FC2ブログ

工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

表現者の1日 

2014/04/25
Fri. 10:29

島根県具象彫刻の重鎮で、江津市に在住の彫刻家田中さんを訪問した。
歳は私より10歳くらい上だろうが、彫刻家としての作家歴の差はそれ以上のものと、改めて感じた。

プラプラと根無し草の生活を続けていた私が、そろそろ落ち着こうと自覚してワイフと結婚して島根に帰って彫刻を造りはじめたのは30歳少し前だった。
この時点ですでに島根に根付いてコツコツ彫刻を造り続けている田中さんの作家歴と10年の開きがあるからトータル20年は私より余計に制作を続けていらっしゃるわけだ。

今回、現代彫刻小品展のことで色々図々しいお願いをしたら、そのことは、実にこころよく簡単に引き受けていただいた。
だから話はそれで終わってあとは失礼するだけの事だったのだが、そこからが長かった。
色々積年の思いがあったのだと思う。
聞くところによると当初独学で彫刻を始められたらしい。
今では日本を代表する根付け彫刻家としてその筋では広く知られているが、島根の彫刻振興に関しては苦労していらっしゃるようで、そのようなこともあって、私の事を同好の士と思って下さったのかも知れない。

とにかく、島根県は彫刻過疎地であることに間違いはないので、狭い業界に蔓延する色々な私恨や思惑は水に流して、世代や表現領域を越えた広く柔軟な付き合いが出来るといいと思っている。
少し前から現代彫刻小品展のことでワークショップ講師の依頼や会場との調整や事務的なところから本格的に動き始めたが、ガードの堅い県内の彫刻家の協力を得る事は難しい。

帰りの道中、アレコレ悩んでもしょうがないのでひとまずは目先の事実に向き合っていこうと気持ちを切り替えた。
だからというわけでもないが、帰宅してから久しぶりにグッピーちゃんの水槽を掃除した。
狭い水槽の劣悪な環境の中でかるく10年以上は世代交代を繰り返しながら生き続けているので、彼等はすでに野生に戻っているかも知れない。
側面の汚れは限りなく不透明にこびりついているから、日常の暮らしの中で彼等の様子を鑑賞して癒されるなどと生温い感情はすでに消えた。
それでもこうして水を入れ替えたりフィルターを交換したりしていると、親しげにぴょんぴょん飛び跳ねて指先をつついてきたりするほど慣れている様子はかわいい。

夜になっていつものようにキーポンを迎えに出かけた。
「今日は映画を観よう!」というので、「そんなことより、やらなきゃいけないことがあるだろぉ〜」と思ったが、誘惑に負けてコンビニへ寄ってポップコーンと麦とホップ500㎖を買ってしまった。
夕食が終わって、本当に久しぶりに家族3人でフランス映画の「オーケストラ」を観た。
二時間近い映画の最後の15分位がチャイコフスキーのバイオリン協奏曲のコンサートシーンになる。
音楽の事はよく分からないが、チャイコフスキーにはもっとドラマチックで有名な楽曲がいっぱいあるのに、やはりこの映画にはバイオリン協奏曲が一番だと思う。もっとも、ストーリの要になっているのだから当たり前の事だが・・・
演奏のシーンの一見ガサツなところが良い。
私が思うに、フランス映画にはだいたいそんな感じが漂っていて、だから言いたい事に一本太い筋が通っていて、それがシンプルで気持ちが良い。
美しいバイオリンのソリストのメラニー・ロランが良い。
たぶん、かなりバイオリンを練習したのだと思う。
吹き替えだろうオーケストラの演奏も、微妙に癖があって上手だけでない味のある良い演奏だったと思う。
それに、個人的には、マーラー・・確か「巨人」??が使われていたのが良かった。

表現者の一人として色々考えさせられた一日だった。

IMG_0625.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/1581-e6c87015
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2019-11