FC2ブログ

工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

針仕事 

2018/02/22
Thu. 23:36

まだ氷点下の万善寺で雪と凍結に悩まされながら冬のサバイバルを乗り切っている頃、石見銀山の近所に暮らす友人が、「珍しい酒もらったから・・・結構美味しいらしいよ!」と、初搾りの大吟醸を持ってきてくれた。
代わりにワイフが受け取ってくれたので、前後の経緯はよくわからないものの、めったに飲めない高級品なのでそれからしばらく大事にボトルを眺めていたのだが、少し気温も緩んで春めいた今頃になってどうも我慢ができなくなってきたものだから、日頃の通勤坊主のご褒美と自分で勝手に決めて晩酌の時に封を切った。
昔は3日で一升空けるほどのペースだった日本酒とか焼酎が、最近はどこかしら高級品に感じるようになって、飲む機会も随分減ってきた。たまにしか飲まない・・というより飲めないから、美味いのか不味いのか味の善し悪しもわからないほど鈍くなっていたのに、久しぶりに飲んでみるとやはり美味い!調子に乗ってチビチビやっていたら、いつもより酒のまわりがよくて程よく酔っ払ってしまった。
いつもネコチャンズが占領してゴロゴロしているソファーベッドへゴロリと横になってくつろいでいたら、隣町の同宗のご住職から電話が入った。夜の電話はあまり良いことで掛かってこないから、それで一気に正気になった。
「○○寺の先代住職の内室さんが亡くなられたのご存知ですか?」と、問い合わせだったが、自分は「まるで知らない!」と云うと、「新聞に載っていたんですけど、気付かれませんでしたか?」とまた問いかけられた。
「すみません・・・もう何年も新聞読まないものですから?」
「あぁ〜、そぉ〜ですかぁ〜・・・、多分、あの町にある同宗は○○寺だけですから間違いないと思うんですけど・・・奥さんも新聞読まれないんですか?」
・・・ムウウゥ〜そうきたか・・・という感じ。ワイフは新聞読んでるけど、お寺の付き合いは全く知らないから、私に変わってマメに訃報欄のチェックをすることもない。とにかく、葬儀日程はどうなのか聞き返したら、「あぁ〜、今夜が通夜になってますねぇ〜〜、もうはじまってますねぇ〜〜・・、ドォ〜しましょう??・・・」
電話しながら二人でしばし悩んだ。結局、葬儀に参列することを約束して、香典の額も相談して、待ち合わせなどの打ち合わせをして電話を切った。それから、大吟醸の酔もスッカリ冷めて、いろいろなことが気になって熟睡できないまま朝になった。

いつもより1時間ほど早く石見銀山を出発した。寺へ到着すると、香典の表書きをして黒衣など葬儀衣装一式を用意して、すこし余裕を持って出かけた。
お昼前に出棺前の差定がすべて修了して、随喜の方丈さんは解散になった。
昨年も春にかけて寺院絡みの葬儀が多発した。今年もそうなれなければよいのだが・・・
寺へ帰って法衣を片付けていたら、ビリッ!と袖の縫い目がほころびておもいっきり大きく破れた。何年も着続けて黒い糸が日焼けして茶色くなっている。貧乏寺で、替えの黒衣も無いから、すぐに修繕しておかないと次の使用に困る。簡単に昼食を済ませて、それからチクチクと針仕事をすることになった。こういう時にメガネの度が合わないと何も出来ない。乱視も進んでいて、針の先が何本にも見えるし、そもそも糸が針に通らない。常設のハズキルーペが随分役に立ったものの、結局針仕事終了まで1時間半を要した。
手先は器用な方だと思うが、針仕事は向かない。彫刻制作のほうがずっと楽で楽しい・・

IMG_2745.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

2018-02