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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

銀くんはミッション 

2019/06/23
Sun. 19:52

万善寺本堂でお檀家さんの法事をした。
お檀家さんが菩提寺へお参りをして法事をおこなうというと、山寺の万善寺としては殆ど無いほどに珍しい。
だいたいが法事の日取りが決まったら、事前に塔婆を書くなどの準備をして坊主の方からお檀家さんのお宅を訪問する。御本尊様と一緒にその家のご先祖様をお祀りしてあるお仏壇に向かって、法事に該当の御位牌を中央に安座して、お経を読む・・・という、そういう流れで法事が始まるのだが、1年のうちには時々この度のように檀家さんの方からお寺へお参りをして法事をされるところも無いわけではない。

市街地ではこういう形式の年回や供養法事が一般的になりつつあるようだが、万善寺住職的に云うとそれはあくまでも略式の法事であると考えている。
最近は、ひとの生き死にというと、生まれるときも死ぬときも病院から始まって病院で終わることが当たり前になってきた。私個人としては生家で産婆さんのお世話になって産湯を使い、長年愛着のある自宅の畳の上で死にたいものだと古臭いことを思っている。正純和尚も万善寺の庫裏のひと部屋で産声をあげた。さて、死ぬときはどうなることやら・・

そんなわけで、いまひとつ落ち着かない余所行きの法事を午前中でサクッと済ませ、ひと心地ついてから飯南高原に点在のお檀家さんをグルッと一周配りものをして回った。
3時間弱かかって走行距離60km。銀くんの乗り降りを繰り返しながら戸別訪問でポストに配りものを投げ込みながら弱った足腰を酷使していたら、寺の庫裏玄関にたどり着いたときは膝がいまいち上がりにくくなっていて、高くもなんともない敷居につまづいてひっくり返りそうになった。それで思わず踏ん張った膝の具合がそれからどうも思わしくなくて鈍い痛みが続いている。

そういえば、広島の百ヶ日では往復250kmを走破した。首をかばいながら2日間で300km以上を走ったことになる。昨年の異常寒波が終わった春先に結界くんから乗り換えた銀くんは、1年の間に3万km走った。島根県山間部を拠点に活動していると車は自分の足がわりの必需品で無くてはならない大事な道具の一つになっている。
最近、各種メディアがしつこく食いついている高齢者の人身事故は、今の自分にとって他人事で割り切ることのできない切実な問題として眼前にぶら下がっている。
幸か不幸か、万善寺の変に癖っぽくねじれて曲がった急な参道の御蔭で銀くんはミッション。上り坂の途中でサイドブレーキを駆使して坂道発進したりして、なかなかハイレベルな運転技術が必要になるが、そこまでしても冬になって雪が降ると参道が登れなくなる。
ミッションは操作を失敗するとエンストして動かないから、ある意味同じ操作ミスでも高齢者にとってはかえって安全な車であるような気もする。適度な運転ストレスがあってとことん優しすぎない所が良い。
近い将来、銀くんの操作もおぼつかなくなる日が必ずやってくる。仕方のないことだが、車が勝手に動いて走る狂気と化して人身事故を起こすよりはマシだとあきらめも付く。
今のうちから、「畳の上で元気に死のう!」を目標に「ひきこもりジジイの楽しい暮らし」なるネタを、けっこう本気であれこれ考えはじめている。

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2019-06