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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

直感のレリーフ 

2020/03/16
Mon. 23:24

4月からの展覧会のことで何度かメールのやりとりがあった。
話が少しずつ大きくなってワイフの彫刻も一緒に展示することになった。

お互い、40年近く彫刻制作を続けて、世間では「職業は彫刻家!」であると云ってもおかしくないほどに認知されていると思うが、一方で吉田家の夫婦でもあって家族もあるから二人が同時に彫刻制作をして一定期間同時に発表をするとなると、それなりに家庭内のスケジュールを調整して、どちらかが彫刻の表向きの対応に従事して、どちらかが家庭内の家事全般に従事して、それぞれの過不足を調整して役割分担をしながらなんとか別々に「彫刻家」を乗り切って今に至った。
日常の暮らしを工夫しながらこういう状況を続けていると、なかなか夫婦で二人展をするという気になれない。

私の方は、この近年そろそろ制作や発表も少しずつ絞って「量より質!」に切り替えてもいいかな・・・と思い始めたところだったのだが、その気持を周囲に伝える間もないまま何故か毎年のように個展の依頼が舞い込んできて、今年もソレを受ければ三年連続で新作の制作が続くことになる。
ワイフが半分ほど付き合ってくれて二人展になると展覧会全般の業務も少しは「楽になるかも知れない・・」と一瞬思ったが、今までの経験を思い返して落ち着いて熟考してみると、それはとっても甘い考えだと気づき始めた。
それでイベントの企画を担当しているTくんへ「人手は確保できるの?」と聞いてみると、展示とか会場設営に限っては手配できるから「大丈夫です!」と約束してくれたが会期中の作品管理とか接客受付までは予算に入っていないと言われた。
すでに企画が進んで印刷原稿には吉田家の二人の名前も入っていて、今更辞退できる状態にはないから、このままなんとか乗り切るしかない・・・

工場の方は、彫刻もほぼ出来上がっているし、テーブルは一晩で塗装も乾いて少し先が見えてきた。
搬送の梱包材などを揃えて、あとはドック入りしている銀くんが帰ってくればリヤデッキに積み込むだけにしてから、レリーフの制作に入った。
レリーフは、制作の端材が溜まってくると思いついて一気にかたちへ置き換える。
あらたまって一般にお見せするようなモノでもないのだが、それでもある時は壁の間接照明になったりある時は即席の棚代わりになったりある時は壁専用の本立になったりある時はハンガーフックの用を足してみたりと、気楽に壁の彫刻を楽しんでいる。
今回は、銀座でのグループ展出品を狙っているからチャンとした彫刻としての体裁を整えようと決めて、端材の山から自分の勘が反応したものを幾つか引き出した。
ギャラリーの壁のことを考えて、レリーフの重量を支えるために即席の壁も自作した。
制作は、あくまで自分の直感を信じて、金属の材質やテクスチャを活かして、それに構成の緊張感を抜かないようにしながら仕事の痕跡を残しつつギリギリまで制作の力と手数をを抜いて一気に仕上げた。
ここだけの話だが、かたちは20分くらいで出来上がった。

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2020-03