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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

不戯論 

2020/01/06
Mon. 23:19

冬の雨は、冷たいと云うより暖かく感じてしまう。
いつもなら雪になってもおかしくない今の時期に、夜中暴風雨が吹き荒れて眠れなかった。
万善寺の南側は昔ながらのガラス戸が雨戸代わりに建てられている。それが強風にあおられてものすごい音で、耳について耐えられない。
結局、一晩ほとんど眠れないまま夜が明けた。
ワイフが留守番している吉田家のことも心配なので電話してみると、石見銀山も一晩中強風が吹き荒れて、雨もかなり降ったらしい。飯南高原で雨だから石見銀山も雨なのはわかったことで、どちらかといえば風の方が心配だった。
「少し前から目は覚めてるんだけど、シロも一緒にまだ布団から出てないの。ゆうべはあめかぜがものすごくて寝れなかったわよ」
どうやら、石見銀山も似たようなものだったらしい。それにしてもワイフが眠れなかったと云っているくらいだから、かなりの暴風雨だったのだろう。

いつもの朝の用事を片付けていたら、電話が鳴った。
「お母さんが今朝亡くなりました・・」
年が変わって最初のお葬式ができた。
先日、年始回りをした時に、正月早々珍しく庭先に車も無くてひと気がなかったから「子供さんのところにでも行ってお正月をすごされているのだろうか?」とチラッと思ったが、認知症が入って目の離せないおばあさんも一緒に出かけることもないだろうと、その考えは一瞬で消えた。年末に寺の配りもので巡回した時、おばあさんの容態が思わしくないということを聞いていたから、病院の付添で留守なのかもしれないと勝手に理由を決めて納得していたのだが、それが今訃報の知らせを受けて本当のことになった。食事が喉を通らなくて、年越しも病院の点滴が命綱になっていたようだ。
死生観の事は法事の度に繰り返しお話しているからそれなりの覚悟はできていたと思う。
今の施主さんはご主人を先に亡くされ、その後は、おばあさんの介護も目が話せなくて嫁の立場でかなりの苦労だったようだ。
おばあさん自身もご主人を早くに亡くされていて、少年の私が夏の棚経で訪問する頃にはすでにご主人はお位牌さんになっていた。親子二代、男子が短命だったことになる。
雨の中、枕経を読みに出かけた。
お葬式から四十九日までこれからしばらくの間、坊主家業が絶え間なく続くことになって、春の彫刻展に向けた制作の日程計画を少し修正しないといけなくなった。

不戯論~ふけろん~
人の命は必ず限りのあるもの
我身はなによりかわいいもの
自分の利益が他人の不利益になったり・・
自分の行為や言葉が他人を傷つけたり・・
自分の我欲で他人に押し売りしたり・・
精一杯正しく思いやり限りある命を全うしたいものです

10~12月印刷原稿2020

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