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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

カレン・ソウサを聴きながら 

2017/12/14
Thu. 18:26

飯南高原は、冬シーズン一番の冷え込みになっている。
朝は0℃以下でお昼も3℃くらいまでしか気温が上がらなくて、夕方からまた一気に冷え込んできた。
さすがに、寒くて動く気になれない。
それでも探しもので本堂や町道に止めてある結界くんやアチコチうろついたりしていると、そのたびに寒雀の群れがバタバタと飛び立って、それはそれで賑やかだったりする。
保賀の谷は一面雪に覆われて真っ白だから、スズメ達も食べるものがなくて腹をすかせているのだろう、器の古々米が半日で無くなっている。

万善寺で一番大きなテーブルは台所の食卓だから、少し前にデスクワークの一式をそちらへ移動して、今は台所が寺務所代わりになっている。
本堂も庫裏も台所も、寺のすべての建物が少しずつアッチやコッチへ傾いていて、建具がまともに締まることがない。
台所も四方に隙間があって、いたるところから外気が入り込んでいる。

今は、年末から年始にかけての寺の用事を優先しているが、年が明けて少し落ち着いたら春のグループ展に向けて彫刻を一つ造る。これは銀座のギャラリーで室内展示になるから、野外彫刻のかたちをそのまま縮小したような安直なノリで造る訳にはいかない。
小品彫刻には、野外彫刻とは違った密度が大事になる。
食卓をいっぱいに使って御札用の和紙をカットしたり、墨汁と墨を硯でブレンドしたりしながら、脳味噌は彫刻のことで動いている。時々ひらめいたかたちをメモして、また寺務に戻る。これからしばらくそういうことを続けていくうちに、少しずつかたちの方向性が固まって、そのベースのかたちに「アレもしたいコレもしたい・・」とやりたいことが加わって張り付いて、それはそれで人目を引く面白いものになりそうな気もして、しばらくはイメージを組み合わせて頭の中で彫刻にしてみたりする。こういう、ひたすら物思いにふけるひと時が楽しかったりする。コーヒーを飲んだり、お供えの御下りをつまんだりしているあいだに、彫刻のイメージが崩れて消えてしまうこともよくある。それはそれでその程度のものだから、消えて忘れるくらいの方がいい。
実材制作のギリギリまでそういうことを繰り返している間に、結局アレやコレや無駄に張り付いたものが一掃されて、シンプルなベースのかたちが残る。そのかたちの緊張感を再確認して迷いがなくなったところで制作がスタートする。
この小品の彫刻は、長い目で見ると野外彫刻のマケットであったり習作であったりする、そういう位置づけにあるのかもしれないが、自分では独立した造形スタイルを別に用意しているつもりだったりして、いずれそれが次の野外彫刻のベースになればいいと思っている。

台所の音響へ手を加える余裕が無いから、バックミュージックもいまいち集中力の助けにならなくて、自分の耳鳴りの方がうるさい。ウエブラジオなどいろいろ探して、ひとまず、カレン・ソウサに落ち着いた。なんとなく音程がふらついて揺れている具合が、かえって心地よかったりする。それでも、アルバムごとにこなれてきて、いい感じだ。

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