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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

水田が戻ってきた 

2018/05/01
Tue. 23:38

前半の連休は、静かにはじまって過ぎた。
石見銀山も、朝夕はいつもと変わりなく静かで落ち着いている。
世界遺産前後は、銀座の歩行者天国のような賑わいで気軽に吉田家の玄関を開けることも難しくて、観光客を相手に住民は小さく萎縮して暮らしていた。もう、10年前の頃のことだ。

5月にもなったし、連休中の貴重な平日でもあるので、金融機関や業者さんを一廻りしておこうと、8時前には吉田家を出発した。街道沿いには稲の苗床を積んだ軽トラックがせわしなく行き来して、水を張った田んぼではあちこちで農耕車がしろかきをしている。
寄り道をしてゆっくりしていたら万善寺到着が昼前になった。このまま庫裏へ入ったらコーヒータイムだとかお昼ごはんだとか、楽に怠ける方向へ気持ちが偏る気がしたので、玄関先で雪駄から長靴に履き替えて草刈り機のメンテナンスにとりかかった。前回は雨の中を使ったからまともに動いてくれるか心配だったが、2・3回のチョーク調節で難なく動いてくれた。
それから、慣らし運転がてら残りの混合油を使い切るまで境内に伸びた雑草を刈った。
この1年の間に寺のぐるりを取り巻いて剪定もしないまま伸び切ってしまった庭木を少しずつ刈り込んでいるが、なかなか思うようにはかどらない。
まだ小さかった頃は忍者のように昇り降りしていた石垣も今は境内の草木からこぼれた己生えがはびこってしつこく根を広げてしまっている。参道の東側は昨年1年かけておおよそ整理できた。今年は西側をなんとかしたいと思っている。これから北側の斜面も早めに整備しないといけないし、まだまだ何年もこういうことが続きそうだ。

気がつくともう夕方近くなっていて、昼食が抜きになっていたことを思い出した。
いまさらお昼ごはんをつくって食べるというのもどうかと思うし、切り分けたまま冷凍庫で眠っているお餅を3っつばかり取り出してオーブントースターへ入れた。そもそも、お餅はあまり好んで食べる方でもないので、どうも焼き具合が上手くいかなくて、そういうこともあってよけいに美味しいと思うこともなくて、いつまでたっても消費できないままに残ってしまっている。餅の使い方が上手だった母親のことをこういう時に思い出す。餅が大好きだった前住職が元気だった頃は、1年中餅つき機が動いていた。その餅つき機も今後使うことは2度とないと思うから処分を考えないといけない。
世代が変わると、暮らしも変わるし、必要なものや重宝なものも代わってくる。寺での一人暮らしが増えてきた最近は、自分の周囲にあるすべての物が不必要で要らない物に思えてしょうがない。必要最小限のものだけを残して、あとは思い切った断捨離が出来ないとあとに残された者が苦労することになる。シンプルに暮らすということはとても難しくて苦労することだ。

今年は万善寺の境内下の田んぼに水が張られた。昨年は大豆畑になっていたので、2年ぶりの水田になる。長年見慣れた風景が戻ってきたようで気持ちが晴れる。今は農業も機械化が進んで田園の風景もどことなく殺伐としてきたが、それでも元々水田であったところに戻ってきた水へこの時期だけ逆さに写った保賀の谷のやまなみは綺麗で見飽きない。

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