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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

坊主彫刻家 

2018/05/28
Mon. 23:56

いまひとつパッとしない天気だ。
石見銀山から銀山街道を万善寺方面へ登っていると、途中から路面が濡れてきはじめた。
約100mくらいの標高差を登っているわけだし、直線距離で約30kmくらい離れたところへ移動しているわけだし、その場所場所で天気が変わるのも仕方がないことだ。

しばらく前に、雨の中無理をして草刈り機を回していたのだが、それでかどうか、エンジンの回転ムラがひどくなって、そのうち動かなくなった。素人だから雨水が原因なのかわからないし、自分で修理も無理だし、機械が動かないと仕事にならないから、すぐにホームセンターへ修理を依頼した。それからもうずいぶん日数が過ぎたのに連絡がこない。修理代が高額ならいっそ新品に更新したほうが早いかもしれないとも思う。これから梅雨に向かって草は伸び放題でこちらの都合を待ってくれるわけでもないし、困ったことだ。

寺へ到着した直後に、いつもの業者さんから電話が入った。
ディスクグラインダの砥石が届いたようだ。先日の炭素鋼の時は材料の到着が思った以上に遅れて大変な思いをしたから、砥石の方はかなり余裕を持って注文しておいたのに、たった2・3日でアッという間に届いてしまった。
もう何年か前のこと、確か北京五輪開催の前年くらいだったと思うが、そのときも材料が揃わなくて彫刻制作を断念するか、スケールを縮小してその時あるだけの材料で中途半端に造ってひとまず間に合わせてしまうか悩んだことがあった。結局、あの時はギリギリまで待って、連日突貫制作を続けて搬入にまにあわせた。
私のような個人営業の鉄工所にもならない極小作業場の人間は商工業関係の組合にも属していないし、そういうこともあって大手の建材組合からは材料取引を拒否されてしまう。まだ彫刻家になりたてで、鉄の彫刻を造りはじめの頃、島根鉄工会に材料の注文をしたら、普通にサクッと取引を断られてしまった。幸い、あの時はお世話になっている鉄工所のご主人に鉄工会と付き合いがあって、その鉄工所経由で材料購入が出来ることになってずいぶん助かった。
それから、年月が経って今は完全孤独な個人営業になっているから、少しでも業者さんとのトラブルが生じると、それで全てが止まって制作できなくなってしまうほどに厳しい環境をかろうじてしのいでいる。こういう状態でいつまで取引が続けられるか先行き不安なことだが、こればかりは相手のあることで仕方がない。
吉田個人にとって、どこかしら不安定にみえる今の材料流通状況は鉄材に限ったことだけなのかもしれないが、きっとどこかで東京五輪が何かしら影響している気がする。五輪のような国家が絡むほどの巨大なプロジェクトで流通する資材は、鉄板1枚2枚のレベルなど完全に無視されて終わりだ。製鉄会社の1ロットすべてがゴッソリ五輪へ流れることも十分に考えられることで、世界の経済はこうして活性してソコソコの安定が維持できているのだろう。

遅々として進まない万善寺の営繕作務を切り上げてシャワーで汗を流したら、工場経由で吉田家へ帰るつもりだ。ワイフが江津と奥出雲で仕入れた海のものと山のものがまだ残っているはずだ。夕食の懐石盛りを楽しみにもうひと踏ん張りしよう!

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2018-05