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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

今を生きる 

2020/07/02
Thu. 23:59

万善寺の大般若経転読会法要は、先代住職憲正さんの三回忌が終わってから祥月命日の追善供養を兼ねて6月16日を縁日にして移動した。
連日通勤坊主をしながら荘厳などの準備を続け、前日になって仏花を活けかえ少しでも瑞々しく鮮度のある状態で法要に望んだ。

荘厳の心得として「仏花はお釈迦様の慈悲、灯明はお釈迦様の智慧、香はお釈迦様の功徳だから、どんなに忙しくても暇がなくても、この3つのコトだけは絶対に遺漏の無いようにしなければいけない!」と、小さい頃から法要行事が近づくとそれこそ耳にタコができるくらい毎度毎度憲正さんから言われ続けていた。
当時はその言われ方が指令とか命令とかくらいにしか思えなくてイライラとめんどくさいばかりに感じていた。慈悲だとか智慧だとか功徳だとか、なんとも曖昧で実態のない抽象的な言い回しのモノが何を意味しているのか生涯理解などできるものでないと思っていたのだが、今は、花はやがて枯れ腐り、蝋燭は溶けて流れて燃え尽き、線香は煙と灰になってかたちが消える・・・という、実体が消滅する様子を具体的に五感で感じとることで生死の実体を平静に受け入れられるように工夫された死生観の教えであるのだろうと思うようにしている。

死生観は一方で「如何に生きるべきか!」という人生観であるといえる。
地球上のあらゆる生き物はすべて生から死へ向かって一度しか無い一方通行の生涯を通して今を生き続けている。
過去のことは思い返すことはできても修正はきかない。
未来のことは理想を夢見ても現実にどうなるかはわからない。
結局、今を大切にして自分に正直に生きていくしかない。

衣替えに合わせて、シキビをメインに流儀も流派もないナンチャッテ活花で庫裏の装いを変えた。
ドクダミの花はそろそろシーズンのひと山を越えたようだが、それでもしぶとく咲き続けている。
ユキノシタも随分前から花を咲かせていて切り花にしても結構長持ちしてくれる。
ムラサキツユクサは水の吸い上げが早いから、それを気づかってやれば切り花の後も次々に花を咲かせてくれる。
ちょっとしたことだが、冬の間シキビで済ませていたところへ庭の花を切り花にして活け添えただけでどこかしら庫裏が華やいで感じる。

「私はあなたの娘じゃなくて妻なんだけどネ!」
ワイフが父の日にわかりきって言わなくてもいい一言を添えて携帯の扇風機をくれた。
なにか「組み立てキットのおもちゃみたいだなぁ〜」と思いつつUSBで充電を済ませて首にかけてみると、なかなかどうして思った以上に快適で意外だった。さすがに改良衣で首へ掛けてお盆の棚経に回るわけにはいかないものの、寺の荘厳や整備作務には十分に活躍してくれそうだ。

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2020-07