーしながら作品のレベルアップを目指して欲しい。次の展開が楽しみな作家の一人だ。

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