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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

梅まつりの夜 

2018/03/05
Mon. 23:47

石見銀山の銀山公園では毎年恒例の「梅まつり」があった。
婦人会のメンバーでもあるワイフは、三色団子を造る手伝いで朝から出かけたようだ。
この時期の私は相変わらず週末から坊主優先の万善寺暮らしで、もう何年も梅まつりと縁が切れたままになっている。

夕方になって珍しくワイフの方から電話が入った。
「お寺はどぉ〜ですかぁ〜?私は少し前に帰りましたぁ〜・・これから買い物に出かけるからねぇ〜〜・・あなたお帰りは何時くらいですかぁ〜」と、それなりに機嫌が良い。
一日婦人会の立ち仕事で疲れたのではないかと心配したが、それ程でもないようだ。
その電話があって急に吉田家が恋しくなって、急いで帰り支度を始めた。

万善寺は一日中春になったようないい天気で、吹く風も棘がなくなって柔らかい。
生まれも育ちも山奥の田舎者だからなのか、この歳になって花粉症の発症もないから、こういう春の風は実に心地よくて気持ちが晴れる。
昨年の終わりから数カ月ぶりに、お寺のそこら中の窓やドアを開放して外の空気を入れて、ついでだからといつもより念入りに掃除機をかけた。
家の中を風が通り抜けて、冬の間部屋中に充満していたオヤジの加齢臭が一気に吹き飛んでいった。

まだ明るさが残っているうちに万善寺を出発した。
雪解けの水が街道沿いの川へ一気に流れ込んで、かなり増水している。
島根県の今年の水田は水不足で悩むこともまず無いだろう。
牧場の近くを通る銀山街道へ曲がったら、沈む夕日で逆光の石見の山並みがいつになくくっきりと目に入った。だいたいが、朝夕の霧深いところでそれにこの時期は春霞みも続いて滅多にクッキリとした山景を見ることがない。

吉田家前の駐車場にはすでにワイフの車が停まっていた。
土間へ入ると、珍しくクロが鳴きながら出迎えてくれた。
夕食は、見事に炭水化物が並んだ食卓の端には三色団子。
炭水化物と甘いもの大好きなワイフが、最近少し本気になって食生活を改善しつつある。たまにはそういうストレスから開放されたいと思ったのかもしれない。それに便乗したボクもたらふく食べた。

夜も更けて日が変わる頃、雨が屋根を叩き始めた。それから青白い閃光が吉田家の天窓を通してリビングを照らした。この時期には珍しいほどの豪雨になって、周囲が一気に賑やかになった。それでも、布団の上で丸くなっているクロはピクリともしないでスヤスヤ寝ている。雨と風と雷とクロの重さで完全に目が覚めてイジイジしていると、ワイフも起きてきてトイレへ入った。シロも目覚めたようで更新した首輪の鈴がチリンと鳴った。
「万善寺はどうだろうか?・・・」
境内の溶け残った雪が雨水の排水を邪魔して大事になっている気がする・・・

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2018-03