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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

ボクの想定外 

2019/11/20
Wed. 10:51

寺の用事に少し間ができたので撮りためておいた彫刻小品展の会場写真から手配りを兼ねた三つ折りのチラシをつくった。
だいたいの校正が終わったところで試しに印刷をした。
プリンターが動いている間に通勤坊主の帰り支度をしていたら、西向きの勝手口がオレンジに染まっていた。
まだそんなに遅い時間だと思っていなかったから、夕暮れの状況に慣れるまで少し時間がかかった。
気づかない間に、随分と日が短くなっていた。

石見銀山で小品彫刻の展覧会が始まって1周間が過ぎた。
会場は、北から東にかけて昔ながらの窓ガラスが建てられている。
昼のうちは逆光が少し強くなるが、夕方、陽が沈む頃になると一気に会場の雰囲気が変わって、ほんの20~30分だけのその頃合いがとても好きだ。
それから間もなく周囲が暗くなって、窓ガラスの外は夜の闇になる。ソレもまた昼間とは違って独特の雰囲気が漂う。
展示が終わって展覧会が始まって以来、なかなか会場に常駐することができなくて気になっていたから、少し早めに寺の用事を片付けて彫刻の様子をみておこうと思っていたのだが、夕方の丁度良い頃合いには間に合いそうにない。

65歳の誕生日は病院のベッドで迎えた。
まぁ、ソレも自分の人生としては記念すべき節目になったと思っている。
それにしても、5週間の日常の現実との乖離が、その後の自分の暮らしにここまで大きく影響してくるとは思っていなかった。
自分の彫刻の制作の方は、年間を通じて長期的スケジュールにほぼ大きな変更もなく毎年繰り返されているから、だいたい今の所それほど苦労することもないままいつもと変わらないでいられている。
万善寺の方は、そもそも自分の都合でスケジュールが組み立てられないから、これは一つ一つの現実と具体的に向き合って粛々と乗り切るしかない。
日頃はそれほど大騒ぎするまでもない程度の仏事が五月雨に過ぎていくばかりのことなのだが、なんのめぐり合わせなのだろうか、今年の場合は今までの万善寺がまったく通用しないまでに目まぐるしく様々な出来事が次々と絶え間なくやってくる。

展覧会が始まってすぐの夜更けに、お檀家さんの訃報が入った。
50軒足らずのお檀家さんのことで、今年は既に5軒の葬儀で5つの引導を渡した。こういう事態は、副住職時代を含め自分の坊主家業で経験のない想定外のことで、寺の過去帳を手繰っても、前住職の憲正さん在職の60年でもなかったことだ。元号が平成から令和に変わったという事実と合わせて、これからも鮮明に自分の記憶に残ることだろう。

夕方の万善寺上空は一面いわし雲が広がっていた。明日は雨になるかも知れない。
山王さんの秋の大祭が近い。今年の万善寺住職は山王神社境内の草刈りが当番になった。

2019石見銀山彫刻小品展チラシ
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2019-11