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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

秋風景 

2013/09/11
Wed. 08:53

石見銀山の街道筋でも稲刈りがはじまりました。
夏の終わりから停滞していた秋雨前線も、少しずつ動き始め、このところ秋空が続くことも増えてきました。
近所のお百姓さんも、コンバインで一気に稲刈りをすませてしまうことが増えましたが、昔ながらに稲ハデを組んで、自然干しをしていらっしゃる所も若干残っています。

稲刈りの様子を見ていると、あれだけの猛暑で喘いでいた夏が嘘のようです。
季節は、確実にかわり巡っているいるのだと実感します。

先日、2軒のお檀家さんの年回法事をすませました。
1軒はご主人を亡くされたおくさんと、お子さん達。
もう1軒はご夫婦と、奥さんの実家の一人暮らしのおばあさんの3人。
ご親族が少なくなったのかと思われがちですが、そうではありません。
それぞれのお仕事の関係で、皆さんが一同に同じ日に同じ場所へ集まることが難しくなっているのです。
一人一人仕事が違えば休みも違って、それぞれの決まったシフトで働き始めると、よほど前から自分の都合を決めて調整しておかないと、気軽に有給を使うことも難しいらしいのです。

年回仏事の出欠でも、結局社会の歯車を優先せざるを得ない時代になっているようです。
そんな世の中で、お百姓の仕事など、天候と相談しながらノンビリと働くなどと云う選択肢は社会の仕組みの中で完全に削除されているようです。
手つかずの稲の田にヒエやアワが見苦しく茂って、収拾がつかないような風景を見かけることが増えました。
結局、少ない休日に一気にコンバインを動かしてしまうような百姓仕事に、日本の弱小農業は変化しつつあるのです。

棚田の稲作も、結局大型農機具が出入り出来ないと云うことで、見捨てられて荒れ地に変わります。
「美しい日本の原風景を残そう!」などという感傷だけでは、現在の古い農村地帯を残すことが出来なくなっています。

最近の吉田の彫刻は、したたかに今を生きる現場のお百姓さんの色々な四方山話がネタ元になっているようなところもあります。
六本木のビルの谷間にそんな田舎臭い彫刻を持ち込んでいる訳です。
今年の晩秋には、お百姓さんのオフジーズンを使って石見銀山の谷の田んぼで野外彫刻の個展をしようと思っています。
自分が満足出来るほどの単なるマスターベーション程度のことかもしれませんが、ひとまず、自分が考えていることを具体的な彫刻に代えていくことで、見えない何かが見えてくる可能性もあるだろうと、そんなふうに考えている所です。

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