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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

犬と猫 

2018/06/10
Sun. 23:14

ナナちゃんに会ったのは今年に入って確か2回めだったと思う。
本当は3回ほど会っているはずなのだが、1回はいつもの居場所のシャッターがしまっていて、多分中にいたとは思うが姿を確認することができなかった。
ナナちゃんというのはメスの柴犬。
彼女がその家で飼われるようになってからそろそろ4年目が近いはずだ。
犬として良いのか悪いのかわからないが、とても人懐っこくて、私はまだ彼女の鳴き声を聞いたことがない。最初に会った時は今より小さかったから、生まれて数週間くらいの頃だったはずだ。それが3年経って成犬になって少しは大きくなったが、それでもどちらかと云うと一般的な中型犬では小振りのほうだろう。

そのナナちゃんのいるお檀家さんの家で33回忌の年回法要があった。
その法事の本人のおじいさんは、私が小さい頃万善寺で何度か会ったことがある。
正確には覚えていないが、確か大工さんか建具職人さんかどちらかだったはずだ。
どういう経緯かわからないが、元々浄土真宗の門徒さんだったのがそのおじいさんの代に万善寺の檀家さんへ宗派替えされた。
私の周辺だけのことかもしれないが、大工さんとか左官さんとか、そういう自分の腕一本で生活している人たちは信心深い人が多い。自分の周囲の出来事で縁起をとても大事に思っていることが良く伝わってくる。そういうこともあってか、一度ナニかの縁起を信じると、脇目も振らずそれにのめり込んで身施を惜しまない。銭勘定抜きで自分の腕を駆使して最高の仕事をして奉納する。万善寺にも、そういう大工さんの職人仕事で出来た仏具が幾つか残っていて、そのほとんどがいまだに現役で活躍している。
おじいさんの仕事は、庫裏の南側縁側の板雨戸からガラス戸に変えた時のもので、10枚以上のガラス戸を板戸で使っていた戸袋をそのまま使って収納できるように作られている。もう半世紀を過ぎるくらいになる。そのくらい昔の仕事だから今のようにサッシの網戸もなくて、夏になると夜は虫が入るからガラス戸を開けられなかったりして、普通に不便ではある。それでも、その縁側とガラス戸の関係は私の記憶の幾つかで大事な思い出になっていて廃棄更新する気になれない。
法事の施主さんはおじいさんのお孫さんにあたるはずなのだが、斎膳の席でガラス戸のことなど懐かしくお話したのにまったく無反応でむしろ困ったふうな感じにみえた。あとになってよくよく思い直してみると、まだ生まれてもいない50年も前の話しなどいくら聞いてもわからないで当然のことだった。

気がつくと、3時間近く長居をしてしまっていた。慌てて帰り支度をして外に出ると、ナナちゃんが少し首を傾げて私を見ていた。美人というよりキュートでかわいい。どこかしら吉田家のシロちゃんぽい感じだ。
そういえば、元々犬と猫は起原が同じらしいとナニかの本で読んだ。犬は草原へ出たから集団で狩りをするようになって、猫は山に入ったから隠れ場所がいっぱいあって単独行動が都合よかったのだそうだ。それでワガママになって気まぐれな性格になったらしい。
まぁ、結局はボクも中国山地の山間の村に生まれ育った山人間だから猫的性格になってしまったのだろう。どうもいまだに集団で徒党を組むことが出来ない。

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