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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

線香の効能 

2018/06/07
Thu. 23:15

梅雨に入って一日中雨が降って湿っぽくなった。
いつもの通勤坊主で万善寺の庫裏玄関を入ると、家の中がヒンヤリして寒いくらいだ。
前日の雨で湿気が入り込んで部屋中に停滞している。

坊主の知恵というより、ボクの思いつきだが、少し暖かくなってからあとのこういう湿っっぽい時は、長巻の蚊取り線香を点けることにしている。それで、煙の漂う方向を追いかけて、その日の空気の動きをザッとチェックして、一番効率の良い場所へ置く。朝にそれをしておくと、夕方には田の字のガタピシ庫裏の端から本堂の端まで線香の煙が行き渡って、家の中の小虫がはびこることをそれなりに食い止めてくれる。
周囲を耕作放棄地や雑木の茂った里山に囲まれている山寺は、ほったらかしにすると小動物や虫たちの絶好の繁殖場所になってしまう。
蚊取り線香も、長巻一缶50巻を使い切る頃はうっとうしいシーズンがだいたい終わっているから、それほど無駄使いしているふうには思わない。むしろ、そういうことをケチって日常の環境の不具合を見て見ぬふりで1シーズンを過ごしてしまうと、気づかない間に虫たちにアチコチ蝕まれて色々なものが使い物にならなくなっていたりする。それこそ、余計もったいないことで、未然の予防に蚊取り線香の一缶くらいたいしたことでもなんでもないと思っている。

蚊取り線香とは成分も用途も違うが、寺ぐらしで線香は欠かせない。
特別の時は香木のエキスを練り込んだ上等なものを使うが、いつもは杉葉線香を常用している。俗に言う墓参り線香のようなものだから香りを楽しむアロマの効能など期待できないが、それでも、使用が習慣になると、線香の香りが寺の隅々まで染み付いて、時折風の向きが変わって室内の空気がかき混ぜられるときなど、ほのかに漂う香りが気持ちを仏様へ向けてくれる。

朝のうちの肌寒さが嘘のように天気が回復して暑くなった。
草刈り機の修理も終わったし、チェンソーのパーツはまだ未納だがそれでもなんとか母親の呪縛で苦戦している駐車場周辺の整備が一気にはかどりそうだ。
剪定ばさみと枝ばさみに鋸と鎌と熊手を駆使して夕方まで約2時間かけて水路の土手をザッと刈り込んだ。
一息ついてデッサンを確認するように少し離れて全体を見渡すと、半世紀ほど前の子供の頃に見ていた昔懐かしい石垣の様子が再現されていた。それでもあの頃からすると今は、石垣の東の端がサツキの根に掘り起こされて崩れ落ちていた。やはり、手付かずのほったらかし荒れ放題ではダメだ。年間の節目を上手にわきまえて適度なメンテナンスを継続することがだいじなことだ。「守り育てる」とはそういうことだと思う。

「山は人が入らんようになると死ぬけぇ〜ねぇ〜・・・」
憲正さんと同級生だったまぁーちゃんがまだ元気だった頃、法事の斎膳で昔話のついでにそう話していらした。彼は定年退職まで林業に従事していて保賀周辺の山を熟知していらした。寺に小虫や小動物が増えたのも山が人間に放棄されて荒れたからかもしれない。

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