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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

できること 

2020/08/01
Sat. 17:18

「今まで何年も続けてきたことだけぇ〜、勝手にこっちの都合で日にちをずらしちゃぁ〜いけんけぇ〜・・」
まだ副住職だった頃、盆前になると毎年のように先代から叱られ続けてきた・・・

吉田家の家計と彫刻の制作費を捻出するために島根県の公僕に働いていた頃のことだ。
主たる生計を公僕で賄っている身としては、寺の都合で有給をフルに使ってチョコチョコ休むわけにもいかないし、毎度毎度同じ時期になると同じ棚経のことで先代とバトルが繰り返されていた。
坊主は月々のスケジュールを数字日程優先で決めていくし、公僕は曜日優先で決めていくから、前年と同じスケジュールが通用しないわけだ。
そもそもは、合理的でシンプルに繰り返される坊主日程の方が八方都合良いはずなのだが、世俗の常識は曜日日程をもとにして社会生活を送っているから、平成から令和に至る現代社会では昔ながらの縁日などとっくに崩壊して日常のご縁から遥かに遠ざかってしまった。

公僕を早期にリタイヤして坊主家業と彫刻家業を適度に調整しながら自営業というか自由業というか、とにかくどうとでも融通の効く暮らしに切り替えてそれに慣れてしまうと、その便利さに自分自身が随分と助けられているということに気付かされる。
寺の年中行事はそれぞれ縁日で決まっているから新春正月のうちにその年のカレンダーへ1年分の書き込みができるし、彫刻絡みの展覧会スケジュールも若干の誤差を考慮して少し余裕をもった日程を書き込んでおけばいい・・・そういうことが毎年繰り返されるうちに万善寺のオリジナルカレンダー制作を思いついて、そろそろ10年になる。
1年の万善寺行事を印刷したカレンダーを年始会へお参りのお檀家さんへ配っておけば寺の寺務が随分と割愛できて助かる。さすがに寺のカレンダーへ彫刻の行事予定も一緒に印刷しておくわけにいかないから、彫刻関係は後で自分用のカレンダーへ手書きしておく。

昨年のうちに印刷した今年のカレンダーは、年中行事が2月まで狂わないで過ぎたものの、それから後、コロナのおかげで狂いに狂ったまま気がつけはお盆を迎える頃になった。万善寺の行事は全くブレないで今に至っているが、手間替え随喜の組寺さんを始め、彫刻の展覧会に至るまですべて中止や日程変更無期延期と続いて、今後の予測不能に陥った。各種イベントや神事・催事・集会など世間の行事が軒並み様変わりになって自粛が当たり前になってきた。
時節柄、みんなそれぞれ慎重になることは当然大事で必要なことと思う。一方、仏事と直接関係する坊主家業の立場からすると、こういう時節であるからこそ余計に神仏に信心することで気持ちの平常を維持できる可能性も無いわけではないとも思う。信心はあくまで個人の自由であり特権であるから、大勢が一つ所に集まって何かをしなければいけないということもない。
それぞれのプロが分相応にそれぞれの立場でそれぞれに必要な業務に粛々と従事する環境が保全できると良いと思う。さしずめ、ボクにできることはセッセと太鼓を叩きながら人類の身体安全を祈念することかな・・・

2020暮らす彫刻奇譚のコピー

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2020-08