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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

秋が来た 

2012/10/29
Mon. 06:49

このところの島根は(・・といっても万善寺のあたりと石見銀山周辺ですが・・)めっきりと秋らしくなって、朝夕がずいぶんと冷え込むようになってきました。
空気もすっかり透明になって、日が短くなって夕暮れが早くなった空を見上げると、月や星が降ってくるような勢いで、鮮明に見えるようになりました。

そんな季節の節目を感じつつ思い返すと、少年の私がまだ寺で暮らしていた頃は、もっともっと早くに秋が来ていたような気がします。
稲の刈入れが終わると、朝夕の稲ハデにはみっしりと露がはりつき、やがて朝日にあたためられた露が一気に気化して登校中の谷間に霞がたちのぼる。
毎日のそのような繰り返しの中で、田んぼのあぜで立ち枯れて乾燥の進んだ大豆や小豆のサヤマメがカサカサ音を立てています。
稲の切り株は、今のようにオノレ生えの二番稲が育つこともなく土色に同化して、そのまま田の土も固まって雪を待つ状態。
そんな田んぼが少年達のにわか野球場に変わる訳です。

最近では、紅葉もどんどん遅れてきて、下手をしたら山の稜線では紅葉に雪が積もったりすることもあったりして、こうして田舎暮らしをしていると、「世間は確実に温暖化しているんなだなぁ」ということが視覚的に体感出来るほどです。

塔婆の裏書きも、秋仕様に切り替えて、「水急不流月」
(水急にして月は流れず)とでも読むのでしょうか・・
やはり、秋には月が付きもの。
「水に映る月は、それがどれだけの急流でも流されることはない」といったふうに略されることでしょうか、無学な私にはこの禅語の出典がどのようなものか不明です。
大事なのは、「世間の時々の事情に流されないほどの強い信念を持ちましょう。また、常にその信念を磨く努力を怠らないようにしましょう」という、自分への戒めの真意を読み取ることです。

東京での秋の展覧会も搬出の日がやってきました。
今年の彫刻展は、ワイフが受賞するなど、色々心乱れる年でありました。
また、絵画部では、島根県の作家S氏が審査委員に昇格しました。
苦節30年、私達がお世話になっている会派では島根県初の快挙です。
これを契機に、自分の為だけの制作活動ではなく、地方田舎の美術文化向上発展に邁進していただきたいものです。
まさに、このような機会を頂いたときこそ、「水急不流月」ですね。

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