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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

逃げる2月 

2020/02/29
Sat. 14:12

早いものでもう怜子さんの5・7日小練忌がおわった。
万善寺に安座した仮位牌や仏具の前で一人七日努めのお経を読み続けているが、もう命日から5週間が過ぎた。急逝だったから、ワイフもトシちゃんも心の準備が無いまま慌ただしく通夜葬儀から告別式を終わらせて、気持ちの落ち着かないまま日常の仕事へ帰っていった。
いつもなら、2月の万善寺は立春が過ぎて時々初午祭のご縁日が巡った年は法要でお参りが数人ある程度で、あとは年回法事の仏事も殆どない。それでも1年で一番雪が沢山降り積もる時期でもあるから、単身赴任に切り替えて朝夕の参道雪かき道開け作務が欠かせない。
今年はその参道雪かきを1回しただけで、もう3月になろうとしている。

雪がないからだろう、2月は毎週末から連休にかけて年回法事が続いて、そのうち2日ほどは県境を越えて広島まで出かけた。
広島は毛利公の関係で浄土真宗が多く、法事の様式も万善寺とはかなり違う。法事にお集まりのご親族もいつもと勝手が違って戸惑い気味だ。
こちらもお檀家さんであるとは云っても飯南高原の気のおけない勝手知った近所付き合いの延長のような法事付き合いにならなくて緊張する。前日から塔婆を書いたり経本を揃えたり法要用の線香や焼香用の香炭を用意したりと準備だけで時間がすぐに過ぎた。

雪が降り積もっていないからなのか、目付きの悪い黒猫を頻繁に見かけるようになった。
以前は保賀の谷のアチコチへ出没していたようだが、最近は万善寺境内のどこかでほぼ毎日目が合う。
庭木の剪定をしていたらサツキの株脇で丸くなっていたし、銀くんを庫裏玄関へ横付けして荷物をおろしていたらボクの造った彫刻脇でジッとこちらの動きを凝視していた。勝手口で灯油のポリタンクを出し入れしていたら物置の曲がり角で行儀よく猫座りをしていた。その物置に入って剪定用のノコやカマなどを物色していたら日当たりの良い南側の窓際でゴロリと寝たまジッとこちらを見ていた時はかなりビックリした。本堂の仏花を替えていたら高床の座の下からボクの動きをしっかりとロックオンしていた・・・
2月になって接近遭遇が激増したので、境内へ出入りするたびに「ネコちゃん!」と声掛けを続けていたら、そのうちその黒猫の方も「どうやら自分は(ネコちゃん!)であるらしい・・・」と自覚するようになって、あてもなく「ネコちゃぁ〜ん!」と呼ぶとどこかからひょっこりと現れるようになってきた。まだ手が届くほど近くへ寄ってくるまででもないから彼か彼女か判別はできていないが、以前よりはお互いの距離が短くはなっているようだ。それにしても、いまだにその猫の鳴き声を聞いたことがない。まだ「鳴く」ということが人間とのコミュニケーションの手段の一つであるということを知らないでいるのだろう。

飯南高原で雪のない2月は私の人生で初体験になった。境内の掃き掃除や墓地への参道整備、それに俊江さんが健在だった頃からの懸案事項である荒れ放題に繁茂したツツジの伐採も少しずつ進んできたところだ。雪かきとは違った忙しい2月が終わろうとしている。

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