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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

喜心・老心・大心 

2018/08/10
Fri. 23:50

世間は夏休みとかお盆とか、夏の行楽が本格的になっているから、きっと石見銀山も観光客で賑わっていると思う。
万善寺の一人暮らしがメインになってもう3週間ほどは経っただろうか・・・

棚経が始まって、しばらく暖機運転が続いて、10日も経ってアクセルを踏み込む頃になった。
これからお盆が終わるまでに、琴引山を中心に、北から西を経由して南に向けてU字に広がる農村地帯から三日市を中心にした町家にかけて点在するお檀家さんを廻ることになる。
農村地帯はやはり農家が多くて、時々夏野菜をお供えに頂くことがある。
昔は、行く先々で手提げ袋やダンボール箱いっぱいの野菜を頂いて、自転車の荷台へそれらを積んだりハンドルへぶら下げたりして、棚経を終わって寺へ帰って参道の坂道を登る頃はフラフラになっていた。
ひと夏ではとても食べきれないほどのお供えを頂いて、殆どが漬物になったりしていたこともあったが、今ではそれも全部合わせてビニールの買い物袋ひとつ分ほど集まるかどうかくらいに激減した。
それでも、オヤジの一人暮らしには十分な量で、8月の初旬に頂いた野菜はお供えしてもお盆まで保たないから、とにかくアレコレ工夫して有難く胃袋へ収めることにしている。

お供えの頂き物は、自分の都合に合わせてスーパーで好きなものを揃えるわけではないから、基本は煮しめか野菜スープになる。
煮しめは母親の手料理で散々食べさせられたから、今更自分でつくろうとは思わない。
手っ取り早いのはスープにしてタップリと作り置きすること。
野菜のエキスを出しきって、コンソメベースのスープにしたものをタッパーウェアへ移して冷蔵庫で冷やしておくとサッパリしてなかなか美味しい。
ちなみに、刻んだ各種野菜は土鍋で煮込む。今回はサバの水煮をブッ込んでみた。
土鍋は、熱保ちが良いし、野菜のエキスが土鍋に染み込んでくれるし、何より、1年中使い続けることで、鍋に染み込んだ煮汁がカビにならなくてすむ。

現在の日本に残る日本食の作法は、ザックリいうと曹洞宗開祖道元禅師さまの教典が起源になるところが多い。数多くの修行の重要なポイントの一つとして、食事の心得が重要視された。器の上げ下ろしや、食材に対する心構えなどが「典座教訓」に記されてある。
典座(てんぞ)とは、料理長坊主のことで寺院僧堂の要として高位の役職になっている。
「喜心・老心・大心」を心得て料理に望む重要が説かれてある。

喜心は、食材に対しての感謝と料理を作ることの喜び。
老心は、作る料理への愛情とおもてなしができることの喜び。
大心は、料理を通した作る人と食べる人の気持の通じ合う喜び。

私の場合、自分でつくって自分で食べているわけだから、まぁ、自分の1日の坊主業に対しての慰労でもあると思って、セッセとつくっては食べ、そして、一杯また一杯・・・となるわけで、この一杯の喜びは何にも代えがたいもので、健康のバロメーターでもある。

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