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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

作務の朝 

2018/08/11
Sat. 23:28

万善寺が住職の私一人になってから、それまで寺の家族で分担していた幾つかの作務をすべて一人でまかなうことになった。
どうしても一人では無理なことも幾つかあるので、そういう時はワイフへお願いして助けてもらっている。
子供の頃から、寺のお盆行事がおおごとになって家族の負担が増えることのストレスを身をもって感じていたから、吉田家の子供たちやワイフへはできるだけ普通の在家と同じような暮らしをしておいてもらいたいと思っていた。
そういうこともあって、子供たちが独り立ちしてからあとは、お盆の帰省はしないでいいと云ってある。
ワイフにはかわいそうだが、万善寺の仏事が一段落して少し落ち着いてから一人で実家へ帰省してもらっている。

吉田家の夏事情は、私が住職を引き継いでから少しずつ調整して、今はだいたいそのようになって落ち着いている。
それで、数年間かけて棚経の日程を調整して11日の一日を寺の作務に当ててある。
施食会用に本堂の配置換えをしたり、境内やその周辺の整備と墓掃除が主な内容になる。
寝苦しい一夜が明けて保賀の谷の鳥たちよりも早くに蜩がやかましく鳴きはじめた。
「今日も暑くなりそうだなぁ~~」と、思いながら抱きまくらをかかえてゴロゴロしていたら、国道を救急車が過ぎていった。
そろそろお盆が近いのに本人をはじめとして親族関係者は落ち着かないことだろうと気にかかったが、いつもの寺の朝の支度を始めるとそれもすぐに忘れてしまった。
少し落ち着いてから電話を確認すると、着信履歴が残っていた。まだ7時を過ぎたばかりで「いやに早い電話だなぁ~・・」と、少し不安になりながら発信者を見ると、お檀家さんの親戚からだった。返信しようとiPhoneを持って電波の強いところまで移動していたら、その親戚からまた電話が入った。
「○○園で△子さんが寝ている間に脳溢血になりまして・・・」
あの救急車と電話の内容が繋がった。
ひとまずは延命処置をしてあるが、頭には出血がいっぱい溜まっていて、もうどうすることもできない状態だから、いずれ近い内に万善寺へ「お世話になることになる」ので、その相談をしておきたいということだった。

それからしばらくして、ご親戚が3人揃ってお参りされた。
危篤状態のおばあさんには、70歳くらいになるかもしれない息子さんが独り身でいらっしゃる。いろいろと複雑な家庭環境で、親戚のみなさんも前々から気にかけておられた。
万善寺の立場となると、ひとまずは静観するしか無いところだが、ご親戚の相談事は葬儀の段取りにまで話が先走ってくる。夏の万善寺大イベント施食会どころではなくなってしまいそうな雲行きになってきた。とにかく仏事絡みの善後策を話しておいた。
納得されたかどうか?・・・
またそれからしばらくして、iPhoneの着信があってワイフがネコチャンズの写真を送ってくれた。何気に物憂げな彼等の後ろ姿に、今のボクの心情を見た気がした。

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2018-08