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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

島大卒業制作展 

2018/03/03
Sat. 21:19

一週間がアッという間に過ぎてしまう。
1〜2月はどうしようもないほど光熱水費が無駄になったから口座引き落としの支払いがうまくいったか気になってしょうがないので、昨日は昼過ぎから金融機関を一巡した。
松江と広島を結ぶ国道54号線に点在する小さな町の金融機関は、今では郵便局だけ残った。地方銀行は何年も前から早々と撤退してATMの数も少ないし、JA銀行は行政区域の統廃合前から農協独自の裁量で店舗数を縮小した。
先代住職は農協の口座をメインに利用していて、お檀家さんもほとんどが農業従事者だからそれが今でも便利に引き継がれている。住職を引き継いだ方の私は全く農協と縁がないから何のメリットもなくて不便極まりない。なんとかして早く農協と縁を切りたいと思っているのだが、飯南高原一帯が農村地帯だし隣近所の付き合いもあって、自治会の集金とか会計とかが絡んで簡単に抜け出せそうにない。
決して田舎暮らしを否定するわけでもないし、むしろ慌ただしく落ち着かない市街地の暮らしを思うと、少々の不便も気にならないほどマイペースにのんびりとできて、そういうゆったりとした田舎なりの時の流れが気に入っている。それでも、現代社会の日常は田舎も街場も変わりなく同じシステムが導入されてコトが進んでいくから、金融機関の利便性ひとつとっても不便極まりない。私など今のうちは老体を鞭打ってダマシダマシ動いているが、そのうち近い将来それも難しくなるだろうし、田舎で暮らす高齢者にとっては生活の基盤が崩壊する事態がすぐ近くまで迫っている。
金融機関のことで大げさに思うかもしれないが、今の自分にとってはとても重要なことだと感じている。

国道に沿って幾つかの用事を片付けながら北上して松江の県立美術館へ向かった。
ちょうど島大の卒業制作展の会期中で、石見銀山の近所の大田市出身のK君が木彫の作品を展示していて、それがお目当てだった。
近年の少子化も影響しているのだろうが、今年の卒業生は6人だった。そのうち彫刻の専攻が2人で、もう一人は粘土の焼締めというかテラコッタというか、比較的工芸よりの作品だった。
K君の木彫は、制作の方向性がシンプルにダイレクトに伝わって好感が持てた。
若いうちは、色々考えるし悩むし迷うし、なかなか自分の思いが素直に形になってくれないところもある。彼の場合は、自分が今何をしたいのか、今の自分に何が出来るのか、そのあたりの気持ちのブレが少ない説得力のある彫刻に仕上がっていた。
造形の厳しさとか緊張感とか構成力とか、そういうものはこれから少しずつ場数を踏んで確かめていけば良いことで、誰でも最初からなんでもわかって出来上がるものでもない。願わくば、卒業制作を彫刻の着地点に思わないで、今後のさらなる展開をにらんだ出発点と意識してもらいたい。
一般社会での制作環境は、素材とか技法とか道具や機材など、学生が研究室で制作しているレベルとは全く違ってくる。彫刻制作は一人で一部屋にこもって何とかなるものでもない。周囲の様々な協力や理解がないと出来るものではない。彼の就職先は、私の鉄工場からそれほど遠くないし、島根県中央部の工業地帯にも近い。彼は、どちらかといえば人懐っこいところもあるし、うまくいけば良い彫刻の芽が育つかもしれない。

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