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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

ある日の通勤坊主 

2018/05/10
Thu. 23:24

雨で延びていた絶縁離檀の納骨がやっとできた。

お墓脇の山桜は葉を広げ、その後に咲き始めた梨の花も散って、今は朴の木の若葉が少しずつ大きくなりはじめている。
前日には万善寺墓地までの参道も草刈りをしておいたし、土と若葉の混ざりあった春の香りがほのかに漂って清々しい。

もともと山育ちだから、小さい頃はよく寺の裏山に入り込んで一日中飽きもしないで山遊びをしていた。
5月の今頃は木苺があって、それを見つけると棘に注意しながら摘み取った苺を食べながら頭陀袋へ忍ばせておいたアルミの弁当箱を取り出して詰め込みながら山歩きをした。2時間も山に入っていたら弁当箱が2つくらいはすぐいっぱいになって、胃袋の方もご飯がいらないほど満腹になった。

午前中に待ち合わせをしておいた石材屋さんが来てから骨壷を持って一緒にお墓まで登った。
急な坂道の参道をだいたい200m位登ると、息が切れる。
納骨を石材屋さんへお願いして、私はその間にお経を読んで回向をする。
お墓での色々なことを30分くらいで終わった。
調子の悪い膝と足首をかばいながら坂を下る。この下り坂が厳しくて杖がないと身体を支えきれない。それに今は、参道の直ぐ側まで笹がはびこってしまって気軽に山へ入り込むことが難しくなった。もう昔のように木苺採りで山へ入ることなどできそうにない。

昼からは初七日の七日つとめへ出かけた。
喪主のお孫さんは広島の会社勤務で、住居も広島へある。
「広島からどのくらいかかりますか?」
「2時間半くらいですかねぇ〜・・だいたい・・」
焼香が終わってから少しほどお話ができた。初七日が過ぎるくらいまでは慶弔休暇をもらったらしい。これから四十九日法要まで、毎週帰省されるのだろうか?・・・今どきの世知辛い時に勤務のシフトも難しいのではないだろうかと余計な心配をしてしまった。もっとも、坊主の自分だって収入につながる仕事など数えるほどしかない状態で細々と毎日の暮らしを維持しているわけだから、どちらかといえば生活が厳しくて大変なのはこちらの方で、他人の暮らしの心配をしている余裕など最初から無いのだけど・・・

夕方まで、長い間放置して伸び放題になっていた庭木の剪定をして、シャワーで汗を流してから通勤坊主の帰り支度をした。
出雲街道から銀山街道へ合流するところで薬膳レストランの桃太郎旗が目に入った。
「しばらくご無沙汰してるし、母の日も近いから、ワイフでも誘ってみようか・・」
右にウインカーを出しながら、ふと思いついた。
「ワタシ、あなたの母親じゃないから!」・・・そう言うだろうワイフの顔が浮かんだ。

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2018-05