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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

初秋の寺暮らし 

2012/10/11
Thu. 02:30

おかみさんの定期的通院が何時もよりずいぶんと早く終わって、近くの診療所まで迎えに行くと、帰りの車内でその日の診察状況を物語のように話し始め、寺に到着後も、助手席から降りる気配もなく、しばらくの間語り続けていました。

出不精のおかみさんは、唯一1ヶ月に1度の通院の時だけ外出します。
あとは、晴れていれば毎日のように畑仕事。
雨が降ればNHKのテレビ。
それに、東堂さんの具合が悪くなってからは、訪問介護のお姉さん相手の長話。

とにかく、寺の周辺から外へ出る事の無い毎日を過ごしているわりには、延々と口が動き続けています。
「今度変わって来た介護の人は、若いのに耳が悪いけぇねぇ。わつし(おかみさんは自分の事をワツシとよんでいる)の話しが全然聞こえんみたいだが。わつしがいしょうけんめぇ話しとっても、返事もせんでズーッと日誌の字ばっかり書いとられるがのぉ」
訪問介護のお姉さんが帰ってから、私にそのようなことを真顔で言ってきました。
おかみさんにとっては、とても重要な話しなのかもしれませんが、他人にはどうでも良いこと。
そのあたりのことが、本人にはなかなか理解出来ていないようです。

かれこれ半世紀近くも二人暮らしを続けると、知らない間にずいぶんと世間知らずになって、思考も志向も頑固に固まって、とにかく年とともに動かなくなった関節のように融通が利かなくなってきます。
云えば、防火用水や灌漑用水の溜め池のようなもので、鮮度が無くなっているのです。
絶え間なく流れ続ける清らかなせせらぎとはほど遠いものの、ほんの少しずつではあっても水の入れ替えが進んで、ゆるやかな流れが生じるといいなあと思ったりします。

最近では、老夫婦二人の寺暮らしが、かれこれ40年ぶりに私との三人暮らしになって、それに介護のお姉さんがやってきたりして、少しずつ暮らしの様子が変わってきたように感じます。

風前の灯だった百日紅の老木だって、思い切って古株を切り込んでやったら花まで咲き出して甦ったことだし・・・

IMG_5584.jpg

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