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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

万善寺の旬 

2020/05/05
Tue. 17:41

雨後の筍とはよく云ったもので、寺の朝の用事が一段落して少し落ち着いてから境内をひと周りしてみると、イノシシの掘った穴の周辺を中心に二番目三番目の筍が一気に伸びていた。
次の雨が降るまでこのままにしておくと、筍が本格的に伸びてそのまま竹になってしまうから今のうちに掘り起こしておかないといけない。
イノシシは実に贅沢な奴で、これでもかというほど深い穴を掘って刺し身で食べられるほど柔らかくてアクのないまだ地面から頭を覗かせる前の一番目の筍を狙ったあと、二番目以降の筍は見向きもしないでほったらかしにしてしまう。人間はイノシシのお下がりをいただいているようなものだ。

筍の場所を確認してから昼食前の草刈りをした。
最近は、夜になると雨が降ってきてそれが朝まで続く。
昼のうちはそれなりに晴れてくれるから外仕事もそれほど停滞することもなくて助かってはいるが、一方で境内の周辺にはびこる熊笹や春の雑草が一雨ごとにぐんぐん伸びてしまってキリがない。
一年前は手術から退院まで春の5週間ほど万善寺のことがほったらかしになってしまった上に、退院後の仕事制限まで加わって営繕作務もままならないまま夏が過ぎ秋も深まる頃には見るも無残な荒れ寺になってしまった。一度そういう状態になってしまうと、なかなか以前のような見た目に戻すことも難しくなってジタバタしているうちに冬になって年が変わってまた春になって1年が過ぎた。
今年は暖冬で雪もなかったからお彼岸前には境内の作務に取り掛かって今に至っている。

腕や手指の痺れを騙し騙し作務を続けて庫裏の裏庭を掃除した。
これから本堂の裏庭へ掃除を進めて、東側から前庭に移って参道脇の草を刈りながら駐車場のぐるりへ移動する。其処から境内の石垣を巡って庫裏の西側まで草刈りが終わる頃にはそろそろ梅雨が間近に迫っていて、梅雨の長雨に蘇った裏庭の雑草が瑞々しく成長を再開して今度は本格的に丈夫な夏草になる・・・結局、いつまでたっても終わりのない草刈りをしながら寺の周辺をグルグル回っているわけだが、さて、こういうことがあと何年続けられるのだろうか・・・そのうち境内にはびこる雑草の成長に追いつかなくなって年々荒れ寺化が進んでいくことになるのだろう。
まだ副住職の頃に聞いた隣町の浄土真宗のご院家さんのお話を思い出した。
「○○町の✕✕寺さんが空き寺になりましてねぇ〜、この歳ですけぇ〜門徒さんの法事くらいしか引き受けられませんけぇ〜ねぇ〜」と条件付きで兼務していたら、ある年のお盆前にその寺へ行ってみると、なんと本堂の座の下で竹が伸びて座板や畳を押し上げて御本尊の阿弥陀さんのすぐ前で天井を突き破っていたそうだ。
浄土真宗さんはそれこそ世襲でお寺を守っていらっしゃるから、寺の維持管理をするにも目に見えないところでご苦労も多いことだろう。

万善寺も昨年1年で一気に竹林が境内の直ぐ側まで迫ってきた。イノシシの筍掘りもあてにならないし、床下で筍が芽を出す日も近いかもしれない・・・

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2020-05