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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

自分の時間 

2018/04/16
Mon. 23:51

少し前、4月に入ってすぐの頃、保賀の自治会から訃報が入った。
一人暮らしだったその人は、数年前から闘病の生活だったが今年に入って病状が一気に悪化して、2月の半ばに再入院してから退院できないまま永眠された。後を引き継ぐ親族も無く、このまま家が絶えてしまうことになった。私が万善寺住職を引き継いでからこの数年の間に保賀の自治会から6軒が空き家になった。過疎地の地域事情は何処もだいたい似たようなものだと思う。万善寺もひとごとでない現実が目前に迫っていて、私もそろそろ次のことを具体的に考える時期が来ていると感じる。

体調が完全でないまま納骨法要前の墓掃除をすませた。
島根県はこのところ愚図ついた天気が続いていて、お墓までの足元の悪くなった急勾配の参道往復が膝にこたえる。箒や熊手を杖代わりにしたりしながら慎重に注意しながら登り降りしていたのだが、参道に露出した桧の根っこに足を取られて右足を痛めてしまったのが前日のこと・・・
朝から納骨が控えていて法要を休むわけにもいかないので、そのまま痛い足をダマシダマシお経を読んで、墓参をした。
お昼過ぎには全て修了して、それから本堂を片付けたりしたのだが、そうする間に右足の足首から先が腫れて来始めていよいよ痛くなって歩きにくくなってきた。午後からは出雲に用事があったので、痛い足を我慢しながらアクセルとブレーキを踏み続けて、夕方石見銀山へ帰った時は、まともに歩けないほどになっていた。あまり渋い顔ばかりしているとワイフが心配するので、彼女の前では何気なく普通を装ってすませた。

4月に入ってから良いことがひとつもなくて滅入っていたところへ、フロリダのノッチが久しぶりに元気そうな写真を送ってくれた。
職場の友人とワシントンDCへ行ったらしい。
アメリカドラマや映画でよく見る風景で、あちらの方はちょうど桜が満開の時期のようだ。ワシントンDCは日本でいうと東北あたりだったと思うから、今くらいが桜の見頃なのかもしれない。
ノッチは、今年の秋に帰国するはずだ。
「もう国外はコレが最後だよ!」と、そう宣言していたことを思い出した。
私は、物心ついた頃から万善寺の小坊主で節目節目の法要行事には住職の侍者をしていたから、学生で島根を離れて暮らしていた時も、盆正月は欠かさず帰省して寺の勤めを続けていた。まわりのみんなのように、民族の大移動のごとく長期休業や祝祭日を旅行や行楽で過ごすようなことも皆無だった。こういうことは、坊主という職業に限ったことでもないと思うが、とにかく、我が子にだけは人並みに堂々と自分の意志で自分の自由に自分の時間を使ってもらいたいと思い続けていたことだけは確かだ。
今は、両親も死んで万善寺の一人暮らしや通勤坊主で、だいたい自分の思うように乗り切っているから副住職ほどの気楽さが無い代わりに、それ程きついストレスを感じることもなくなった。これから先、寺の運営は厳しくなる一方だと思うが、自分の代をなんとか乗り切ることができればそれで御の字だ。
この度の納骨で、また1軒お檀家さんの付き合いが一気に遠のいていった。

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