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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

赤潮 

2014/04/12
Sat. 09:44

しばらく前の事になる。
4月初めの桜がほころびはじめたがまだ寒い日が続いていて、その後急に温かくなったある日。
幾つかの用事をすませて日本海を右に見て9号線を西へ走っていると、海岸線の至る所で赤潮が発生している。

原因はわからないが、思い出してみると春先のこの時期によく見かけているような気がする。
根っこのちぎれたワカメが砂浜や護岸に打ち上げられる時期でもあるので気になって何時もの憩いスポットへ迂回してみたら、その場所も見事に赤潮が漂着していた。
何時ものマッタリ絡みつくような塩のかおりが全く無くて、何ともいえない腐臭があたり一面に漂っている。
一説によると河川や沿岸部の生活圏の環境状況による生活排水の富栄養化が原因でプランクトンが大量発生するのだといわれているが、山陰の島根県の人口減少が加速する片田舎の町々を流れ下る小さな河川がそこまで栄養豊富であるとはなかなか考え難い。

このところ彫刻制作に欠かせない日本海岸の玉石を採集する場所が、数年前に忽然と消えた事があった。
別に大きな台風もきていなかったし洪水の被害もなかったはずなのに、砂浜どころか、打ち寄せ積み重なった玉石も消えて無くなっていた。
その年は、彫刻のパーツを採集するのにえらい苦労して、結局過去の彫刻パーツまでかき集めてやっとギリギリ間に合わせた。
その後何度か通い詰めるうちに、1年が過ぎ2年が過ぎて、少しずつ無くなった海岸線と少しばかりの玉石が戻りはじめた。
それでもまた何時海岸が無くなるかわからないのでセッセと通い詰めて玉石採取に励んだ。
今度の彫刻展で良い感じの石を結構使ってしまったので、またそろそろ集めておこうと思っていた時だったので、赤潮の悪臭には気持ちがガックリと萎えた。

昨年は強力な台風や記録的な豪雨も続いた。
漂着物の山は今までに見た事がないほど膨大だった。
おかげさまで、我が家のストーブの燃料はずいぶん楽に確保できたが、一方で海岸線の風景が一変した。
その場所は、満潮干潮関係なく前からすると3分の1くらいになって年々荒れてくるような気がする。
自分の目で確かめているだけでもそれほどの変化が見える。
人間一人ひとりの大小の我欲が集まると、ここまで目に見えて自然が狂ってしまうものかと恐ろしくなる。
科学の進歩や経済の発展が、一方で物言わぬ自然の営みを狂わせているのかも知れない。
自分で自分の首を絞めるのは自分の事でしょうがないが、知らない間に他人の首も一緒に締めたりする事も無い訳では無い。
今の世の中、人々がお互いに助けあい分かち合いつつましく穏やかに暮すという事は何よりも難しい事になっているのかも知れない。

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