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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

クロ脱走する 

2018/02/15
Thu. 23:15

4つ目の寒波が島根県上空から徐々に遠ざかって、石見銀山へ薄っすらと積もった雪も春一番で一気に消えた。裏庭には、早々と水仙がアチコチで芽を出している。

ワイフが8時前には仕事にでかけるというので、それにあわせて通勤坊主の準備をして土間へ下りると、玄関横の雨戸が10cmほど開いていて外の光が眩しい。
「アレッ??どうして雨戸が開いてるんだろぉ〜??」
一瞬その状況がよく理解できないでいたが、「そぉ〜いえば、今朝はクロを見ない!?」ことに気付いた。
「マッチャン(ワイフのこと)クロ見た?」と、慌ただしく朝の用事をしているワイフへ聞いてみると知らないという。
それから狭い吉田家中探し回ったが、やはりクロがいない。
土間へアイツのためだけに脱走防止柵の格子戸設置で投資までしたのに、それから半年と経たない間に用を成さなくなってしまった。アイツの執念はすごい。
「アタシ、今日は早く出ないといけないから、あなたクロのこと頼むわよ!」
「えぇ〜、だって通勤坊主がぁ〜・・・」
「そんなこと云ったって、じゃぁ、クロどうするのよ?アタシ、帰りは夕方よ!」
「・・・」
結局、脱走したクロのおかげで通勤坊主を断念することになった。

それから、結界君へ積み込んであった寺の荷物を降ろして、裏口や勝手口などをクロの帰りに備えて、ストーブを焚いた。時々石見銀山の町並みや裏庭に向かって「くろぉ〜!」と呼んでみたが返事はなかった。そういうことを繰り返して何度目かに裏口を覗いたらクロが反省の様子など微塵もないポーカーフェイスでヒョッコリと現れた。「コノヤロウ!」とクロのために一日の予定が狂ったことにムッときたが、それをぐっと抑えて無視していると、自分から土間に入り込んできた。ドアを締めている間に足元をすり抜けてご飯のところへすっ飛んでいってガツガツ食べて水を飲んだ。それから、ストーブの前の一番暖かいところを陣取って丸くなって一件落着。

クロは、やっと目があいて、ヨチヨチ歩きがはじまって、まだ乳離もしない頃に、じゅん君が石見銀山の間歩に登る町外れで拾ってきた。老犬のシェパくんが大往生した年の春のことだった。近くに親らしい猫もいなかったし、野生動物も多いし、たぶんそのまま放置していたら生きながらえること無く死んでいただろう。自力でウンコもシッコも出来ないから、ワイフと二人で親代わりになってお尻やオチンチンを刺激して排泄の世話をするところから育て始めたのだが、どうもオシッコの出が悪くて様子が思わしくないから病院へ連れて行ったら、尿道が細くて膀胱に溜まった尿がうまく排泄できないでいることがわかった。手術というほどでもないが、飼い主の承諾をとって管を膀胱まで通したりしてそれなりに手間ひまかけて生還した過去がある。彼にとっては泌尿器系の不具合が持病のようなもので昨年末からそれが悪化して慢性になってあまり思わしくない。
体調不良で少々辛いこともあるだろうが、人間の心配を無視して我儘放題比較的自由に生きている。それも彼の寿命だと思うようにしている。

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